【大阪製鐵(5449)】経常利益1.77億円へ黒字転換!為替差損11億円消失で2027年3月期1Q決算

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大阪製鐵(5449)は2026年7月30日に、2027年3月期第1四半期決算を発表しました。

今回の決算は、売上高が前年同期比10.3%減少し、営業損失も残る一方、経常利益が1.77億円の黒字へ転換したことが大きなポイントです。前年同期は15.86億円の経常損失だったため、経常損益は17.63億円改善しました。

では、なぜ営業赤字が続いているにもかかわらず、経常利益は黒字に転換したのでしょうか。

最大の理由は、前年同期に11.41億円発生していた為替差損がなくなり、今回は2.60億円の為替差益を計上したことです。また、営業損失も前年同期の4.75億円から1.82億円へ縮小しており、本業の損益も改善しています。

一方で、今回の黒字転換を「本業が黒字化した」と捉えるのは適切ではありません。国内の建設向け鋼材需要は低迷しており、鉄スクラップ価格や電力費、物流費の上昇も続いています。さらに、インドネシア子会社KOSの事業停止や熊本地震による西日本熊本工場の被災など、今後の業績を左右する材料も出ています。

この記事では、大阪製鐵の2027年3月期第1四半期決算について、経常黒字転換の理由、営業赤字が残る背景、KOS事業停止の影響、業績予想、配当方針、熊本地震による影響を決算短信の内容から詳しく解説します。

この記事で分かること
  • 大阪製鐵の2027年3月期第1四半期決算のポイント
  • 経常利益が黒字転換した理由
  • 為替差損11億円が消失したことによる影響
  • 営業赤字が続いている理由
  • KOS事業停止と今後の業績への影響
  • 第2四半期・通期業績予想と配当方針
  • 熊本地震による西日本熊本工場への影響
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経常利益1.77億円へ黒字転換!2027年3月期第1四半期決算を解説

大阪製鐵の2027年3月期第1四半期は、売上高が減少する一方、営業赤字が縮小し、経常利益が黒字転換する決算となりました。

特に注目したいのは、経常利益が前年同期の15.86億円の赤字から1.77億円の黒字へ転換した点です。ただし、営業利益は依然として赤字であるため、今回の黒字転換は本業の収益力だけで説明できるものではありません。

業績概要

項目2027年3月期第1四半期前年同期前年同期比
売上高231億2,100万円257億7,100万円10.3%減
営業利益▲1億8,200万円▲4億7,500万円赤字縮小
経常利益1億7,700万円▲15億8,600万円黒字転換
親会社株主に帰属する四半期純利益▲900万円▲14億8,500万円赤字縮小

売上高は前年同期比10.3%減の231億2,100万円となりました。鋼材売上数量も前年同期の23万9,000トンから21万トンへ減少しており、販売数量の面では厳しい状況が続いています。

一方、営業損失は前年同期の4億7,500万円から1億8,200万円へ縮小しました。売上高が減少しているにもかかわらず営業赤字が縮小したことは、今回の決算を見るうえで重要なポイントです。

さらに経常利益は1億7,700万円となり、前年同期の15億8,600万円の赤字から黒字に転換しました。

営業赤字は残るも損益は改善

営業損益を見ると、大阪製鐵の本業はまだ黒字化していません。

前年同期は売上高257億7,100万円に対して売上原価が240億8,600万円、売上総利益は16億8,500万円でした。今回は売上高が231億2,100万円まで減少したものの、売上原価も214億1,200万円まで減少し、売上総利益は17億800万円となっています。

さらに、販売費及び一般管理費は前年同期の21億6,000万円から18億9,000万円へ減少しました。

その結果、営業損失は4億7,500万円から1億8,200万円へ2億9,300万円縮小しています。

ただし、会社は国内の建設向け鋼材需要が低迷していることに加え、鉄スクラップ価格の上昇や電力費・物流費の負担増加が続いていると説明しています。鉄スクラップ価格の急激な上昇に対して販売価格の改定を進めたものの、一時的にマージンが縮小したことが厳しい収益状況につながったとしています。

つまり、今回の決算は「本業が好調になった」というより、厳しい事業環境のなかで営業赤字を縮小したと見るほうが正確です。

経常黒字転換の最大の理由は為替差損の消失

今回の決算で最も重要なのが、営業利益と経常利益の違いです。

営業利益は1億8,200万円の赤字ですが、経常利益は1億7,700万円の黒字です。この差を生んだ大きな要因が営業外損益の改善です。

項目前年同期今回変化
営業利益▲4.75億円▲1.82億円+2.93億円
為替差損益▲11.41億円+2.60億円+14.01億円
経常利益▲15.86億円+1.77億円+17.63億円

前年同期には11億4,100万円の為替差損が発生していました。一方、今回の第1四半期では為替差損がなくなり、2億6,000万円の為替差益を計上しています。

この為替要因だけを前年同期と比較すると、約14億円の改善です。

そのため、今回の経常黒字転換については、

「本業の営業赤字が縮小したこと」+「前年同期の大きな為替差損がなくなり、為替差益が発生したこと」

の両方を見る必要があります。

特に影響が大きかったのは為替です。したがって、今回の経常黒字転換を本業の収益力が完全に回復した結果と判断するのは早いでしょう。

今回の決算短信から読み取れる最大のポイントは、「営業赤字は残っているものの、前年同期に発生した大きな為替差損が消えたことで、経常損益が大幅に改善した」という点です。

経常黒字転換の理由は?為替差損の消失と営業赤字縮小を分析

大阪製鐵の2027年3月期第1四半期決算で最も注目したいのは、営業赤字が続いているにもかかわらず、経常利益が前年同期の15億8,600万円の赤字から1億7,700万円の黒字へ転換したことです。

この変化を見ると「本業が急回復したのではないか」と考えたくなりますが、決算短信を詳しく確認すると、黒字転換の主因は本業だけではありません。営業損失の縮小に加えて、前年同期に発生した大きな為替差損がなくなり、今回は為替差益を計上したことが経常利益を大きく押し上げています。

営業赤字は4.75億円から1.82億円へ縮小

まず、本業の収益を示す営業損益から確認します。

大阪製鐵の売上高は前年同期の257億7,100万円から231億2,100万円へ減少しました。鋼材売上数量も23万9,000トンから21万トンへ減少しており、販売環境そのものは厳しい状況です。

それでも営業損失は、前年同期の4億7,500万円から1億8,200万円へ縮小しました。

その背景には、売上原価と販売費及び一般管理費の減少があります。売上原価は240億8,600万円から214億1,200万円、販売費及び一般管理費は21億6,000万円から18億9,000万円となりました。その結果、売上高は減少したものの、売上総利益は16億8,500万円から17億800万円へ増加しています。

ただし、会社は鉄スクラップ価格の急激な上昇によって一時的にマージンが縮小したと説明しています。販売価格の改定を進めているものの、鉄スクラップ価格、電力費、物流費などのコスト上昇が続いているため、営業段階ではまだ黒字化できていません。

為替差損11億円が消失し、経常利益を大きく押し上げた

今回の経常黒字転換を理解するうえで、最も重要なのが為替差損益の変化です。

前年同期は11億4,100万円の為替差損を計上していました。ところが今回の第1四半期では為替差損がなくなり、逆に2億6,000万円の為替差益を計上しています。

前年同期と比較すると、為替による損益は約14億円改善しています。

一方、営業損失の改善幅は2億9,300万円です。このため、経常利益が15億8,600万円の赤字から1億7,700万円の黒字へ転換した最大のポイントは、営業損益の改善だけではなく、為替差損が消失して為替差益に転じたことだと考えられます。

今回の決算を「黒字転換」という一言だけで見ると、本業が黒字化したように受け取ってしまいます。しかし実際には、営業利益は1億8,200万円の赤字です。

したがって、今回の経常黒字転換は、営業赤字の縮小+為替差損の消失・為替差益の発生によって実現したと捉えるのが適切です。

KOSの損失も大幅に縮小

もう一つ見逃せないのが、インドネシア子会社KOSの業績です。

KOSの第1四半期は、売上高が前年同期の46億4,200万円から23億5,300万円へ減少しました。一方、経常損失は13億1,500万円から3億4,300万円へ縮小しています。

つまり、KOSは売上規模が大きく縮小する一方で、赤字幅は約9億7,200万円縮小しました。

これは、KOSの事業停止に向けた動きとも関係しています。会社は2026年6月にKOSの事業を停止しており、2026年12月の解散決議に向けた手続きを進めています。

KOSの損失縮小は大阪製鐵グループ全体の損益改善を考えるうえで重要ですが、今回の決算短信では単一セグメントとして開示されているため、KOSの損失縮小が連結営業利益・経常利益にそれぞれ何億円寄与したのかまでは確認できません。

そのため、今回の黒字転換については、KOSの改善を要因の一つとして押さえつつも、最も明確に確認できる大きな変化は為替差損益の改善と見るのが妥当です。

「黒字転換=本業回復」とは言い切れない

今回の決算を評価する際には、この点が重要です。

営業損失は前年同期より縮小しているため、本業の採算は改善しています。しかし、国内の建設向け鋼材需要は大幅な回復が見込まれておらず、鉄スクラップ価格や電力費などのコスト上昇も続く見通しです。会社自身も、今後も厳しい事業環境が続くとしています。

つまり今回の決算は、「本業が黒字化した好決算」ではなく、「営業赤字を縮小し、為替要因などによって経常損益が黒字に転換した決算」です。

この違いを理解したうえで、次に重要になるのが第2四半期以降に営業損益そのものを黒字化できるのか、そしてKOS撤退や熊本地震が今後の業績・配当にどのような影響を与えるのかという点です。

今後の注目ポイントは?通期業績予想・KOS撤退・熊本地震と配当に注目

大阪製鐵の第1四半期決算では、経常利益が黒字転換した一方で営業赤字は残りました。そのため、今後の業績を見るうえでは、為替要因による一時的な改善ではなく、本業の営業損益をどこまで改善できるかが重要になります。

さらに今回は、インドネシア子会社KOSの事業停止に加えて、熊本地震による西日本熊本工場の被災も発生しました。配当についても第2四半期末は無配予定、期末配当は未定となっており、次回決算では業績だけでなく工場の復旧状況と株主還元の動向も確認する必要があります。

通期営業利益10億円を達成できるかが焦点

大阪製鐵は2027年3月期について、売上高1,000億円、営業利益10億円、経常利益10億円、親会社株主に帰属する当期純利益3億円を予想しています。

項目第2四半期累計予想通期予想
売上高450億円1,000億円
営業利益▲12億円10億円
経常利益▲14億円10億円
親会社株主に帰属する純利益▲12億円3億円
1株当たり当期純利益▲40.11円10.03円

ここで注意したいのが、第1四半期の経常利益は1.77億円の黒字だったにもかかわらず、第2四半期累計では14億円の経常損失を予想していることです。

つまり、今回の第1四半期だけを見て「黒字化が定着した」と判断することはできません。

会社も、国内の建設向け鋼材需要について大幅な回復を見込んでおらず、中東情勢の影響による電力費などの増加も継続するとしています。今後は鉄スクラップなどのコスト上昇を販売価格へどこまで転嫁し、営業利益10億円という通期計画を達成できるかが重要になります。

KOS撤退で今後の損失をどこまで抑えられるか

もう一つの大きな注目点が、インドネシア子会社KOSの事業停止です。

KOSは今回の第1四半期において、経常損失が前年同期の13億1,500万円から3億4,300万円へ縮小しました。会社は2026年6月にKOSの事業を停止しており、今後は2026年12月の解散決議に向けて手続きを進める予定です。

KOSについては、事業停止によって今後の赤字負担をどこまで抑えられるかがポイントになります。一方で、撤退に伴う損失がすべてなくなったわけではありません。

会社は今回の配当方針について、KOS撤退期間における関連損失を除いた損益を基準として、連結配当性向30%程度を目安に配当する方針を示しています。そのため、KOS撤退に伴う損失が最終的にどの程度になるのかも、今後の利益と配当を考えるうえで重要です。

熊本地震による西日本熊本工場への影響に注意

今回の決算発表では、2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震によって、西日本熊本工場が被災したことも開示されました。

決算短信の発表時点では被害状況を調査中であり、会社は状況が判明した段階で適切に開示するとしています。

このため、現時点で具体的な業績影響を数字で判断することはできません。

むしろ次回以降の開示で、工場の被害規模、操業への影響、復旧時期、業績への影響が明らかになるかを確認する必要があります。

そして、この熊本地震の影響は配当にも関係しています。会社は第2四半期末配当を無配とする予定で、期末配当については西日本熊本工場の被害状況の調査結果などを踏まえて決定するとしています。現時点では期末配当は未定です。

第2四半期決算では「本業の改善」を確認したい

今回の第1四半期は経常黒字に転換しましたが、その大きな要因の一つは前年同期の為替差損がなくなったことでした。

そのため、次回の決算では経常利益だけを見るのではなく、営業利益がどこまで改善しているかを確認することが重要です。

特に、鉄スクラップ価格や電力費などのコスト上昇に対して販売価格の改定が進み、マージンを確保できているかがポイントになります。また、KOS撤退による損失負担がどの程度縮小するのか、西日本熊本工場の被災が業績にどの程度影響するのかも注目されます。

大阪製鐵は通期で営業利益10億円を計画しています。第1四半期時点では営業赤字が残っているだけに、「経常黒字転換」から「本業の営業黒字化」へ進めるかどうかが、今後の決算を見るうえで最大のポイントになるでしょう。

まとめ

大阪製鐵の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比10.3%減少し、営業損失1億8,200万円となった一方、経常利益は1億7,700万円の黒字へ転換しました。前年同期は15億8,600万円の経常損失だったため、経常損益は17億6,300万円改善しています。

今回の黒字転換で最も重要なのは、本業が黒字化したわけではないという点です。営業損失は残っているものの、前年同期に11億4,100万円発生していた為替差損がなくなり、今回は2億6,000万円の為替差益を計上しました。これに加えて営業損失も縮小したことで、経常利益が黒字に転換しています。

また、インドネシア子会社KOSでは経常損失が13億1,500万円から3億4,300万円へ縮小しました。KOSは2026年6月に事業を停止しており、今後は解散に向けた手続きが進められます。撤退に伴う損失負担をどこまで抑えられるかは、今後の業績を見るうえで重要なポイントです。

一方、会社は2027年3月期通期で売上高1,000億円、営業利益10億円、経常利益10億円、純利益3億円を計画しています。第2四半期累計では経常損失14億円を予想しているため、第1四半期の経常黒字だけで業績回復を判断するのは早いでしょう。

さらに、2026年7月28日に発生した熊本地震によって西日本熊本工場が被災しており、決算短信発表時点では被害状況を調査中です。第2四半期末配当は無配予定、期末配当も未定となっているため、今後は工場の復旧状況と配当方針にも注目する必要があります。

今回の決算をまとめると、「営業赤字は縮小したものの、為替差損の消失などによって経常黒字へ転換した決算」と評価できます。今後は為替などの営業外要因に頼るのではなく、鉄スクラップ価格や電力費などのコスト上昇に対応しながら、本業の営業利益を黒字化できるかが最大の焦点です。

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双樹
双樹
保全士・制御系エンジニア
FIREを目指して株式投資に挑戦し、学びをブログで発信中。

学生時代に取得した機械保全技能検定と第二種電気工事士を活かし、リーマンショック期に保全職として就職。
アベノミクス期に装置メーカーへ転職し制御設計を経験。
コロナ禍では工場勤務に転職し機械や設備の保守・点検やシステム導入に携わっています。

資格
●機械保全技能検定(電気系保全作業)
●第二種電気工事士
●エネルギー管理士
●2級ボイラー技士
●乙種第4類危険物取扱者
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