【ギークス(7060)】海外IT人材事業が黒字化!売上高9.3%増・営業利益11.2%増も経常利益9.2%減
ギークス(7060)は2026年8月7日に、2027年3月期第1四半期決算を発表しました。
今回の決算は、売上高が前年同期比9.3%増、営業利益が11.2%増となり、増収増益を確保しました。一方で、経常利益は9.2%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は24.6%減となっており、営業利益の増加がそのまま最終利益の増加につながった決算ではありません。
特に注目したいのは、IT人材事業(海外)が前年同期の赤字から黒字に転換したことです。売上高も23.0%増加しており、コスト削減や高マージン案件への営業リソース集中によって利益率が改善しました。一方、Seed Tech事業は減収となり、赤字幅も拡大しています。
また、営業外費用では為替差損やアドバイザリー費用が発生したことで、経常利益を押し下げています。会社は2027年3月期の通期業績予想と年間配当32円の予想を据え置いており、今後は海外IT人材事業の黒字化が継続するか、Seed Tech事業の赤字が縮小するかが注目されます。
この記事では、ギークスの2027年3月期第1四半期決算について、業績の概要、営業利益が増加した理由、経常利益・純利益が減少した背景、セグメント別の業績、通期業績予想と今後の注目点を決算短信に沿って解説します。

営業利益11.2%増!2027年3月期第1四半期決算を解説
ギークスの2027年3月期第1四半期決算は、売上高と営業利益が前年同期を上回る増収増益となりました。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する四半期純利益は減少しており、利益の段階によって明暗が分かれる決算です。
業績概要
| 項目 | 2027年3月期第1四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 69億68百万円 | +9.3% |
| EBITDA | 2億37百万円 | +20.1% |
| 営業利益 | 2億4百万円 | +11.2% |
| 経常利益 | 1億64百万円 | ▲9.2% |
| 四半期純利益 | 86百万円 | ▲24.6% |
売上高は69億68百万円となり、前年同期比9.3%増加しました。営業利益も2億4百万円と同11.2%増加しており、本業の収益力を示す営業利益では増益を確保しています。また、EBITDAは2億37百万円と前年同期比20.1%増加しており、営業利益以上の伸びとなりました。
一方、経常利益は1億64百万円と前年同期比9.2%減少し、親会社株主に帰属する四半期純利益も86百万円と同24.6%減少しています。
つまり今回の決算は、「増収・営業増益」ではあるものの、「経常減益・最終減益」という点が大きな特徴です。
営業利益は増加した一方、経常利益・純利益は減少
今回の決算を評価するうえでは、営業利益と経常利益を分けて見る必要があります。
営業利益は前年同期の1億83百万円から2億4百万円へ増加しました。売上高の増加に伴って売上総利益も9億46百万円から10億39百万円へ増加しており、売上規模の拡大が営業利益の増加につながっています。
ところが、営業利益より下の営業外損益では費用が大きく増加しました。営業外費用は前年同期の1,091万円から4,073万円へ増加しており、特に為替差損910万円とアドバイザリー費用1,924万円が発生しています。
その結果、営業利益は増加したにもかかわらず経常利益は減少しました。
さらに、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比24.6%減の86百万円となっています。したがって、今回の決算では「営業利益が増えた」という点だけを見るのではなく、営業外費用の増加によって経常利益以下が押し下げられたことまで確認する必要があります。
決算短信のポイント
今回の決算短信で特に押さえておきたいのは、営業利益は増益を確保したものの、経常利益・純利益は減益となったことです。
加えて、セグメントでは海外IT人材事業が前年同期の赤字から黒字へ転換しています。売上高も前年同期比23.0%増加しており、今回の営業利益増加を支える材料となりました。一方、Seed Tech事業は赤字幅が拡大しており、事業ごとの収益状況には差が出ています。
なお、2027年3月期の通期業績予想については変更されていません。売上高283億円、営業利益10億円、経常利益9億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6億30百万円を見込んでいます。
そのため、第1四半期決算だけで見ると本業は堅調に推移しているものの、営業外費用によって最終利益が減少した決算と整理できます。次に、営業利益11.2%増を支えたセグメント別の動きを詳しく見ていきます。
海外IT人材事業が黒字化!営業利益11.2%増となった理由を分析
ギークスの2027年3月期第1四半期は、売上高9.3%増、営業利益11.2%増となりました。今回の営業増益を支えたのは、国内IT人材事業が増収増益となったことに加え、IT人材事業(海外)が前年同期の赤字から黒字へ転換したことです。
一方で、Seed Tech事業は減収となり、セグメント損失も拡大しています。また、営業利益より下の段階では営業外費用が増加したため、経常利益は減益となりました。
そのため今回の決算は、単純に「増収増益」と見るのではなく、どの事業が利益を伸ばしたのか、そして営業利益の増加がなぜ経常利益の増加につながらなかったのかを分けて確認する必要があります。
国内IT人材事業は増収増益
国内IT人材事業の売上高は41億45百万円となり、前年同期比2.7%増加しました。セグメント利益も3億60百万円と同2.7%増加しており、売上高と利益がそろって増加しています。
決算短信では、企業のAI・AX推進需要の高まりを背景に、高単価案件の獲得に注力したことが業績に寄与したとしています。
もっとも、売上高・セグメント利益ともに伸び率は2.7%です。したがって、国内IT人材事業が今回の営業増益を単独で大きく押し上げたというより、安定して利益を確保しながら、海外IT人材事業の改善が加わったと見るのが適切でしょう。
今回の決算では、国内事業の堅調さそのものよりも、次に見る海外事業の収益改善がより重要なポイントになっています。
海外IT人材事業が赤字から黒字へ転換
今回の決算で最も注目したいのが、IT人材事業(海外)の黒字化です。
売上高は26億61百万円となり、前年同期比23.0%増加しました。さらに、セグメント利益は2,775万円となり、前年同期の415万円の損失から黒字に転換しています。
決算短信によると、安定的な収益基盤の構築に向けて人材派遣事業を強化したほか、従来からのコスト削減施策に加えて、中堅・中小企業向けの高マージン案件に営業リソースを集中させたことで利益率が改善しました。
売上高が2割を超えて増加しただけでなく、赤字だった事業が黒字に転換したことは、今回の決算を評価するうえで重要です。
特に、国内IT人材事業が増収増益を維持するなかで、海外IT人材事業の収益性が改善したことで、グループ全体の営業利益を押し上げる要因となりました。「売上高が増えた」だけではなく、「赤字だった事業の利益構造が改善した」ことが今回のポイントです。
Seed Tech事業は減収・赤字拡大
一方、Seed Tech事業は今回の決算で厳しい結果となりました。
売上高は1億85百万円となり、前年同期比1.9%減少しました。セグメント損失は2,557万円となり、前年同期の1,087万円から赤字幅が拡大しています。
決算短信では、2026年4月の株式会社アライヴとの吸収合併後、新体制で事業をスタートしたと説明しています。また、「DX職 -デジショク-」では計画に沿った体制構築と人材確保を進め、中小企業向けの顧客開拓を強化したとしています。
ただし、第1四半期の業績だけを見ると、Seed Tech事業はグループの利益を押し下げる要因となっています。
国内IT人材事業が増収増益、海外IT人材事業が黒字化する一方で、Seed Tech事業は減収・赤字拡大となっているため、今回の決算では事業ごとの収益性に差が出ています。
営業利益は増加も営業外費用が増加
セグメント別の業績を見ると、営業利益が増加した理由はある程度明確です。
売上高は前年同期の63億74百万円から69億69百万円へ増加し、売上総利益も9億46百万円から10億39百万円へ増加しました。その結果、営業利益は1億84百万円から2億4百万円へ11.2%増加しています。
ところが、営業利益より下の営業外損益では費用が大きく増加しました。
営業外費用は前年同期の1,091万円から4,073万円へ増加しています。主な要因は、為替差損910万円とアドバイザリー費用1,924万円です。前年同期にはなかったアドバイザリー費用も発生しています。
この影響によって、営業利益は増加したものの経常利益は前年同期比9.2%減の1億64百万円となりました。さらに、親会社株主に帰属する四半期純利益も前年同期比24.6%減の86百万円にとどまっています。
したがって今回の決算は、国内IT人材事業の増収増益に加えて、海外IT人材事業が赤字から黒字へ転換したことで営業利益が増加した一方、為替差損やアドバイザリー費用などの営業外費用が増加したことで、経常利益と純利益は減少したと整理できます。
本業の収益力を示す営業利益は改善しているため、事業面では一定の進展が見られます。ただし、営業利益の増加が最終利益まで波及していないことから、今回の決算は「本業は改善したものの、営業外費用が利益を押し下げた決算」と評価するのが適切でしょう。
通期業績予想は据え置き!今後の注目ポイントを分析
ギークスの2027年3月期第1四半期決算は、売上高と営業利益が増加した一方、経常利益と純利益は減少する結果となりました。特に海外IT人材事業が黒字化したことは好材料ですが、Seed Tech事業の赤字拡大や営業外費用の増加も確認されています。
こうした状況を踏まえて会社が示している2027年3月期の通期業績予想は、従来予想から変更されていません。第1四半期の業績が通期計画に対してどの程度進んでいるのか、また今後も今回の改善が続くのかが重要になります。
通期業績予想は変更なし
2027年3月期の通期業績予想は、売上高283億円、EBITDA10億90百万円、営業利益10億円、経常利益9億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6億30百万円となっています。会社は第1四半期決算の発表時点で、5月15日に公表した通期業績予想を据え置きました。
| 項目 | 2027年3月期通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 283億円 | +7.3% |
| EBITDA | 10億90百万円 | +11.8% |
| 営業利益 | 10億円 | +14.2% |
| 経常利益 | 9億70百万円 | +15.1% |
| 純利益 | 6億30百万円 | ▲2.0% |
| 1株当たり利益 | 62.01円 | ― |
第1四半期の営業利益は2億4百万円ですから、通期営業利益10億円に対する進捗率は約20.4%となります。
第1四半期として営業利益を増加させたことを考えれば、通期計画に向けて一定の進捗は確認できます。ただし、四半期ごとの利益が均等に発生するとは限らないため、進捗率だけで通期予想の達成可能性を判断するのは早いでしょう。
海外IT人材事業の黒字化が続くか
今後の業績を見るうえで、最も注目したいのが海外IT人材事業の黒字化が定着するかどうかです。
第1四半期は売上高が前年同期比23.0%増加し、セグメント利益は前年同期の赤字から2,775万円の黒字へ転換しました。決算短信では、コスト削減に加えて中堅・中小企業向けの高マージン案件に営業リソースを集中させたことで、利益率が改善したとしています。
この改善が第2四半期以降も続けば、海外IT人材事業は通期業績を支える利益源になる可能性があります。
一方で、第1四半期だけで黒字化が完全に定着したと判断することはできません。今後は、売上高の増加だけでなく、セグメント利益を継続して確保できるかを確認することが重要です。
Seed Tech事業の赤字を縮小できるか
海外IT人材事業とは対照的に、Seed Tech事業は今後の確認が必要です。
第1四半期の売上高は1億85百万円と前年同期比1.9%減少し、セグメント損失は2,557万円となりました。前年同期の1,087万円の赤字から、赤字幅が拡大しています。
決算短信では、4月の子会社合併後の新体制でスタートし、体制構築や人材確保、中小企業向けの顧客開拓を進めたとしています。
ただし、今回の第1四半期では利益への貢献はまだ限定的です。そのため今後は、売上高が再び増加するか、赤字幅を縮小できるかが重要なポイントになります。
営業外費用が経常利益を押し下げる状況が続くか
もう一つ確認したいのが、営業利益と経常利益の差です。
第1四半期は営業利益が前年同期比11.2%増加した一方、経常利益は9.2%減少しました。その背景には、前年同期より大きく増加した営業外費用があります。為替差損やアドバイザリー費用などによって営業外費用が4,073万円まで膨らんだことが、経常利益を押し下げました。
今回発生した費用が今後も同じ規模で続くかどうかは、決算短信だけでは判断できません。そのため、次回以降は営業利益だけでなく経常利益も改善するかを確認する必要があります。
本業の収益力が改善していても、営業外費用が継続的に増加すれば最終的な利益成長は抑えられます。したがって、今後は営業利益と経常利益の両方を見ることが重要です。
年間配当32円の予想を維持
配当については、2027年3月期の年間配当を32円とする従来予想を維持しています。内訳は中間配当15円、期末配当17円です。
今回の第1四半期決算では純利益が前年同期比24.6%減少しましたが、会社は配当予想を変更していません。
したがって、今後の決算では業績の回復だけでなく、通期純利益6億30百万円という計画と年間配当32円を維持できるかも確認しておきたいところです。
まとめ
ギークス(7060)の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比9.3%増、営業利益が11.2%増となり、増収増益を確保しました。特に、国内IT人材事業が増収増益となったことに加え、海外IT人材事業が前年同期の赤字から黒字へ転換したことが、営業利益の改善につながっています。
一方で、経常利益は9.2%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は24.6%減となりました。為替差損やアドバイザリー費用などの営業外費用が増加したことで、営業利益の増加が経常利益・純利益まで波及しなかった点には注意が必要です。
セグメント別では、海外IT人材事業の改善が目立ちます。売上高は前年同期比23.0%増となり、セグメント利益も前年同期の赤字から2,775万円の黒字へ転換しました。一方、Seed Tech事業は売上高が1.9%減少し、セグメント損失も前年同期より拡大しています。
会社は2027年3月期の通期業績予想を変更しておらず、売上高283億円、営業利益10億円、経常利益9億70百万円、純利益6億30百万円を計画しています。また、年間配当32円の予想も維持しました。
今回の決算を総合すると、本業の収益力には改善が見られる一方、最終利益にはまだ課題が残る決算と評価できます。特に今後は、海外IT人材事業の黒字化が継続するか、Seed Tech事業の赤字が縮小するか、そして営業外費用の影響が落ち着いて経常利益も改善するかが重要です。
第1四半期では営業利益が通期計画の約20.4%まで進捗しています。今後、この利益改善が一時的なものではなく、通期営業利益10億円の達成につながる持続的な収益改善となるかが、次回以降の決算で確認したいポイントです。
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