【システムソフト(7527)】不動産SaaSとシステム開発を組み合わせるDX事業
賃貸物件を探す人が内見を申し込むまで、仲介会社は管理会社へ空室を確認し、鍵の手配を行い、申込書を受け渡します。電話やFAXが途中に残れば、同じ情報を何度も確認しなければなりません。システムソフト(7527)のSSクラウドシリーズは、この一連の業務を機能ごとにデジタル化しています。
同社には、顧客ごとのシステムを開発・運用する仕事もあります。個別開発で培った技術を、不動産会社が共通して使えるSaaSへ展開している点が事業の特徴です。空室確認から内見、申込、契約、入居後の確認まで、賃貸取引の情報を次の担当者へ渡す流れから見ていきます。
空室確認の電話から始まる賃貸業務の負担
システム開発事業では、顧客ごとの要件に応じて設計、開発、保守を提供します。案件ごとに業務へ深く対応できる一方、売上は人員や案件進行の影響を受けます。
SSクラウドは、不動産業務で共通する募集、申込、契約などをクラウド上で支援する考え方です。同じ機能を複数顧客へ提供し、利用を継続してもらう点で、個別開発とは異なる事業構造を持ちます。
SSクラウドと受託開発で異なる提供方法
| 領域 | 主なサービス | 主な顧客 | 解決する課題 |
|---|---|---|---|
| 不動産SaaS | SSクラウド各サービス | 不動産会社、管理会社 | 紙・電話中心の手続き、情報分断 |
| システム開発 | 業務システムの設計・開発 | 企業、団体 | 個別業務へのIT対応 |
| 運用・保守 | システム運用、改善支援 | 既存顧客 | 安定稼働、継続的な改修 |
| 新規ソリューション | AIなどを用いた開示済みサービス | 対象業界の事業者 | 特定業務の効率化 |
二つの柱をつなぐのは、開発現場で得た業務知識を共通機能へ落とし込む流れです。ただし、受託案件の知識が自動的にSaaSへ転用できるわけではなく、標準化できる業務を選び、継続利用される製品へ仕上げる必要があります。
内見・申込・契約へ情報を渡すSSクラウド
不動産の募集、内見、申込、契約では、仲介会社、管理会社、入居者など複数の関係者が情報をやり取りします。SSクラウドは、こうした手続きを電子化し、同じ情報を繰り返し入力する負担や確認の行き違いを減らすことを目指します。
利用範囲が複数工程へ広がれば、顧客業務の中でサービスの位置付けが深くなります。ただし、その効果は導入社数だけでは判断できません。会社が開示する契約、利用、継続に関する情報から実際の定着を確認する必要があります。
個別開発の知識を共通機能へ移す過程
SaaSは開発費や営業費が先行し、契約が積み上がるまで時間を要します。一方、同じサービスを継続利用する顧客が増えれば、個別案件とは異なる収益の積み上がり方になります。
システムソフトでは、既存の開発・運用事業から得る収益と、新サービスへの投資をどう両立するかが重要です。新規事業については、会社が開示した対象顧客、提供機能、契約実績の範囲で評価し、未開示の市場効果を加えないことが必要です。
機能数ではなく賃貸取引の流れで見るサービス設計
SSクラウドシリーズは、空室一覧、物件確認、内見予約、入居申込、契約書類、室内チェックなどを個別の機能として提供しています。大切なのはサービス名の多さではなく、前の工程で得た物件・顧客情報を次の担当者が使えることです。
一方、既存システムとの接続や顧客固有の業務には、個別の開発・運用が必要になる場合があります。今回確認した資料では、不動産SaaSとシステムエンジニアサービスの両方を展開していることは分かりますが、全顧客で両者を一体提供するとは示されていません。
まとめ
システムソフトは、不動産会社の空室確認、内見、申込、契約などをSSクラウドシリーズで支えながら、顧客ごとのシステム開発・運用も行っています。
賃貸取引は多くの会社と担当者をまたぐため、途中に電話や紙が残ると情報が途切れます。個別案件で培った開発力を、賃貸業務の共通機能へ置き換え、取引の次工程へ情報を渡すことが同社の事業をつなぐポイントです。
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