【泉州電業(9824)】半導体製造装置向け回復で営業利益40.9%増|通期予想と配当を修正
泉州電業(9824)の2026年10月期第3四半期累計は、売上高1,215億円、営業利益95億円となり、営業利益は前年同期比40.9%増加しました。半導体製造装置・工作機械向け需要の回復が売上を支え、粗利益の増加が販管費の増加を大きく上回っています。
一方、銅価格の上昇は売上高だけでなく売上債権、棚卸資産、仕入債務にも影響します。利益成長と運転資本の変化を切り分けて確認することが重要です。
半導体製造装置・工作機械向け回復で営業利益40.9%増となった第3四半期累計
| 項目 | 前年同期 | 当期 | 前年比 | 見るポイント |
| 売上高 | 1,013億円 | 1,215億円 | +19.9% | 銅価格上昇と需要回復 |
| 売上総利益 | 154億円 | 183億円 | +18.9% | 粗利益が拡大 |
| 販管費 | 86億円 | 88億円 | +1.8% | 増加は小幅 |
| 営業利益 | 67億円 | 95億円 | +40.9% | 粗利益増が寄与 |
| 営業利益率 | 6.7% | 7.8% | +1.2pt | 収益性が改善 |
売上高は前年同期比19.9%増、営業利益は同40.9%増となりました。売上総利益は154.2億円から183.4億円へ増える一方、販管費の増加は86.8億円から88.4億円にとどまっています。売上増に伴う粗利益の拡大が、販管費増を上回ったことが営業利益の増加につながりました。
銅価格の上昇を含めて売上を読む。数量面では半導体製造装置・工作機械向けが回復
会社資料では、平均銅価格が前年同期の1トン当たり144.9万円から209.6万円へ上昇しています。電線・ケーブルは銅価格の影響を受けるため、売上高の増加を数量成長だけで解釈することはできません。
そのうえで、半導体製造装置・工作機械向け需要は回復しました。一方、建設・電販部門では人手不足や建設コスト上昇、案件の後ろ倒しなどが数量面の重荷です。需要分野ごとの濃淡を踏まえ、粗利益率が維持できるかを見ていく必要があります。
通期予想・株主還元
通期予想を修正。第3四半期の営業利益進捗は約76%
| 項目 | 修正後通期予想 | 前期比 | 第3四半期進捗 |
| 売上高 | 1,600億円 | +18.0% | 76.0% |
| 営業利益 | 125.5億円 | +40.2% | 75.7% |
| 経常利益 | 130.0億円 | +40.2% | 76.0% |
| 純利益 | 91.5億円 | +36.2% | 76.3% |
第3四半期累計の営業利益95.0億円は、修正後の通期計画125.5億円に対して当方計算で約76%です。売上高の進捗率も約76%で、期末までの計画達成には第4四半期の需要、銅価格、粗利益率を確認する必要があります。
配当予想は年間170円へ修正
2026年10月期の配当予想は、中間80円、期末90円の年間170円です。前期実績150円と比べると増額ですが、配当方針や業績の変動によって将来の金額が固定されるわけではありません。
運転資本の増加と自己資本比率の変化を確認
現金及び預金、売上債権、電子記録債権、棚卸資産、仕入債務はいずれも前期末から増えました。自己資本比率は52.7%から48.1%へ低下しています。これは直ちに財務悪化を意味するものではありませんが、銅価格上昇と売上拡大の局面では、利益だけでなく資金の回収・在庫・仕入債務のバランスを確認する必要があります。
会社は自己株式の取得も実施しています。株主還元を読む際には、配当だけでなく、利益成長と運転資本の変化をあわせて見たいところです。
今後の注目ポイント
今回の決算では、半導体製造装置・工作機械向けの回復と粗利益の拡大が営業増益を牽引しました。次回は、銅価格要因を除いた数量・製品構成の動きと、建設・電販部門の需要がどう変わるかを確認したいところです。
また、売上増に伴って運転資本も増えています。収益性の維持に加え、債権・在庫・仕入債務のバランスと自己資本比率の変化を追うことが重要になります。
まとめ
泉州電業の2026年10月期第3四半期累計は、半導体製造装置・工作機械向け需要の回復を背景に、営業利益が40.9%増加しました。粗利益の増加が販管費増を上回り、営業利益率も改善しています。
通期予想と年間配当予想は修正されました。今後は、銅価格を踏まえた数量・利益率の動き、建設・電販部門の回復、運転資本の変化を確認していきましょう。
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