【サンデン(6444)】原価低減と販売規模増加で収益性改善!売上高15.8%増で営業赤字ほぼ解消
サンデン(6444)は2026年8月7日に、2026年12月期第2四半期(中間期)の決算を発表しました。
売上高は前年同期比15.8%増の1,085億12百万円となり、営業損失は前年同期の14億93百万円から21百万円まで大幅に縮小しました。さらに、経常利益は17億38百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は13億49百万円となり、前年同期の赤字から黒字へ転換しています。
今回の決算で特に注目したいのは、販売規模の増加と原価低減などの施策によって収益性が改善したことです。決算短信によると、インド市場の自動車生産台数増加や円安も売上高を押し上げました。
一方で、経常利益には持分法による投資利益が寄与しており、親会社株主に帰属する中間純利益には固定資産流動化の推進も影響しています。そのため、今回の決算は単純な「本業黒字化」と捉えるのではなく、営業赤字をほぼ解消するまで収益性が改善したことを中心に見る必要があります。
この記事では、サンデンの2026年12月期第2四半期決算について、業績の概要や営業赤字がほぼ解消した理由、経常利益・純利益が黒字化した背景、通期業績予想、今後の注目ポイントを決算短信に沿って解説します。

売上高15.8%増で営業赤字ほぼ解消!2026年12月期第2四半期決算を解説
サンデンの2026年12月期第2四半期(中間期)決算は、売上高が前年同期比15.8%増加し、営業赤字が大幅に縮小したことが最大のポイントです。
売上高は1,085億12百万円となり、前年同期の936億94百万円から149億18百万円増加しました。一方、営業損失は前年同期の14億93百万円から21百万円まで縮小しています。売上高の増加に加えて収益性も改善しており、赤字脱却に向けて大きく前進した決算といえるでしょう。
業績概要
| 項目 | 2026年12月期中間期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,085億12百万円 | +15.8% |
| 営業利益 | △21百万円 | ― |
| 経常利益 | 17億38百万円 | ― |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 13億49百万円 | ― |
前年同期は営業損失14億93百万円、経常損失6億18百万円、親会社株主に帰属する中間純損失32億75百万円でした。これに対して今回は、営業赤字をほぼ解消したうえで、経常利益と中間純利益も黒字化しています。
特に注目したいのが、営業利益の改善幅です。前年同期の14億93百万円の営業赤字に対して、今期は21百万円の営業赤字まで縮小しました。つまり、営業利益ベースでは黒字化まであと一歩のところまで収益性が改善したことになります。
販売規模の増加と原価低減で収益性が改善
今回の営業赤字縮小について、決算短信では明確に理由が示されています。
サンデンによると、世界各地域の自動車生産台数は前年から減少したものの、インド市場で生産台数が増加したことや、為替が円安水準で推移したことによって売上高が増加しました。
さらに、営業損失については、販売規模の増加や原価低減などの諸施策によって収益性が改善したと説明しています。
実際に売上高は15.8%増加しているため、単純に売上規模が拡大しただけではなく、増収を利益につなげるためのコスト改善も進んだことが分かります。
今回の決算を評価するうえでは、「売上高が増えた」ことよりも、「増収と原価低減によって営業赤字をほぼ解消した」ことが重要です。
経常利益と中間純利益は黒字化
営業利益は21百万円の赤字でしたが、経常利益は17億38百万円の黒字となりました。
この点については注意が必要です。営業外収益では、持分法による投資利益が27億10百万円計上されています。前年同期の25億04百万円から増加しており、経常利益の黒字化に大きく寄与しています。
また、親会社株主に帰属する中間純利益は13億49百万円となりました。特別利益では固定資産売却益9億71百万円、構造改革引当金戻入額2億82百万円などを計上しており、決算短信でも固定資産流動化の推進が中間純利益に寄与したと説明されています。
したがって、今回の決算は営業面では赤字をほぼ解消し、営業外収益や資産流動化なども加わって最終的な黒字を確保した決算と整理するのが適切です。
「営業赤字ほぼ解消」という本業の改善と、「経常・純利益の黒字化」という最終的な利益改善を分けて見ることで、今回のサンデンの決算内容がより正確に見えてきます。
営業赤字ほぼ解消の理由は?販売規模増加と原価低減を分析
サンデンの営業損失が前年同期の14億93百万円から21百万円まで縮小した背景には、販売規模の増加と原価低減などによる収益性の改善があります。
今回の決算では、売上高が15.8%増加しただけでなく、売上原価や販売費及び一般管理費を含めたコスト構造にも改善が見られました。決算短信では、販売規模の増加と原価低減などの諸施策によって収益性が改善したと説明されています。
売上高15.8%増で増収効果が利益改善につながった
2026年12月期中間期の売上高は1,085億12百万円となり、前年同期の936億94百万円から149億18百万円増加しました。
決算短信によると、世界各地域の自動車生産台数は前年から減少したものの、インド市場での生産台数増加と円安水準での為替推移が売上高の増加に寄与しています。
損益計算書を見ると、売上高の増加に伴って売上原価も800億97百万円から920億26百万円へ増加しています。一方、売上総利益は135億97百万円から164億85百万円へ増加しており、売上高の増加額に対して売上総利益も29億88百万円増加しました。
つまり、今回の業績改善は単純な売上規模の拡大だけではありません。増収によって売上総利益を積み上げられたことが、営業赤字の縮小を支える要因となっています。
原価低減などの施策で収益性が改善
今回の決算で特に注目したいのが、原価低減による収益性の改善です。
決算短信では、販売規模の増加に加えて、原価低減などの諸施策によって収益性が改善したと明記されています。
営業損失は前年同期の14億93百万円から21百万円まで縮小しており、改善額は14億72百万円に達します。
売上高が15.8%増加したことに加えて、コスト面の改善が進んだことで、増収を営業利益の改善につなげることができたと考えられます。
ただし、営業利益はまだ21百万円の赤字です。したがって、今回の決算を「営業黒字化」と表現するのではなく、「営業赤字をほぼ解消した」と評価するのが適切です。
経常利益17億38百万円には持分法による投資利益が寄与
営業利益とは対照的に、経常利益は17億38百万円の黒字となりました。
ここで重要なのが、営業外収益の寄与です。
営業外収益では、持分法による投資利益を27億10百万円計上しています。前年同期の25億04百万円から2億06百万円増加しており、経常利益の黒字化を支える大きな要因となりました。
一方、支払利息は12億44百万円となっており、前年同期の10億37百万円から増加しています。それでも、為替差損が前年同期の10億64百万円からなくなったことなどにより、営業外費用は25億71百万円から18億83百万円へ減少しました。
その結果、前年同期の6億18百万円の経常損失から、17億38百万円の経常利益へ黒字転換しています。
したがって、今回の経常利益については、営業利益の改善だけでなく、持分法による投資利益や営業外費用の減少も含めて黒字化したと見る必要があります。
固定資産売却なども最終利益を押し上げた
親会社株主に帰属する中間純利益は13億49百万円となり、前年同期の32億75百万円の赤字から黒字へ転換しました。
この黒字化には、特別損益も影響しています。
特別利益は12億73百万円となり、そのうち固定資産売却益が9億71百万円、構造改革引当金戻入額が2億82百万円となっています。一方、特別損失は6億39百万円で、前年同期の23億40百万円から大きく減少しました。
そのため、最終利益については、営業面の改善だけでなく、特別損益の改善や固定資産流動化なども含めて黒字化したと考える必要があります。
営業キャッシュフローも大幅に改善
今回の決算では、損益だけでなくキャッシュフローにも改善が見られました。
営業活動によるキャッシュフローは、前年同期の39億22百万円の支出から61億33百万円の収入へ改善しています。前年同期から100億55百万円の大幅な改善です。
特に、売上債権の増減額が前年同期の67億64百万円の支出から、今期は59億44百万円の収入となったことが大きく影響しています。一方で、棚卸資産の増加による24億75百万円の支出なども発生しています。
つまり、今回のサンデンは営業赤字の縮小だけでなく、営業活動によるキャッシュ創出力も改善したことがポイントです。
もっとも、投資活動によるキャッシュフローは48億08百万円の支出、財務活動によるキャッシュフローも22億51百万円の支出となっています。
そのため、今回の決算は「利益が改善した」というだけでなく、営業面の収益性と営業キャッシュフローがともに改善した決算として評価できます。
一方で、営業利益そのものはまだ赤字であり、経常利益や最終利益には持分法投資利益や固定資産売却益なども含まれています。したがって、次に確認したいのは、一時的な要因に頼らず営業利益を継続的に黒字化できるかどうかです。
今後の注目ポイントは?営業黒字化と通期業績予想の達成が焦点
サンデンの2026年12月期第2四半期決算は、売上高15.8%増、営業赤字ほぼ解消、経常利益・中間純利益の黒字化と、前年同期から大きく改善しました。
一方で、通期業績予想は据え置かれており、営業利益は10億円の赤字を見込んでいます。そのため、今後は今回の収益性改善が下期も続くのか、そして営業黒字化まで到達できるのかが重要なポイントになります。会社側も米国の関税政策や中東情勢などの不確実性を理由に、現時点では業績予想を修正せず据え置いています。
営業利益を黒字化できるか
今回もっとも注目したいのは、営業利益の黒字化です。
2026年12月期中間期の営業損失は21百万円まで縮小しました。前年同期は14億93百万円の営業損失だったため、わずか1年で営業赤字がほぼ解消されたことになります。
決算短信では、販売規模の増加と原価低減などの諸施策によって収益性が改善したと説明されています。
したがって、次の焦点は「赤字幅が縮小した」段階から「営業利益が安定して黒字になる」段階へ移行できるかです。
第2四半期までで営業赤字がほぼ解消しているだけに、下期も販売規模の確保とコスト改善が続けば、営業黒字化への期待が高まります。
ただし、会社が通期営業利益を△10億円と予想していることから、現時点では下期の収益環境について慎重な見方を維持しています。今回の中間期だけを見て、通期で営業黒字になると判断するのは早いでしょう。
通期業績予想は据え置き
サンデンは2026年12月期の通期業績予想を変更していません。
| 項目 | 2026年12月期通期予想 |
|---|---|
| 売上高 | 2,000億円 |
| 営業利益 | △10億円 |
| 経常利益 | 27億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5億円 |
| 1株当たり当期純利益 | 4.46円 |
売上高は2,000億円、営業損失は10億円、経常利益は27億円、親会社株主に帰属する当期純利益は5億円を見込んでいます。今回の中間決算では、この業績予想に対する修正はありませんでした。
中間期の売上高は1,085億12百万円なので、通期予想に対する進捗率は約54.3%です。
一方、営業利益については中間期が21百万円の赤字であるのに対して、通期予想は10億円の赤字です。この差をどう見るかが重要になります。
つまり、売上高はおおむね計画通り進んでいる一方、営業利益については会社が下期の不確実性を織り込んで慎重に見ている可能性があります。
経常利益の黒字を継続できるか
経常利益は中間期で17億38百万円となり、通期予想27億円に対する進捗率は約64.4%です。
数字だけを見ると順調ですが、経常利益には持分法による投資利益27億10百万円が大きく寄与しています。
そのため、今後は単純に「経常利益が黒字だから安心」と判断するのではなく、営業利益の改善と持分法による投資利益を分けて確認することが重要です。
本業にあたる営業利益が継続的に黒字化すれば、利益の質という面でも今回の決算とは違った評価ができるようになります。
営業キャッシュフローの改善が続くか
もう一つの注目ポイントが、営業キャッシュフローです。
中間期の営業活動によるキャッシュフローは61億33百万円の収入となり、前年同期の39億22百万円の支出から100億55百万円改善しました。
これは今回の決算におけるポジティブな材料です。
損益計算書では営業利益がまだ赤字ですが、営業活動ではキャッシュを生み出せる状態まで改善しています。今後もこの状態を維持できれば、収益改善だけでなく財務面の改善にもつながります。
一方、投資活動によるキャッシュフローは48億08百万円の支出、財務活動によるキャッシュフローは22億51百万円の支出となっています。
そのため、今後は営業キャッシュフローを安定的に確保しながら、借入金などの負担をどこまで抑えられるかにも注目したいところです。
自己資本比率の改善にも注目
財務面では、2026年6月末の純資産が324億23百万円となり、2025年12月末の281億26百万円から42億97百万円増加しました。
自己資本比率も14.4%から16.3%へ改善しています。
利益剰余金の増加に加え、円安による為替換算調整勘定の増加などが純資産の増加に寄与しています。
ただし、短期借入金は738億11百万円と大きく、負債合計も1,577億30百万円あります。
したがって、財務体質については改善傾向が見られるものの、まだ十分に安心できる水準とはいえません。
今後は営業利益の黒字化と営業キャッシュフローの安定化によって、財務体質の改善まで進められるかが重要になります。
今後は「営業黒字化」が最大の焦点
今回のサンデンの決算は、前年同期の14億93百万円の営業赤字から21百万円まで赤字幅を縮小させており、本業の収益性が大きく改善したことは明確です。
一方で、通期業績予想は営業損失10億円のまま据え置かれています。また、経常利益や中間純利益には持分法による投資利益や固定資産売却益などが寄与しています。
そのため、次回以降の決算では、販売規模の増加と原価低減による営業利益の改善が一時的なものではなく、継続的な収益力として定着しているかを確認することが重要です。
営業利益が黒字に転換し、その状態を維持できるようになれば、今回の決算は単なる赤字縮小ではなく、サンデンの業績回復を判断するうえで大きな転換点になるでしょう。
まとめ
サンデン(6444)の2026年12月期第2四半期決算は、売上高15.8%増、営業赤字ほぼ解消、経常利益・中間純利益が黒字化するなど、前年同期から大きく改善しました。
売上高は1,085億12百万円となり、営業損失は前年同期の14億93百万円から21百万円まで縮小しています。決算短信では、販売規模の増加や原価低減などの諸施策によって収益性が改善したと説明されています。
特に評価したいのは、増収だけではなく、売上高の増加を利益改善につなげられたことです。売上高は前年同期比15.8%増加する一方、営業赤字はほぼ解消しており、収益構造の改善が進んでいることが分かります。
一方で、経常利益17億38百万円については、持分法による投資利益27億10百万円が大きく寄与しています。また、親会社株主に帰属する中間純利益13億49百万円についても、固定資産売却益などの特別損益が影響しています。
そのため、今回の決算を「本業が完全に黒字化した」と評価するのは早いでしょう。営業利益は依然として21百万円の赤字であり、会社の通期営業利益予想も10億円の赤字となっています。
今後の最大の焦点は、営業利益を安定して黒字化できるかです。
中間期では営業赤字をほぼ解消しているため、下期も販売規模の増加と原価低減を維持できれば、営業黒字化への期待が高まります。さらに、営業活動によるキャッシュフローも61億33百万円の収入となり、前年同期の39億22百万円の支出から大幅に改善しました。
財務面でも、純資産は324億23百万円、自己資本比率は16.3%となり、前年同期末の14.4%から改善しています。
したがって今回のサンデン決算は、「販売規模の増加と原価低減によって本業の赤字をほぼ解消し、業績回復への進展が確認できた決算」と評価できます。
ただし、経常利益や最終利益には営業外収益や特別損益の影響も含まれています。今後は一時的な利益ではなく、営業利益そのものを継続的に黒字化できるかを確認することが重要です。
次回以降の決算では、販売規模の維持、原価低減の継続、営業利益の黒字化、営業キャッシュフローの安定化、そして財務体質の改善が注目ポイントになります。
関連記事

本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
