【エクスモーション(4394)】生成AI事業が成長!営業利益30%増となった理由を徹底分析
エクスモーション(4394)は、2026年11月期第2四半期決算で営業利益が前年同期比30.2%増となる好決算を発表しました。
売上高は前年同期比4.6%増と着実な成長にとどまった一方、営業利益・経常利益・中間純利益はいずれも約30%の増益を達成しています。単に売上が伸びただけではなく、利益率の高い案件の増加や生成AI関連サービスの拡大によって収益性が改善したことが今回の決算の大きな特徴です。
また、同社は組込みソフトウェア開発コンサルティングに加え、生成AIを活用した要件定義支援サービス「CoBrain(コブレイン)」や教育サービス「Eureka Box(ユーリカボックス)」の拡大を進めています。さらに、第2四半期にはモデルベース開発専用のテスト生成AIサービスを新たに開始するなど、AI分野への投資を積極的に進めている点も注目材料です。
本記事では、2026年11月期第2四半期決算の内容をもとに、営業利益が30%増加した理由や今後の成長性について詳しく解説します。
2026年11月期第2四半期決算概要
エクスモーションの2026年11月期第2四半期決算は、増収増益となりました。
売上高は7億690万円で前年同期比4.6%増となり、営業利益は9,793万円で前年同期比30.2%増を達成しています。経常利益は1億46万円、中間純利益は6,419万円となり、いずれも約30%の増益となりました。
| 項目 | 2025年11月期2Q | 2026年11月期2Q | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6.76億円 | 7.06億円 | 4.6%増 |
| 営業利益 | 0.75億円 | 0.97億円 | 30.2%増 |
| 経常利益 | 0.77億円 | 1.00億円 | 29.5%増 |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 0.49億円 | 0.64億円 | 31.2%増 |
※百万円表示を億円換算。
営業利益率も前年同期の約11.1%から約13.9%へ上昇しており、売上以上に利益が伸びる収益性の高い決算となりました。
営業利益30%増となった理由
今回の決算で最も評価したい点は、売上高の伸びを大きく上回る利益成長を実現したことです。
組込みソフトウェア開発を取り巻く環境では、製造業を中心にソフトウェアの重要性が一段と高まっています。会社は決算短信の中で、「あらゆるものをソフトウェアで定義するSDx化」が本格化していることや、生成AIの普及によってソフトウェア開発手法そのものが変化していることを成長の追い風として挙げています。
こうした市場環境の中で、エクスモーションは従来の自動車業界向け案件だけでなく、他の産業分野からの新規顧客獲得にも成功しました。さらに、生成AIを前提とした新しいコンサルティング支援契約を獲得し、従来型のコンサルティングに加えて新たなビジネスモデルへの転換を進めています。
また、生成AIを活用した要件定義支援サービス「CoBrain」は顧客数を順調に伸ばし、教育サービス「Eureka Box」も企業のリスキリング需要を背景に堅調に推移しました。加えて、第2四半期にはモデルベース開発専用のテスト生成AIサービスの提供を開始しており、生成AIソリューションのラインアップをさらに拡充しています。
利益面を見ると、その改善は数字にも表れています。
売上高は前年同期比4.6%増でしたが、売上原価は4億1,057万円から4億577万円へ減少しました。その結果、売上総利益は2億6,550万円から3億115万円へ約13.4%増加しています。高付加価値案件の拡大や収益性の高いサービス比率の上昇が、営業利益30%増につながったと考えられます。
今回の決算は、単なる増収ではなく、事業構造そのものが収益性の高い方向へ変化し始めていることを示した決算と評価できるでしょう。
CoBrain・Eureka Box・生成AIサービスが好調!営業利益30%増の理由を徹底分析
エクスモーションの第2四半期決算で最も注目したいのは、営業利益が前年同期比30.2%増まで拡大した背景です。
売上高の伸びは4.6%増と堅調な水準でしたが、それを大きく上回る利益成長を実現できたのは、コンサルティング事業の収益性向上に加え、生成AI関連サービスの拡大が進んだためです。決算短信からも、同社が従来の組込みソフトウェアコンサルティング企業から、生成AIを活用した高付加価値サービス企業へ変化しつつあることが読み取れます。
自動車業界以外への顧客拡大が利益成長を支える
エクスモーションはこれまで、自動車業界向けの組込みソフトウェア開発支援を主力としてきました。
しかし今回の決算では、従来の自動車メーカー向け案件だけでなく、他の産業分野からの新規顧客獲得が順調に進んだことが明記されています。
これは非常に重要なポイントです。
自動車業界はEVやSDV(Software Defined Vehicle)の普及によってソフトウェア需要が拡大している一方、市場環境の影響も受けやすい業界です。エクスモーションが製造業全体へ顧客基盤を広げることで、業績の安定性が高まり、中長期的な成長にもつながる可能性があります。
また、組込みソフトウェアの需要は産業機器やロボット、医療機器など幅広い分野へ広がっており、高度な技術コンサルティングを提供できる同社にとっては、新たな成長機会になるでしょう。
生成AIを前提とした新しいコンサルティングモデルへ進化
今回の決算で最も注目すべき材料は、生成AIを前提とした新しいコンサルティング支援契約を獲得したことです。
これまでのコンサルティングは、人が中心となって要求分析や要件定義を支援するビジネスモデルでした。
一方で現在は、生成AIを開発現場へ組み込む企業が急速に増えています。そのため、企業には「生成AIをどのように開発プロセスへ組み込むか」という新たな課題が生まれています。
エクスモーションは、この変化をビジネスチャンスと捉え、生成AIを前提とした開発環境の構築や活用方法まで支援するコンサルティングへ事業を拡大しています。
従来よりも付加価値の高いサービスを提供できるようになれば、利益率の改善が進みやすくなるため、今回の営業利益率向上にもつながったと考えられます。
CoBrainは顧客数が増加し成長が続く
生成AIを活用した要件定義支援サービス「CoBrain(コブレイン)」も、順調に利用企業を増やしています。
会社は決算短信で、CoBrainの顧客数が増加し、引き続き堅調な引き合いを獲得していると説明しています。
CoBrainは、議事録や要求仕様書などをもとに要件定義書の作成やレビューを支援するサービスです。
組込みソフトウェア開発では、要件定義の品質がプロジェクト全体の品質を左右します。その工程を生成AIで効率化できれば、開発期間の短縮や手戻りの削減につながるため、企業にとって導入メリットは大きいと言えます。
今後、生成AIの企業利用がさらに広がれば、CoBrainはエクスモーションの新たな収益の柱へ成長する可能性があります。
Eureka Boxもリスキリング需要を取り込む
教育サービス「Eureka Box(ユーリカボックス)」も、引き続き好調を維持しています。
決算短信では、リスキリング需要の高まりを背景に順調に推移したと説明されています。
近年はDXや生成AIの普及により、企業では社員の再教育が重要な課題となっています。
Eureka Boxは、組込みソフトウェア開発や上流工程を学べる教育プラットフォームであり、新人教育だけでなく既存社員のスキルアップにも活用されています。
コンサルティング事業は人材の稼働率が売上に直結しますが、教育サービスは比較的ストック型の収益を積み上げやすいビジネスです。
そのため、Eureka Boxの利用拡大は収益基盤の安定化にもつながると期待されます。
新たな生成AIサービスも開始
第2四半期では、新サービスとして「モデルベース開発専用のテスト生成AIサービス」の提供を開始しました。
モデルベース開発(MBD)は、自動車や産業機器の制御ソフトウェア開発で利用が拡大している開発手法です。
この工程では膨大なテストケースの作成が必要になりますが、生成AIを活用することで開発効率の向上や品質改善が期待できます。
エクスモーションは既存のCoBrainだけでなく、新たなAIソリューションを継続的に投入しており、生成AI関連企業としての存在感を高めています。
こうしたサービスの拡充は、単なるコンサルティング会社ではなく、AIを活用したソリューション企業への転換を進めていることを示していると言えるでしょう。
通期業績予想・配当の見通し
エクスモーションは、第2四半期決算発表時点で通期業績予想を据え置きました。
売上高14.51億円、営業利益2.04億円、経常利益2.06億円、親会社株主に帰属する当期純利益1.33億円を見込んでおり、会社側は期初計画を維持しています。
通期業績予想
| 項目 | 2026年11月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 14.51億円 | 4.7%増 |
| 営業利益 | 2.04億円 | 7.7%増 |
| 経常利益 | 2.06億円 | 6.4%増 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.33億円 | 4.5%増 |
第2四半期終了時点の進捗率を確認すると、営業利益は約48%、経常利益も約49%となっています。
例年、下期は新規案件の立ち上がりや研究開発投資などで利益が変動する傾向がありますが、現時点では会社計画に対して概ね順調な進捗と言えるでしょう。
特に、CoBrainやEureka Boxに加え、新たな生成AIサービスの展開が本格的に業績へ寄与すれば、会社計画の達成に期待が持てそうです。
配当は実質増配を維持
株主還元についても、会社は従来予想を維持しています。
中間配当は5円(株式分割前)、期末配当は10円(株式分割後)を予定しています。
なお、2026年6月1日に実施された1株→2株の株式分割を考慮すると、年間配当は実質25円となり、前期の20円から実質増配となる見込みです。
| 配当 | 金額 |
|---|---|
| 中間配当 | 5円(分割前) |
| 期末配当 | 10円(分割後) |
| 年間配当 | 実質25円 |
※株式分割を考慮した実質年間配当。
株式分割によって投資単位が引き下げられたこともあり、個人投資家にとっては投資しやすい環境が整ったと言えるでしょう。
財務体質は引き続き健全
財務面では、大きな不安材料は見当たりません。
2026年5月末時点の総資産は18.73億円、純資産は16.73億円となり、自己資本比率は89.3%と非常に高い水準を維持しています。
| 項目 | 2025年11月期末 | 2026年11月期2Q |
|---|---|---|
| 総資産 | 18.57億円 | 18.73億円 |
| 純資産 | 16.69億円 | 16.73億円 |
| 自己資本比率 | 89.9% | 89.3% |
現金及び預金は約14.6億円と潤沢であり、研究開発や新サービスへの投資を継続できる財務基盤を備えています。
また、営業活動によるキャッシュ・フローは1.03億円のプラスを維持しており、本業で安定して資金を創出できている点も評価できます。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローはAI関連サービスへの開発投資などにより支出が増加しており、将来の成長に向けた積極投資を進めていることがうかがえます。
エクスモーションの決算をどう評価する?
今回の決算は、数字以上に事業内容の変化が評価できる決算でした。
売上高の伸びは4.6%増と大きくありませんが、営業利益は30.2%増となり、収益性が着実に改善しています。その背景には、利益率の高いコンサルティング案件の拡大だけでなく、生成AIを活用した新しいビジネスモデルへの転換が進んでいることがあります。
さらに、第2四半期にはモデルベース開発専用のテスト生成AIサービスを開始するなど、生成AIソリューションの拡充も進みました。CoBrainやEureka Boxに続く新たなサービスが軌道に乗れば、従来の人材稼働型ビジネスから、より利益率の高いサービス型ビジネスへ移行する可能性があります。
一方で、現時点ではコンサルティング事業が収益の中心であり、人材採用や育成が成長の鍵を握る点は変わりません。また、自動車関連案件の比率が高いことから、自動車業界の設備投資や研究開発動向にも注意が必要です。
まとめ
エクスモーションの2026年11月期第2四半期決算は、営業利益30.2%増と収益性の高さが際立つ内容でした。
特に、自動車業界以外への顧客拡大、生成AIを前提とした新たなコンサルティング契約、CoBrainの顧客増加、Eureka Boxの堅調な推移、新しい生成AIサービスの開始など、今後の成長につながる材料が数多く盛り込まれています。
短期的には通期業績予想の達成状況が注目されますが、中長期では生成AI関連サービスがどこまで収益の柱へ成長できるかが株価を左右するポイントになりそうです。
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