【ナトコ(4627)】塗料・蒸留事業が伸長し営業利益64.8%増|通期予想を修正
ナトコ(4627)の2026年10月期第3四半期累計は、売上高182.7億円、営業利益16.5億円となり、営業利益は前年同期比64.8%増加しました。塗料、ファインケミカル、蒸留の3事業がそろって増収となり、売上総利益の増加が販管費の増加を上回ったことが増益につながっています。
一方で、物流センター新築計画の撤退に関する費用も計上されています。好調な営業利益だけでなく、通期予想、配当、投資計画の見直しも分けて確認したい決算です。
塗料・蒸留事業が伸び、営業利益64.8%増となった第3四半期累計
| 項目 | 前年同期 | 当期 | 前年比 | 見るポイント |
| 売上高 | 165.7億円 | 182.7億円 | +10.3% | 3事業が増収 |
| 売上総利益 | 36.5億円 | 44.5億円 | +22.0% | 粗利益が増加 |
| 販管費 | 26.5億円 | 28.0億円 | +5.8% | 増加を抑制 |
| 営業利益 | 10.0億円 | 16.5億円 | +64.8% | 利益成長が大きい |
| 営業利益率 | 6.0% | 9.0% | +3.0pt | 収益性が改善 |
売上高は前年同期比10.3%増に対し、営業利益は同64.8%増となりました。営業利益率は5.5%から9.0%へ改善しています。売上総利益は36.5億円から44.5億円へ約8.0億円増え、販売費及び一般管理費の増加は約1.5億円にとどまりました。増収だけではなく、粗利益の伸びが費用増を吸収したことが営業利益の増加につながった構図です。
塗料・ファインケミカル・蒸留で異なった増益要因
| 事業 | 売上高 | 前年比 | 事業利益 | 前年比 |
| 塗料 | 約113.6億円 | +6.1% | 約11.8億円 | +44.0% |
| ファインケミカル | 約21.4億円 | +15.6% | 約5.1億円 | +26.8% |
| 蒸留 | 約47.7億円 | +19.0% | 約5.3億円 | +50.8% |
表の事業利益はセグメント利益であり、連結営業利益とは全社費用・連結調整を含むため単純には一致しません。塗料事業では、産業機器・電気機器向けの需要に加え、建材用塗料での価格転嫁が売上を支えました。ファインケミカル事業は、食品・医療関連のラベル印刷材料や個別案件が寄与しています。
蒸留事業では、子会社の通年寄与、再生品需要、コスト転嫁が増益要因です。3事業とも増収ですが、需要の背景は同じではありません。次回決算では、塗料の価格転嫁と蒸留事業の再生品需要が継続するかを確認したいところです。
通期予想・株主還元
第3四半期の営業利益進捗は約81%。修正後の通期計画を確認
| 項目 | 修正後通期予想 | 前期比 | 第3四半期進捗 |
| 売上高 | 245.0億円 | +10.0% | 74.6% |
| 営業利益 | 20.3億円 | +45.2% | 81.3% |
| 経常利益 | 22.3億円 | +47.7% | 83.5% |
| 純利益 | 14.6億円 | +28.3% | 84.7% |
会社は通期予想を修正しています。第3四半期累計の営業利益16.5億円は、修正後の通期計画20.3億円に対して当方計算で約81%です。売上高の進捗率は約75%であり、営業利益は売上高を上回るペースで積み上がっています。
ただし、通期計画の上振れを進捗率だけで判断することはできません。第4四半期の製品構成、原材料価格、価格転嫁の持続性を確認する必要があります。
年間配当予想は54円。前期実績55円との比較に注意
2026年10月期の年間配当予想は54円です。前期実績は55円であり、今回の決算短信では配当予想の修正は示されていません。利益予想の修正と株主還元を混同せず、今後の配当方針を別に確認することが大切です。
物流センター計画の撤退費用は一過性要因として確認
物流センター新築計画の撤退に関する費用が計上されています。金額は決算短信で個別に確認できないため、事業の収益力を判断する際は営業利益と分けて考えるべき材料です。撤退後の物流・投資方針がどう整理されるかは、次回以降の確認点になります。
今後の注目ポイント
今回の増益は、塗料、ファインケミカル、蒸留の各事業で売上が伸び、粗利益が増えたことが中心です。次回は、価格転嫁や再生品需要などの要因が、売上だけでなく利益率の維持につながるかを確認したいところです。
特に、営業利益の進捗が高い一方で、原材料価格や顧客需要の変化は利益率に影響します。物流センター計画を含む投資方針の整理も、長期的な収益性を見るうえで重要です。
まとめ
ナトコの2026年10月期第3四半期累計は、3事業の増収と粗利益の拡大を背景に、営業利益が64.8%増加しました。売上高の伸びを大幅に上回る利益成長となり、営業利益率も改善しています。
通期予想は修正されており、営業利益の進捗は約81%です。今後は、価格転嫁と再生品需要の継続、原材料価格、物流センター計画撤退後の投資方針を確認していきましょう。
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本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
