決算分析【東京計器(7721)】防衛関連が本格成長へ!過去最高益更新で来期は営業利益19%増予想
東京計器 が2026年3月期決算を発表しました。
今回の決算は、防衛・通信機器事業の成長が鮮明となったことで、営業利益・経常利益が過去最高を更新する好内容となっています。さらに、2027年3月期も大幅増益と増配を見込んでおり、防衛関連株としての存在感が一段と強まる決算でした。
特に注目したいのは、防衛予算拡大が“実際の利益成長”として数字に表れ始めている点です。テーマ性だけではなく、業績拡大を伴っていることから、市場評価も高まりやすい局面に入ってきたと言えそうです。
2026年3月期決算
まずは決算全体を確認します。
| 項目 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 611億円 | +6.1% |
| 営業利益 | 53.6億円 | +10.4% |
| 経常利益 | 54.9億円 | +9.8% |
| 純利益 | 40.0億円 | +5.5% |
| EPS | 243.75円 | 増加 |
| 年間配当 | 40円 | +5円 |
営業利益・経常利益は過去最高を更新しました。
今回の決算で特に評価されやすいのは、単なる売上増ではなく、利益率改善を伴った増益である点です。営業利益率は前期の8.4%から8.8%へ上昇しており、収益性が着実に改善しています。
防衛関連銘柄はテーマ先行で買われるケースも多いですが、東京計器は実際に利益成長へつながっている点が大きな違いです。
防衛・通信機器事業が業績を牽引
今回の決算で最もインパクトが大きかったのは、防衛・通信機器事業です。
| セグメント | 売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| 防衛・通信機器 | 260億円 | +6.6% |
さらに営業利益は43.3%増と大幅成長となりました。
会社側によると、航空機搭載機器や艦艇搭載機器の販売が伸びたほか、宇宙関連機器や移動体衛星通信用アンテナスタビライザーなども好調に推移しています。
つまり、防衛予算拡大がそのまま東京計器の利益成長へ直結しているという状態です。
市場では防衛関連株への資金流入が続いていますが、その中でも“利益が伸びている銘柄”は特に評価されやすい傾向があります。
来期予想はさらに強気
東京計器は2027年3月期も大幅増益を予想しています。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 683億円 | +11.6% |
| 営業利益 | 64億円 | +19.4% |
| 経常利益 | 65.1億円 | +18.5% |
| 純利益 | 50億円 | +24.8% |
| 年間配当 | 48円 | +8円 |
かなり強気なガイダンスと言えます。
特に純利益24.8%増予想は市場インパクトが大きく、防衛需要の継続を会社側が強く見込んでいることが分かります。
また、営業利益率は9.4%まで改善する計画となっており、中期経営計画で掲げる営業利益率10%にも近づいてきました。
来期も防衛事業が主役
来期予想の中でも特に強いのが、防衛・通信機器事業です。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 311億円 | +19.5% |
| 営業利益 | 35億円 | +49.3% |
利益が約5割増という非常に強い計画になっています。
背景には、防衛案件の継続拡大に加え、
- MEMS半球共振ジャイロスコープ
- 宇宙関連機器
- 大型防衛案件
などの成長が見込まれていることがあります。
東京計器は、防衛だけでなく宇宙・衛星通信・MEMSジャイロといった複数の成長テーマを持っている点も特徴です。
単なる“防衛関連株”ではなく、中長期では宇宙関連としても注目される可能性があります。
増配継続も好感材料
株主還元強化も今回のポイントです。
| 年度 | 配当 |
|---|---|
| 2025年3月期 | 35円 |
| 2026年3月期 | 40円 |
| 2027年3月期予想 | 48円 |
3期連続増配見込みとなりました。
会社側は「安定的な累進配当」を目指す方針を示しています。
防衛関連株は値動きが大きい銘柄も多いですが、東京計器は配当成長も期待できる点が強みです。
高配当投資家からの注目も徐々に高まりそうです。
気になるポイントは投資負担
一方で、注意点もあります。
今回の決算では、キャッシュフローが弱めでした。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 営業CF | ▲1.6億円 |
| 投資CF | ▲51.5億円 |
| 現金残高 | 39.5億円 |
大型設備投資が続いている影響で、現金残高は減少しています。
また、防衛案件拡大への対応によって仕掛品も大きく増加しました。
| 項目 | 前期 | 当期 |
|---|---|---|
| 仕掛品 | 120億円 | 155億円 |
ただし、これは受注拡大に伴う増産対応の側面が強く、現状では“成長投資”として捉えられる可能性が高そうです。
自己資本比率も53.7%を維持しており、財務面はまだ安定しています。
東京計器の今後の注目点
今後は、防衛需要をどこまで継続的に取り込めるかが最大の焦点になります。
特に重要なのは、防衛案件の利益率維持です。
防衛関連は大型案件が増える一方で、生産体制強化や原価管理も重要になります。そのため、来期計画通りに利益率改善が進むかが今後の株価評価を左右しそうです。
また、宇宙関連事業の拡大も中長期では重要になります。
会社側は宇宙関連機器や衛星通信分野を強化しており、防衛以外の成長ドライバーへ発展できるかにも注目です。
まとめ
東京計器の2026年3月期決算は、防衛・通信機器事業の成長が鮮明となった好決算でした。
営業利益・経常利益は過去最高を更新し、来期も大幅増益を予想しています。
特に、「防衛テーマが実際の利益成長につながっている」点は非常に重要です。
さらに、
- 防衛
- 宇宙
- 衛星通信
- MEMSジャイロ
- 高配当
といった複数テーマを持つことから、今後も市場の注目を集めやすい銘柄と言えそうです。
設備投資負担やキャッシュ減少には注意が必要ですが、現状は成長拡大フェーズに入っている印象が強く、防衛関連株の中でも中長期で注目度の高い銘柄の1つになりそうです。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
