フュージョン(3977)の事業内容|顧客データをCRM施策の実行までつなぐ
顧客データを集めても、分析結果がメール、アプリ、ダイレクトメール、店舗施策へ反映されなければ売上にはつながりません。フュージョン(3977)は、顧客との関係を深めるCRMについて、戦略づくりからデータ分析、施策の制作・運用、効果検証まで伴走する会社です。
一言で表すなら、顧客データを読み解き、企業と顧客のコミュニケーションを実際に動かすマーケティング支援会社です。ITシステムだけを納品する会社でも、広告物だけを制作する会社でもない点が、事業を理解する入口になります。
フュージョンはCRMの戦略と実行を一社でつなぐ
CRMは、顧客との関係を維持・改善し、継続利用や購入拡大につなげる考え方です。フュージョンは、顧客企業が抱える課題を整理し、誰に、どの接点で、どのような情報を届けるかを設計します。
| 支援領域 | 主な内容 | 利用場面 |
| ストラテジー | CRM戦略、顧客獲得・育成の設計 | 会員制度や販促計画の見直し |
| オペレーション | キャンペーンや事務局の運用 | メール、アプリ、DMの継続運用 |
| テクノロジー | 顧客データ基盤、MA、ダッシュボード | データ統合と施策配信 |
| クリエイティブ | DM、Web、アプリ、店頭ツール | 顧客接点の制作 |
| アナリティクス | 顧客・商品・購買行動の分析 | 効果検証と次の施策設計 |
特徴は、この五つを別々の商品として並べるのではなく、一つのCRMプロジェクトで組み合わせる点です。分析だけで終わらず、施策の制作・運用まで進み、その結果を再び分析する循環をつくります。
CRM支援は「顧客を知る」から「行動を変える」まで続く
コンサルティングで課題と目標を揃える
顧客企業によって、解決したい問題は異なります。新規顧客を増やしたい会社もあれば、既存会員の利用頻度を上げたい会社、複数部門に分かれたマーケティング業務を整理したい会社もあります。
フュージョンは現状のCRM施策や業務フローを棚卸しし、目標とKPIを設計します。ここで決めた方針が、データ分析やクリエイティブ制作の基準になります。
アナリティクスで顧客ごとの違いを見つける
購買履歴、ID-POS、Webやアプリの行動履歴などを分析し、顧客を一括りにせず、行動の違いを捉えます。売上構造、商品、顧客層を分けて見ることで、どの層にどの施策を打つべきかを具体化します。
分析結果はレポートの納品で終わりません。メール、DM、アプリ、店舗ツールなど、顧客が実際に触れる施策へ落とし込むところまでが事業の範囲です。
制作と運用で施策を継続させる
CRMは一度のキャンペーンで完成しません。配信結果や反応を確認し、対象者、内容、タイミングを調整し続ける必要があります。フュージョンは、クリエイティブ制作に加えて、キャンペーン事務局やマーケティングツールの運用も支援します。
このため売上は、短期の制作案件だけでなく、顧客企業の業務に入り込む継続的な運用支援からも生まれます。ただし、会社はSaaSの利用料だけで成長するモデルではなく、人によるコンサルティングと運用が重要なプロジェクト型事業です。
POSデータとEC運営は顧客企業の日常業務を支える
フュージョンは「MDパートナー」でPOS・ID-POSデータの分析パッケージを提供しています。小売、卸、メーカーが同じデータを見ながら、品ぞろえや価格、売場を検討するための基盤です。
EC支援では、販売データの管理だけでなく、店長業務や問い合わせ窓口まで担います。CRMの提案会社が顧客企業の運営現場にも入ることで、分析と日々の業務が分断されにくくなります。
AIは顧客行動の予測を施策へつなぐ機能
マーケティングでのAI活用は、過去の結果を集計するだけでなく、次に反応しそうな顧客や離脱しそうな顧客を予測し、担当者の行動順を決める段階へ進んでいます。フュージョンの「CRM Forecaster」は、過去の顧客データから企業ごとの予測モデルを構築し、顧客ごとの反応や行動を予測するサービスです。
たとえば、DMに反応しやすい顧客を予測すれば、全員へ一律に送るのではなく、反応可能性の高い層へ対象を絞れます。離脱しそうな顧客を予測する場合は、コールセンターが優先的に連絡する対象を決めやすくなります。AIによって変わるのは分析画面ではなく、誰に、いつ、どの施策を行うかという日々のマーケティング業務です。
ここでのAIは、会社全体をAI企業へ言い換えるための飾りではありません。フュージョンが持つ顧客分析と施策運用の中へ、予測モデルを組み込むものです。モデル作成だけでなく、DMの企画・制作やCRM運用までつなげられるため、予測を実際の施策へ移しやすい点に事業上の意味があります。
CRMやマーケティング業務のデジタル化という位置付けは、DX関連株まとめでも確認できます。
事業から見えるテーマはCRM・DX・AI・EC
| テーマ | 接点となるサービス | 関わり方 |
| CRM・マーケティングDX | 戦略、データ分析、MA運用、制作 | 顧客データを施策の設計と実行へつなぐ |
| AI | CRM Forecaster | 顧客ごとの反応や行動を予測し、対象者選定を支援 |
| リテールDX | MDパートナー | POS・ID-POSデータを品ぞろえや販促へ活用 |
| EC | ECサイト運営支援 | 販売管理、店長業務、問い合わせ対応を支援 |
フュージョンの中心テーマはCRMとマーケティングDXです。AIはその中の予測機能、POSは小売現場のデータ活用、ECは販売チャネルの運営支援としてつながります。テーマごとに独立した会社ではなく、顧客との接点をデータで設計し、実際の施策まで動かす一つの事業として理解するのが自然です。
テーマの広がりはCRM支援の範囲を広げる
企業が顧客データを保有するだけでなく、営業・販促の実行へ使う流れが強まるなか、足元ではBtoBマーケティングやITサービスを含む支援領域が伸びています。これは、従来のBtoC向けCRMで培った分析・制作・運用の流れを、別の顧客層や業務へ広げている動きです。
一方、CRM Forecasterの機能と利用場面は確認できますが、AI単独の売上や成長率は開示されていません。足元で伸びているBtoB・IT支援と、AIサービスの成長を同一視するのは早計です。AI企業と一括りにせず、既存のCRM支援へ予測機能を加える位置付けで見る必要があります。
まとめ
1は、顧客データを分析し、CRM戦略、施策制作、システム運用、効果検証までつなぐマーケティング支援会社です。POSやECの運営支援も持つため、提案だけでなく顧客企業の日常業務へ入り込めます。
AIは顧客行動予測に使われていますが、事業の中心はCRMの伴走支援です。DX、AI、POS、ECという複数のテーマは、顧客を理解し、コミュニケーションを設計・実行する流れの中でつながっています。
関連記事
決算記事
足元の決算数値や事業別の変化は、決算分析の記事で確認できます。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
