【菊池製作所(3444)】精密電子機器向け受注回復で赤字縮小|売上高14.7%増・営業損失1.52億円
菊池製作所の2027年4月期第1四半期は、時計や事務機器向けを中心に受注が回復し、売上高が前年同期を上回りました。営業損益は引き続き赤字ですが、損失額はほぼ半分まで縮小しています。
一方、ロボット・装置関連は開発や製品化の進みが鈍く、計画を下回りました。回復している既存のものづくり領域と、収益化に時間がかかる新規領域を分けて読む必要がある決算です。
時計・事務機器向け受注が戻り赤字が縮小した2027年4月期第1四半期
売上総利益が倍増し、営業損失は1億5,200万円へ
売上高は13億6,712万円と前年同期比14.7%増えました。営業損失は1億5,200万円で、前年同期の3億1,500万円から1億6,300万円改善しています。
| 項目 | 2027年4月期第1四半期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,367百万円 | 1,191百万円 |
| 営業損失 | 152百万円 | 315百万円 |
| 経常損失 | 145百万円 | 229百万円 |
| 親会社株主に帰属する四半期純損失 | 49百万円 | 183百万円 |
利益改善を支えたのは売上総利益です。前年同期の1億1,372万円から2億3,554万円へ107.1%増え、粗利益率も9.5%から17.2%へ上昇しました。受注と生産の回復が、売上だけでなく採算面にも表れています。
回復した既存分野と遅れたロボット分野
会社によると、時計、事務機器などの精密電子機器メーカーからの受注が増えました。ホビー関連の新規分野も拡大し、試作・金型・量産品の受注は一部メーカーを中心に前年を上回っています。
対照的に、ロボット・装置関連は支援先企業の開発・製品化が想定ほど進まず、売上高が計画未達でした。ドローンを含む新規領域は将来の材料ではあるものの、今回の赤字縮小を支えた主因は既存の精密加工分野の回復です。
通期は営業黒字を見込むが、中間期までは赤字予想
年間配当10円は据え置き
会社は通期予想を据え置き、売上高61億7,700万円、営業利益1億7,700万円を見込んでいます。ただし、中間期までは営業損失5億3,600万円の予想です。第1四半期の営業損失は中間期予想の28.4%に相当しますが、四半期ごとの生産や案件の偏りを考えると、この数字だけで上振れを断定することはできません。
年間配当予想は10円で変更ありません。赤字が続く足元と、通期黒字・配当維持の計画を両立できるかが今期の見どころになります。
通期黒字化には関係会社の費用負担が焦点
精密電子機器向けの受注が回復しても、関係会社の研究開発費が続けば全社損益の重荷になります。会社は固定費と製造費用の削減を進めていますが、黒字化には売上総利益の改善を継続し、費用増を抑える必要があります。
また、会社は継続企業の前提に関する重要事象等が存在すると記載しています。自己資本比率は65.7%ですが、営業赤字からの脱却そのものが重要です。次回は受注回復の広がりと、ロボット・ドローン関連の損益改善を確認したいところです。
まず事業内容を確認したい方は、菊池製作所の事業分析もあわせてご覧ください。
まとめ
菊池製作所の第1四半期は、時計・事務機器向けを中心とする受注回復により売上高が14.7%増え、営業損失は1億5,200万円へ縮小しました。粗利益率も大きく改善しています。
ただし、まだ営業赤字です。通期黒字化の確度を見極めるには、精密加工の回復が続くか、関係会社の研究開発負担とロボット関連の計画遅れをどこまで抑えられるかを追う必要があります。
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