【レーザーテック(6920)】サービス売上35%増で最終利益8%増!半導体関連装置は減収、通期予想は据え置き
レーザーテック(6920)は2026年4月30日、2026年6月期第3四半期決算を発表しました。
今回の決算は、売上高が前年同期比0.4%増とほぼ横ばい、営業利益は1.4%減となりました。一方で、経常利益は6.7%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は7.8%増となっています。
決算短信によると、AIへの投資拡大を背景にGPUやHBMなど先端半導体への旺盛な需要が続き、デバイスメーカーの設備投資に対する積極的な姿勢も継続しました。その一方で、半導体関連装置の売上高は6.7%減少しています。これをサービス売上高の35.5%増が補い、全体の売上高は増収を確保しました。
また、営業利益が減益となった一方、為替差益などによって経常利益が増加した点も今回の決算を読み解くうえで重要です。
この記事では、レーザーテックの2026年6月期第3四半期決算について、業績のポイント、半導体関連装置とサービスの売上動向、営業利益が減益となった理由、経常利益・純利益が増益となった背景、通期業績予想と配当予想について詳しく解説します。
営業利益1.4%減も最終利益7.8%増!2026年6月期第3四半期決算を解説
レーザーテックの2026年6月期第3四半期決算は、売上高がほぼ横ばいとなる一方、営業利益は減益、経常利益と純利益は増益という結果になりました。
一見すると本業の利益が減少しているため、弱い決算にも見えます。しかし、決算短信を詳しく確認すると、売上総利益は増加しており、営業利益の減少は販管費の増加が大きく影響しています。また、半導体関連装置の減収をサービスの大幅な増収が補っている点も重要です。
業績概要
| 項目 | 2026年6月期第3四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,695億39百万円 | +0.4% |
| 営業利益 | 781億91百万円 | ▲1.4% |
| 経常利益 | 804億49百万円 | +6.7% |
| 四半期純利益 | 568億23百万円 | +7.8% |
売上高は前年同期の1,688億35百万円から1,695億39百万円へ増加し、0.4%の増収となりました。一方、営業利益は792億91百万円から781億91百万円へ減少し、1.4%の減益です。
しかし、経常利益は753億94百万円から804億49百万円へ増加し、6.7%の増益となりました。さらに、親会社株主に帰属する四半期純利益も526億94百万円から568億23百万円へ増加し、7.8%の増益を確保しています。
今回の決算でまず押さえておきたいのは、売上高はほぼ横ばいでも、利益の動きは一様ではないという点です。営業利益だけを見るのではなく、売上総利益や営業外損益まで確認する必要があります。
半導体関連装置は6.7%減収、一方でサービスは35.5%増収
今回の決算で特に注目したいのが、売上高の内訳です。
| 項目 | 2026年6月期3Q | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 半導体関連装置 | 1,246億64百万円 | ▲6.7% |
| その他 | 28億11百万円 | ▲33.3% |
| サービス | 420億63百万円 | +35.5% |
| 合計 | 1,695億39百万円 | +0.4% |
決算短信によると、半導体関連装置の売上高は1,246億64百万円となり、前年同期比6.7%減少しました。一方、サービス売上高は420億63百万円となり、前年同期比35.5%増と大きく伸びています。
その結果、半導体関連装置の減収をサービスの増収が補う形となり、全体の売上高は0.4%の増収を確保しました。
また、決算短信では、AIへの投資拡大を背景にGPUやHBMなど先端半導体への旺盛な需要が継続し、デバイスメーカーの設備投資に対する積極的な姿勢が続いたと説明しています。
つまり、先端半導体向けの設備投資環境そのものは積極的だったものの、今回の売上高では半導体関連装置の減収をサービスの大幅な伸びが補ったという構図です。
営業利益が1.4%減となった理由
営業利益が減少した理由を確認すると、売上総利益と販管費の動きがポイントになります。
売上高は前年同期比0.4%増でしたが、売上原価は720億35百万円から701億24百万円へ減少しました。その結果、売上総利益は968億円から994億15百万円へ増加しています。
一方、販売費及び一般管理費は175億8百万円から212億23百万円へ増加しました。売上総利益の増加を販管費の増加が上回ったことで、営業利益は前年同期比1.4%減となっています。
したがって、今回の営業減益は、売上高の減少によって利益が大きく落ち込んだという単純な構造ではありません。
売上総利益は増加したものの、販管費の増加によって営業利益が押し下げられたという点が、決算表を見るうえで重要なポイントです。
経常利益は6.7%増、為替差益などが寄与
営業利益が減少した一方で、経常利益は6.7%増加しました。
その大きな要因の一つが営業外損益です。前年同期は為替差損40億95百万円を計上していましたが、今期は為替差益17億58百万円を計上しています。さらに、投資有価証券売却益2億21百万円も発生しました。
その結果、営業外収益は前年同期の2億45百万円から22億79百万円へ増加する一方、営業外費用は41億41百万円から21百万円まで大幅に減少しました。
これが営業利益の減益を補い、経常利益は804億49百万円、前年同期比6.7%増となっています。
最終利益についても、経常利益の増加などを背景に568億23百万円となり、前年同期比7.8%増となりました。
今回の決算では、営業利益と最終利益だけを見ると動きが分かりにくいため、営業外損益まで確認することが重要です。
通期業績予想・配当予想は据え置き
レーザーテックは今回の第3四半期決算で、2026年6月期の通期業績予想を変更していません。
| 項目 | 2026年6月期通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,200億円 | ▲12.5% |
| 営業利益 | 1,000億円 | ▲18.6% |
| 経常利益 | 1,000億円 | ▲16.3% |
| 純利益 | 720億円 | ▲14.9% |
| 1株当たり純利益 | 801.89円 | ― |
通期では減収減益を見込んでおり、売上高2,200億円、営業利益1,000億円、経常利益1,000億円、純利益720億円という従来予想を維持しています。
配当についても予想変更はなく、年間配当は1株329円を予定しています。2026年6月期の中間配当は132円、期末配当予想は197円です。
したがって、今回の決算は第3四半期までの実績を発表したものの、会社側は通期の業績・配当見通しを修正しなかったことも重要なポイントです。
株価への影響は?レーザーテックの3Q決算で注目すべきポイントを分析
レーザーテックの2026年6月期第3四半期決算では、売上高が前年同期比0.4%増にとどまった一方、サービス売上高が35.5%増加しました。半導体関連装置の売上高は6.7%減少しており、今回の決算は「半導体関連装置の減収をサービスの大幅な増収が補った」という構造になっています。
また、営業利益は1.4%減となりましたが、経常利益は6.7%増、純利益は7.8%増となりました。本業の営業利益と最終利益の動きが異なっていることも、今回の決算を評価するうえで重要なポイントです。
ここでは、今回の決算で投資家が確認しておきたいポイントを詳しく見ていきます。
AI・先端半導体への需要は引き続き堅調
今回の決算短信では、AIへの投資拡大を背景に、GPUやHBMなどの先端半導体への旺盛な需要が継続していると説明されています。
さらに、デバイスメーカーによる設備投資についても積極的な姿勢が続いているとしています。
この点だけを見ると、レーザーテックを取り巻く半導体市場の環境が大きく悪化しているわけではありません。
一方で、実際の3Q累計では半導体関連装置の売上高が前年同期比6.7%減少しています。そのため、半導体需要が堅調であることと、レーザーテックの装置売上が増加することは必ずしも同じではない点には注意が必要です。
今回の決算では、AI・先端半導体需要という市場環境そのものよりも、そこから実際の装置売上やサービス売上へどの程度つながっているのかを見ることが重要になっています。
半導体関連装置の減収をサービス売上35.5%増が補った
今回の決算で最も注目したいのが、半導体関連装置とサービスの売上動向の違いです。
半導体関連装置の売上高は1,246億64百万円で、前年同期比6.7%減少しました。一方、サービス売上高は420億63百万円となり、前年同期比35.5%増加しています。
その結果、半導体関連装置の減収があったにもかかわらず、全体の売上高は1,695億39百万円となり、前年同期比0.4%の増収を確保しました。
これは今回の決算を評価するうえで非常に重要です。
仮に半導体関連装置の減収だけを見ると、業績が悪化しているように見えます。しかし実際には、サービス売上が大きく伸びたことで全社の売上高を支えています。
したがって、今後の決算では半導体関連装置の売上回復だけでなく、サービス売上の高い成長率を維持できるかにも注目する必要があります。
営業利益が減益となった一方、売上総利益は増加
営業利益が前年同期比1.4%減となったことも、今回の決算における重要なポイントです。
ただし、営業利益の減少だけを見て「本業の収益力が低下した」と判断するのは早計です。
決算短信を見ると、売上原価は前年同期の720億35百万円から701億24百万円へ減少しました。その結果、売上総利益は前年同期の968億円から994億15百万円へ増加しています。
一方、販売費及び一般管理費は175億8百万円から212億23百万円へ増加しました。
つまり、売上総利益は増加したものの、販管費の増加がそれを上回ったことで営業利益が減少したという構造です。
営業利益は781億91百万円となりましたが、売上総利益そのものは前年同期を上回っています。今回の決算では、営業利益の増減だけでなく、その内訳まで確認することが重要でしょう。
経常利益6.7%増の背景には為替差益
営業利益が減少したにもかかわらず、経常利益が6.7%増加した理由も確認しておきたいところです。
決算短信によると、前年同期は為替差損40億95百万円を計上していましたが、今期は為替差益17億58百万円を計上しています。さらに、投資有価証券売却益2億21百万円も発生しました。
その結果、営業外収益は前年同期の2億45百万円から22億79百万円へ増加し、営業外費用は41億41百万円から21百万円まで減少しています。
これにより経常利益は804億49百万円となり、前年同期比6.7%増となりました。
この点から、純利益7.8%増という数字をそのまま本業の利益成長と捉えないことが重要です。営業利益は減益であり、経常利益の増益には為替差益など営業外損益の改善も寄与しています。
通期業績予想は据え置き、4Qの進捗が焦点
今回の決算では、2026年6月期の通期業績予想に変更はありません。
通期では売上高2,200億円、営業利益1,000億円、経常利益1,000億円、純利益720億円を見込んでおり、いずれも前期比では減益予想です。
3Q累計で営業利益781億91百万円を確保しているため、通期営業利益1,000億円を達成するには、4Qで約218億円の営業利益を確保する必要があります。
売上高についても、3Q累計の1,695億39百万円に対して通期予想は2,200億円です。そのため、4Qでは約505億円の売上高が必要になります。
会社が今回の決算で通期予想を上方修正しなかったことを考えると、今後は単純な「上方修正期待」だけではなく、現在の通期計画を実際に達成できるかが重要な焦点になります。
特に確認したいのは、半導体関連装置の売上が回復するのか、それともサービス売上の伸びによって計画達成を支えるのかという点です。
今回の3Q決算は、半導体関連装置の減収という弱さがある一方、サービス売上の大幅な増加によって全体の売上を維持し、為替差益なども加わって最終利益は増益を確保した決算でした。
そのため、次の焦点は4Qにおける装置売上の回復とサービス売上の成長継続、そして通期業績予想の達成に移ります。
今後の注目ポイントは?レーザーテックの通期予想達成とサービス成長がカギ
レーザーテックの2026年6月期第3四半期決算では、売上高が前年同期比0.4%増、営業利益が1.4%減となった一方、経常利益は6.7%増、純利益は7.8%増となりました。半導体関連装置の売上が減少するなか、サービス売上が35.5%増加したことが今回の決算における大きなポイントです。
会社は今回の決算で通期業績予想を据え置きました。そのため、今後は第3四半期までの実績を踏まえ、残りの第4四半期で通期計画を達成できるかが重要になります。
ここでは、レーザーテックの今後の業績を見るうえで注目したいポイントを整理します。
通期業績予想を達成できるか
レーザーテックは2026年6月期について、売上高2,200億円、営業利益1,000億円、経常利益1,000億円、純利益720億円を見込んでいます。今回の第3四半期決算でも、この予想は変更されませんでした。
一方、第3四半期累計では売上高1,695億39百万円、営業利益781億91百万円となっています。
したがって、通期計画を達成するには第4四半期で約505億円の売上高、約218億円の営業利益を確保する必要があります。
特に営業利益については、第3四半期累計ですでに781億円を確保しているため、残り3カ月で約218億円を積み上げれば通期1,000億円の計画に届く状況です。
ただし、通期では前期比18.6%の営業減益を見込んでいます。今回の3Q決算だけを見て通期業績が上振れると判断するのではなく、会社が据え置いた計画を第4四半期で達成できるかを確認する必要があります。
半導体関連装置の売上が回復するか
今後の業績を見るうえでは、半導体関連装置の売上動向も重要です。
第3四半期累計の半導体関連装置の売上高は1,246億64百万円で、前年同期比6.7%減少しました。一方、決算短信ではAIへの投資拡大を背景にGPUやHBMなど先端半導体への旺盛な需要が続き、デバイスメーカーの設備投資に対する積極的な姿勢も継続したとしています。
つまり、市場環境が悪化していると単純には言えない一方、装置売上にはまだ減収が表れている状況です。
そのため、次回以降の決算では半導体関連装置の売上高が回復するかどうかを確認することが重要になります。AIや先端半導体への投資が続いているなかで、装置売上の回復が確認できれば、業績の先行きに対する見方も変わってくるでしょう。
サービス売上35.5%増が続くか
もう一つの重要なポイントが、サービス売上の成長です。
第3四半期累計のサービス売上高は420億63百万円となり、前年同期比35.5%増加しました。半導体関連装置が減収となるなかで、サービス売上が大きく伸びたことで、全社売上高は0.4%の増収を確保しています。
さらに、収益認識の内訳を見ると、一定期間にわたって移転されるサービスについて、売上高は前年同期の152億38百万円から230億85百万円へ増加しています。
今回の決算では、このサービス売上の伸びが業績を下支えしました。
したがって、今後はサービス売上が一時的な増加ではなく、継続的な成長につながるかが注目されます。装置売上が変動するなかでもサービス売上が伸び続ければ、全社業績を支える要素として重要性が高まります。
営業キャッシュフローと財務体質にも注目
利益だけでなく、キャッシュフローや財務面も確認しておきたいところです。
第3四半期累計の営業活動によるキャッシュ・フローは368億27百万円の収入となりました。前年同期の445億43百万円からは減少していますが、営業活動によるキャッシュを確保しています。
また、2026年3月末時点の自己資本比率は72.5%となっており、前期末の70.3%から上昇しています。
さらに、株主還元では第3四半期累計で配当金311億円を支出したほか、自己株式取得による支出も120億円発生しています。
配当予想は年間329円で変更されていないため、業績だけでなく安定した株主還元を維持できるかも今後の確認ポイントになります。
今後は「装置売上の回復」と「サービス成長」の両方を確認
今回の決算から見ると、レーザーテックの今後を判断するうえでは、単純に営業利益が増えたか減ったかだけを見るべきではありません。
第3四半期では半導体関連装置が減収となった一方、サービスが35.5%増収となり、売上高全体は増収を維持しました。また、営業利益は販管費の増加によって減益となりましたが、為替差益などによって経常利益と純利益は増益となっています。
今後の最大の焦点は、半導体関連装置の売上が回復するのか、そして35.5%増となったサービス売上の成長が続くのかという2点です。
加えて、会社が据え置いた通期業績予想を第4四半期で達成できるかも重要になります。次回決算では、装置売上、サービス売上、営業利益の3点を確認することで、レーザーテックの業績が今後どの方向へ向かっているのかをより明確に判断できるでしょう。
まとめ
レーザーテック(6920)の2026年6月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比0.4%増、営業利益が1.4%減となった一方、経常利益は6.7%増、純利益は7.8%増となりました。
今回の決算で特に注目したいのは、半導体関連装置の減収をサービス売上の大幅な増収が補ったことです。半導体関連装置の売上高は前年同期比6.7%減となりましたが、サービス売上高は35.5%増加し、全体の売上高を下支えしました。
利益面では、売上総利益が増加したものの、販売費及び一般管理費が増加したことで営業利益は減益となりました。一方、前年同期の為替差損が今期は為替差益に転じたことなどから営業外損益が改善し、経常利益と純利益は増益を確保しています。
一方、会社は今回の決算で2026年6月期の通期業績予想を据え置きました。売上高2,200億円、営業利益1,000億円、経常利益1,000億円、純利益720億円という従来予想を維持しています。年間配当予想についても1株329円で変更ありません。
そのため、今後の注目ポイントは、第4四半期で通期業績予想を達成できるかどうかです。特に、減収となった半導体関連装置の売上が回復するのか、そして35.5%増となったサービス売上の成長が続くのかが重要になります。
今回の決算は、営業利益だけを見ると減益となっているため、強い決算とは判断しにくい内容です。しかし、売上総利益は増加しており、サービス売上も大きく伸びています。さらに経常利益と純利益は増益を確保しているため、「営業減益=業績悪化」と単純に判断せず、売上構成と利益の内訳まで確認する必要がある決算だったといえるでしょう。
次回決算では、通期計画の達成状況に加えて、サービス売上の高成長が継続しているか、半導体関連装置の売上が回復しているかを確認することが、今後の業績を判断するうえで重要になりそうです。
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最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
