【アバールデータ(6918)】半導体製造装置関連の回復で営業利益338.6%増!通期業績予想を上方修正
アバールデータ(6918)は2026年8月13日に、2027年3月期第1四半期決算を発表しました。
売上高は前年同期比75.3%増の32億14百万円、営業利益は338.6%増の4億15百万円となり、大幅な増収増益を達成しました。さらに、2027年3月期の通期業績予想を上方修正し、売上高・営業利益・経常利益・当期純利益のすべてを引き上げています。
今回の決算で特に注目したいのは、半導体製造装置関連の回復と受注残の製品完成・納入が進んだことです。半導体製造装置関連の売上高は前年同期比157.9%増となり、受託製品全体でも売上高が105.6%増、セグメント営業利益が323.6%増と大きく伸びました。
一方で、すべての品目が好調だったわけではありません。計測機器や計測通信機器などには前年同期比で減少した項目もあり、今回の大幅増益がどの分野で生まれたのかを確認することが重要です。
この記事では、アバールデータの2027年3月期第1四半期決算について、決算短信の数字を中心に、増収増益となった理由、通期業績予想を上方修正した内容、今後の決算で確認したいポイントを解説します。

営業利益338.6%増!2027年3月期第1四半期決算を解説
アバールデータの2027年3月期第1四半期決算は、売上高75.3%増、営業利益338.6%増という大幅な増収増益となりました。特に営業利益の伸びが売上高を大きく上回っており、今回の決算を評価するうえで重要なポイントです。
業績概要
| 項目 | 2027年3月期第1四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 32億14百万円 | +75.3% |
| 営業利益 | 4億15百万円 | +338.6% |
| 経常利益 | 4億63百万円 | +242.1% |
| 四半期純利益 | 3億16百万円 | +250.2% |
売上高は32億14百万円となり、前年同期から75.3%増加しました。営業利益は4億15百万円と前年同期比338.6%増、経常利益は4億63百万円と同242.1%増、四半期純利益は3億16百万円と同250.2%増となっています。
前年同期は売上高18億33百万円、営業利益9,400万円と減収減益でしたが、今期は大きく業績を回復させました。営業利益は前年同期の約4.4倍となっており、今回の決算最大のポイントといえるでしょう。
受託製品が大幅増収増益
今回の業績を押し上げたのが、受託製品の大幅な伸びです。
受託製品の売上高は22億35百万円と前年同期比105.6%増、セグメント営業利益は3億64百万円と同323.6%増となりました。一部顧客の受注残について、製品の完成・納入が進んだことで、会社の想定を上回る結果となっています。
なかでも注目したいのが、半導体製造装置関連です。
半導体製造装置関連の売上高は18億77百万円と前年同期比157.9%増となりました。受注残の製品完成・納入が進んだことに加え、一部で発生していた在庫調整が収束し、回復が見られたことで想定を大幅に上回っています。
今回の大幅増収は、単純に全体の需要が増えたというより、受注残の納入進展と半導体製造装置関連の回復が重なったことが大きな要因です。
産業用制御機器は増収、計測機器は減収
受託製品のすべてが好調だったわけではありません。
産業用制御機器の売上高は2億87百万円と前年同期比13.3%増となり、検査装置や社会インフラ関連の一部顧客が堅調に推移したことで、想定を上回りました。
一方、計測機器の売上高は7,000万円と前年同期比33.2%減となりました。受注残の製品完成・納入は進んだものの、一部顧客の需要減少によって想定を下回っています。
このように、今回の受託製品は半導体製造装置関連の大幅な回復が全体を強く押し上げる一方、品目によって業績に差が出ていることも確認しておく必要があります。
自社製品も増収増益
自社製品についても業績は好調でした。
売上高は9億78百万円と前年同期比31.2%増、セグメント営業利益は2億59百万円と同55.0%増となっています。全般的な産業装置における設備投資を背景に、一部顧客が増加基調となり、こちらも会社の想定を大幅に上回りました。
品目別では、画像処理モジュールの売上高が5億61百万円と前年同期比75.3%増となりました。一部顧客の需要増加もあり、想定を大幅に上回っています。
一方、計測通信機器は4.2%減、自社製品関連商品は16.1%減となっており、自社製品についてもすべての品目が増収となったわけではありません。
今回の第1四半期決算は、受託製品の大幅な増収増益を中心に、自社製品も増収増益となったことで、営業利益が338.6%増まで拡大した点が最大のポイントです。
特に半導体製造装置関連の売上高が157.9%増まで回復したことは大きく、次の焦点は、この回復と受注残の納入効果が第2四半期以降も続くかどうかになります。
通期業績予想を上方修正!営業利益17億20百万円を目指す
アバールデータは今回の第1四半期決算と同時に、2027年3月期の通期業績予想を上方修正しました。売上高だけでなく、営業利益、経常利益、当期純利益についても予想を引き上げています。決算短信では、直近に公表した業績予想からの修正が「有」とされています。
通期業績予想を上方修正
修正後の2027年3月期通期業績予想は以下のとおりです。
| 項目 | 2027年3月期通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 125億円 | +41.6% |
| 営業利益 | 17億20百万円 | +149.3% |
| 経常利益 | 18億円 | +133.0% |
| 当期純利益 | 19億円 | +242.9% |
| 1株当たり当期純利益 | 326.72円 | ― |
今回の修正後予想では、売上高125億円、営業利益17億20百万円、経常利益18億円、当期純利益19億円を見込んでいます。特に営業利益は前年同期比149.3%増、当期純利益は同242.9%増と、大幅な増益を予想しています。
第1四半期だけでも営業利益は4億15百万円まで増加しているため、今回の上方修正は、第1四半期の実績が会社の想定を上回って推移したことを反映したものと見ることができます。
第2四半期累計も大幅増益を予想
第2四半期累計期間については、売上高61億円、営業利益8億40百万円、経常利益8億90百万円、四半期純利益12億50百万円を予想しています。前年同期比では、売上高42.1%増、営業利益165.4%増、経常利益133.1%増、四半期純利益344.7%増となる見通しです。
第1四半期の営業利益は4億15百万円だったため、第2四半期単体では単純計算で約4億24百万円の営業利益を見込む計画です。
したがって、会社側は第1四半期の好調が一時的なものだけではなく、第2四半期以降も一定の業績拡大が続くことを前提に通期予想を引き上げていると考えられます。
上方修正を支える半導体製造装置関連の回復
今回の上方修正を考えるうえで重要なのが、第1四半期に大きく回復した半導体製造装置関連です。
同分野の売上高は18億77百万円と前年同期比157.9%増となりました。決算短信によると、受注残の製品完成・納入が進んだことに加え、一部で生じていた在庫調整が収束し、回復が見られたことで想定を大幅に上回っています。
また、受託製品全体でも売上高は前年同期比105.6%増、セグメント営業利益は同323.6%増となりました。自社製品も売上高31.2%増、セグメント営業利益55.0%増と好調に推移しています。
こうした第1四半期の実績を踏まえ、会社は通期業績予想を引き上げました。
第1四半期の通期予想に対する進捗率
修正後の通期予想に対する第1四半期の進捗率を見ると、売上高は約25.7%、営業利益は約24.2%、経常利益は約25.8%となっています。
| 項目 | 第1四半期実績 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 32億14百万円 | 125億円 | 約25.7% |
| 営業利益 | 4億15百万円 | 17億20百万円 | 約24.2% |
| 経常利益 | 4億63百万円 | 18億円 | 約25.8% |
| 純利益 | 3億16百万円 | 19億円 | 約16.7% |
売上高・営業利益・経常利益は、おおむね年間計画の4分の1に近い水準まで進んでいます。
ただし、第1四半期には受注残の製品完成・納入が進んだことが業績を押し上げています。そのため、進捗率だけを見て通期予想のさらなる上振れを判断するのは早いでしょう。第2四半期以降も同様の納入が続くのか、半導体製造装置関連の回復が継続するのかを確認する必要があります。
今回の決算では、会社が通期業績予想を上方修正したこと自体が大きなポイントです。営業利益17億20百万円という新たな目標に対して、第2四半期以降も利益を積み上げられるかが、今後の決算を見るうえで重要になります。
今後の注目ポイントは?半導体製造装置関連の回復が続くか
アバールデータの2027年3月期第1四半期決算は、売上高75.3%増、営業利益338.6%増という非常に強いスタートとなりました。さらに通期業績予想も上方修正されており、足元の業績は好調です。
一方で、今回の大幅増益には受注残の製品完成・納入が進んだことや、半導体製造装置関連で在庫調整が収束したことが寄与しています。そのため、今後も同じペースで業績が伸びるかについては、次回以降の決算で確認する必要があります。
半導体製造装置関連の回復が続くか
今回の決算で最も大きく伸びたのが半導体製造装置関連です。
売上高は18億77百万円と前年同期比157.9%増となりました。決算短信では、受注残の製品完成・納入が進んだことに加え、一部で生じていた在庫調整が収束し、回復が見られたことで想定を大幅に上回ったと説明しています。
会社側は半導体製造装置市場について、半導体メモリ価格の高騰による部品調達コスト増加懸念がある一方、生成AIに牽引された先端ロジックやHBM向け装置の需要が高水準で推移しているとしています。また、前工程装置向けの拡大や検査装置向け投資の本格化によって、半導体製造装置関連が増加を牽引する状況になったと説明しています。
したがって次回以降の決算では、今回の在庫調整の収束による回復が続くのか、そして受注残の納入がどの程度業績に寄与するのかを確認したいところです。
受注残の納入効果が一巡した後も成長できるか
今回の増収を支えたもう一つのポイントが、一部顧客の受注残について製品完成・納入が進んだことです。
受託製品の売上高は前年同期比105.6%増となり、セグメント営業利益も323.6%増加しました。会社側は「想定を上回り推移した」と説明しています。
ただし、受注残の納入は、その時点で売上高として計上される要因です。そのため、次の四半期以降も同様の納入が続くのか、それとも第1四半期に集中したのかを見極める必要があります。
第1四半期の好調が一時的な納入増加によるものなのか、受注環境そのものが改善しているのかは、今後の決算を評価するうえで重要なポイントになります。
自社製品の増収基調を維持できるか
自社製品も第1四半期は好調で、売上高が9億78百万円、前年同期比31.2%増、セグメント営業利益が2億59百万円、同55.0%増となりました。
特に画像処理モジュールは売上高が前年同期比75.3%増と大きく伸びています。一方、計測通信機器や自社製品関連商品は減収となっているため、今後も全品目が一律に伸びるとは限りません。
そのため、次回決算では第1四半期に好調だった品目の成長が続くかを確認することが重要です。
通期営業利益17億20百万円を達成できるか
今回、会社は2027年3月期の営業利益予想を17億20百万円へ引き上げました。前年同期比では149.3%増となる計画です。
第1四半期の営業利益は4億15百万円なので、通期予想に対する進捗率は約24.2%です。第1四半期としてはおおむね年間計画の4分の1に近い水準となっています。
ただし、今回の第1四半期は受注残の納入進展や半導体製造装置関連の回復が大きく寄与しています。そのため、今後は第2四半期以降も営業利益を安定して積み上げ、17億20百万円を達成できるかが焦点になります。
財務基盤と配当予想も確認
第1四半期末の総資産は246億83百万円、純資産は216億73百万円、自己資本比率は87.8%でした。前期末の自己資本比率90.0%からは低下していますが、依然として高い水準です。
なお、総資産の増加には投資有価証券の時価変動も影響しており、投資有価証券は前期末から19億89百万円増加しました。その他有価証券評価差額金も13億63百万円増加しています。
配当については、2027年3月期の年間配当を106円とする予想に変更はありません。中間配当51円、期末配当55円の計画です。
また、第1四半期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成していないため、営業キャッシュフローの状況は今回の決算短信から確認できません。今後の決算でキャッシュ・フローの動向を確認する必要があります。
今回の決算は、営業利益338.6%増という非常に強い内容に加えて、通期業績予想も上方修正された好決算です。ただし、第1四半期の好調には受注残の納入や在庫調整の収束が寄与しています。
したがって今後は、半導体製造装置関連の回復が続くか、受注残の納入効果が一巡した後も業績を維持できるか、そして通期営業利益17億20百万円を達成できるかを確認することが重要です。
まとめ
アバールデータ(6918)の2027年3月期第1四半期決算は、売上高75.3%増、営業利益338.6%増となる大幅な増収増益でした。売上高は32億14百万円、営業利益は4億15百万円まで拡大しています。
今回の決算で特に注目したいのは、半導体製造装置関連の回復と受注残の製品完成・納入が進んだことです。半導体製造装置関連の売上高は18億77百万円と前年同期比157.9%増となり、受託製品全体でも売上高105.6%増、セグメント営業利益323.6%増と大幅に伸びました。
さらに、自社製品も売上高31.2%増、セグメント営業利益55.0%増となり、全体の業績を押し上げています。
今回の決算では、通期業績予想を上方修正したことも重要なポイントです。2027年3月期の営業利益予想は17億20百万円、売上高は125億円へ引き上げられました。
一方で、第1四半期の好調には受注残の納入進展や、一部で生じていた在庫調整の収束が寄与しています。そのため、今後も同じペースで業績が拡大するとは限りません。
次回以降の決算では、半導体製造装置関連の回復が継続するか、受注残の納入効果が一巡した後も売上高・営業利益を伸ばせるかを確認することが重要です。また、年間配当106円の予想に変更がないことや、自己資本比率87.8%という財務状況も確認しておきたいポイントです。
今回のアバールデータは、第1四半期から非常に強い業績を示し、通期予想も上方修正した好決算と評価できます。ただし、営業利益338.6%増という数字だけを見るのではなく、その背景にある受注残の納入や半導体製造装置関連の回復が今後も続くかを見極めることが、次回以降の決算を評価するうえで重要になるでしょう。
関連記事

本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
