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【ラクス(3923)】広告宣伝費の見直しで利益率改善、営業利益30.1%増!通期予想は据え置き

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株式会社ラクス(3923)は2026年8月14日に、2027年3月期第1四半期決算を発表しました。

売上高は前年同期比0.9%増の142億10百万円とほぼ横ばいだった一方、営業利益は30.1%増の47億56百万円となり、増益を確保しました。特に注目したいのは、売上高の伸びを大きく上回って営業利益が増加している点です。決算短信では、広告宣伝費の配分を見直したことなどにより利益率が改善したとしています。

また、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比313.6%増の146億31百万円となりました。ただし、これは本業の利益成長だけによるものではありません。ラクスパートナーズの株式譲渡に伴う関係会社株式売却益166億85百万円を特別利益として計上したことが大きく影響しています。

一方、2027年3月期の通期業績予想については修正されておらず、売上高597億円、営業利益205億円を据え置きました。今回の第1四半期決算では、利益率改善による営業増益がどこまで続くのかが重要なポイントになります。

この記事では、ラクスの2027年3月期第1四半期決算について、営業利益30.1%増となった理由、利益率が改善した背景、純利益が大幅に増加した要因、通期業績予想の進捗、今後の注目ポイントを決算短信に沿って解説します。

この記事で分かること
  • ラクスの2027年3月期第1四半期決算のポイント
  • 広告宣伝費の見直しなどで営業利益が30.1%増となった理由
  • 純利益313.6%増となった背景と一時的な利益の中身
  • 通期業績予想を据え置いた理由と進捗状況
  • 今後の決算で確認したい利益率とクラウド事業の成長
まずは事業内容を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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営業利益30.1%増!2027年3月期第1四半期決算を解説

ラクスの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比0.9%増とほぼ横ばいだった一方、営業利益は30.1%増となりました。

今回の決算で特に注目したいのは、売上高の伸びを大きく上回って営業利益が増加したことです。決算短信では、事業環境を勘案して広告宣伝費の配分を見直したことなどにより、営業利益率が改善したと説明しています。

業績概要

項目2027年3月期第1四半期前年同期比
売上高142億10百万円+0.9%
営業利益47億56百万円+30.1%
経常利益48億72百万円+33.2%
親会社株主に帰属する四半期純利益146億31百万円+313.6%

売上高は142億10百万円となり、前年同期比0.9%増でした。前年同期まで連結されていたIT人材事業が2026年4月の事業譲渡によって連結対象から外れた影響もあり、連結ベースでは売上高がほぼ横ばいとなっています。

一方、営業利益は47億56百万円となり、前年同期比30.1%増を達成しました。経常利益も48億72百万円と33.2%増加しており、売上高の伸びを上回る利益成長となっています。

つまり、今回の決算では売上高の大幅な増加によって利益が伸びたのではなく、利益率の改善によって営業利益が大きく増加したことが重要です。

広告宣伝費の見直しで営業利益率が改善

営業利益30.1%増の理由として、決算短信で明確に示されているのが広告宣伝費の配分見直しです。

ラクスは事業環境を踏まえて広告宣伝費の配分を見直したことで、営業利益率が改善しました。売上高がほぼ横ばいで推移するなかでも、費用の配分を見直して収益性を高めたことが、今回の営業増益につながっています。

また、主力サービスの楽楽精算や楽楽明細が堅調に推移したことも売上高を支えました。IT人材事業の連結除外による売上高への影響があるなかでも、クラウド関連の主力サービスが堅調だったことは今回の決算を見るうえで重要です。

したがって、今回の決算では、主力サービスが堅調に推移して売上高を維持する一方、広告宣伝費の配分を見直したことで営業利益率が改善し、営業利益30.1%増につながったことがポイントです。売上高の成長以上に利益が伸びていることから、今回の決算では売上規模だけではなく、収益性の改善に注目する必要があります。

純利益313.6%増は株式譲渡による一時利益が要因

営業利益以上に大きな伸びとなったのが、親会社株主に帰属する四半期純利益です。

四半期純利益は146億31百万円と前年同期比313.6%増となりました。ただし、この数字を本業の利益成長として評価するのは適切ではありません。

今回、ラクスは2026年4月1日に連結子会社だった株式会社ラクスパートナーズの全株式を譲渡しており、この株式譲渡に伴う関係会社株式売却益として166億85百万円の特別利益を計上しています。

そのため、今回の決算では、営業利益30.1%増は本業の収益性改善、純利益313.6%増は株式譲渡による一時的な利益の影響が大きいと分けて考える必要があります。

投資判断のうえでも、この違いは重要です。純利益だけを見ると非常に大きな増益に見えますが、今後も同規模の特別利益が発生するとは限りません。一方、営業利益は広告宣伝費の配分見直しなどによって30.1%増加しているため、今後も利益率の改善を維持できるかが、ラクスの業績を評価するうえでより重要なポイントになります。

今回の第1四半期決算をまとめると、売上高はほぼ横ばいながら、広告宣伝費の見直しなどによって営業利益率が改善し、営業利益は30.1%増加しました。一方、純利益はラクスパートナーズの株式譲渡による特別利益によって大幅に増加しています。

したがって、ラクスの今回の決算は、「純利益313.6%増」という一時的な要因よりも、「売上高0.9%増に対して営業利益30.1%増」という本業の収益性改善に注目すべき決算と評価できます。

営業利益30.1%増の理由は?広告宣伝費の見直しと収益性改善を分析

ラクスの第1四半期は、売上高が前年同期比0.9%増にとどまった一方で、営業利益は30.1%増加しました。売上高の成長率と利益の成長率に大きな差が生じたことが、今回の決算を読み解くポイントです。

その背景として決算短信が挙げているのが、広告宣伝費の配分見直しなどによる営業利益率の改善です。さらに損益計算書を見ると、売上高がわずかな増加にとどまるなか、売上原価と販売費及び一般管理費が前年同期を下回っており、収益性が改善しています。

売上高が横ばいでも売上総利益は増加

今回の損益計算書を前年同期と比較すると、売上高は140億81百万円から142億10百万円へ、1億29百万円の増加にとどまりました。

一方、売上原価は35億2百万円から26億19百万円へと減少しています。その結果、売上総利益は105億79百万円から115億90百万円へ10億11百万円増加しました。

この結果、売上総利益率は前年同期の約75.1%から約81.6%へ改善しています。

つまり、今回の増益は単純に売上高が増えたことだけでは説明できません。売上高がほぼ横ばいでも、売上原価を抑えたことで売上総利益が大きく増加したことが、営業利益の改善につながっています。

販売費及び一般管理費も減少

さらに、販売費及び一般管理費も前年同期の69億23百万円から68億34百万円へ89百万円減少しました。

決算短信では、この利益面の改善について、事業環境を勘案して広告宣伝費の配分を見直したことなどにより営業利益率が改善したと説明しています。

売上高を大きく伸ばすために広告宣伝費を積み増すのではなく、事業環境を見ながら広告宣伝費の配分を見直したことが、今回の利益率改善につながったと考えられます。

その結果、営業利益は前年同期の36億56百万円から47億56百万円へ11億円増加しました。営業利益率も約26.0%から約33.5%へ改善しています。

売上高0.9%増に対して営業利益30.1%増となった最大のポイントは、売上規模を大きく拡大することよりも、コストや広告宣伝費の配分を見直して収益性を高めたことにあります。

IT人材事業の譲渡で前年同期との比較には注意

もう一つ、今回の決算を読むうえで重要なのが、IT人材事業の連結除外です。

ラクスは2026年4月1日にラクスパートナーズの全株式を譲渡しており、これに伴ってIT人材事業が連結対象から外れました。会社は、クラウド事業とのシナジーが希薄化するなかで、営業利益率の改善に注力し、クラウド事業へ経営資源を集中する方針を示しています。

この影響によって、前年同期と現在では連結対象となる事業が異なっています。そのため、単純な売上高の前年同期比だけで業績の良し悪しを判断しないことが重要です。

また、2027年3月期第1四半期から報告セグメントも単一セグメントへ変更されています。ラクスパートナーズの株式譲渡によってIT人材事業がなくなったため、現在の経営実態をより適切に反映するための変更です。

今回の決算では、「売上高を大きく伸ばして利益を増やす」というより、「事業構造を整理し、費用配分を見直して利益率を改善する」方向に変化していることがポイントです。

今後は、この利益率改善が一時的なコスト抑制にとどまらず、継続的な収益性向上につながるのかを確認する必要があります。特に、次回以降の決算で営業利益率を維持できるかどうかが、今回の増益を評価するうえで重要なポイントになるでしょう。

通期業績予想は据え置き!今後の注目ポイントは?

ラクスの2027年3月期第1四半期決算では、営業利益が前年同期比30.1%増と好調なスタートを切りました。一方で、会社は通期業績予想を修正しておらず、期初計画を据え置いています。

今回の第1四半期では、売上高よりも営業利益の伸びが大きくなっているため、今後は今回改善した利益率を維持できるかが重要になります。

通期業績予想は変更なし

2027年3月期の通期業績予想は、以下のとおりです。

項目2027年3月期予想前期比
売上高597億円△1.0%
営業利益205億円+18.2%
経常利益205億円+17.5%
親会社株主に帰属する当期純利益252億円+89.6%
1株当たり当期純利益71.16円

会社は今回の第1四半期決算において、通期業績予想を期初計画から変更していません。売上高597億円、営業利益205億円、経常利益205億円、純利益252億円を見込んでいます。

第1四半期の営業利益は47億56百万円なので、通期予想205億円に対する進捗率は約23.2%です。第1四半期として大幅な増益を確保しているものの、会社側は現時点で通期予想を引き上げる判断には至っていません。

そのため、次回以降の決算では、営業利益率の改善が継続し、通期営業利益205億円の達成につながるかを確認する必要があります。

クラウド事業への集中で利益成長を目指す

今回の決算では、単純な前年同期比だけでなく、事業構造が変わったことにも注目する必要があります。

ラクスは2026年4月にIT人材事業を譲渡し、現在はクラウド事業への専業体制へ移行しています。中期経営計画では、クラウド事業に経営資源を集中することで、成長性と高収益を両立する「クオリティグロース」を目指しています。

2029年3月期を最終年度とする中期経営計画では、クラウド事業のオーガニック成長率を3年間でCAGR15%以上とするほか、2028年3月期以降の「Rule of 50」達成、ROE30%以上の維持、総還元性向20%以上と毎期増配の継続などを目標に掲げています。

今回の決算では売上高の伸びが0.9%にとどまりましたが、これはIT人材事業の譲渡によって連結範囲が変わった影響があります。会社はクラウド事業だけで見た場合、2027年3月期の売上高を前年同期比15.3%増、セグメント利益を27.9%増とする計画です。

したがって、今後は連結売上高だけを見るのではなく、クラウド事業の成長率と利益率がどこまで高まっていくのかを見ることが重要になります。

今後は利益率改善が続くかがポイント

今回のラクスは、売上高がほぼ横ばいだったにもかかわらず、営業利益が30.1%増加しました。その背景には、広告宣伝費の配分見直しなどによる営業利益率の改善があります。

したがって、次回以降の決算では、この利益率改善が一時的なものなのか、それとも継続的な収益性向上につながるのかが重要です。

特に、広告宣伝費を抑制することで利益率が改善したのであれば、今後の成長投資とのバランスにも注目する必要があります。利益率を維持しながらクラウド事業の売上高を伸ばせるかが、ラクスの中期的な成長を判断するポイントになるでしょう。

また、今回の純利益313.6%増には、ラクスパートナーズの株式譲渡による166億85百万円の特別利益が含まれています。これは一時的な利益であるため、今後の業績を見る際には営業利益を中心に評価する必要があります。

今回の決算を踏まえると、今後注目したいのは、「営業利益率の改善を維持しながら、クラウド事業の成長率を高められるか」という点です。第1四半期は利益面で好スタートとなりましたが、通期予想は据え置かれているため、次の決算で利益成長の持続性を確認したいところです。

まとめ

ラクス(3923)の2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比0.9%増とほぼ横ばいだった一方、営業利益は30.1%増となりました。売上高の伸びを大きく上回って営業利益が増加しており、今回の決算では収益性の改善が大きなポイントとなっています。

営業利益が増加した理由として、決算短信では広告宣伝費の配分を見直したことなどによって営業利益率が改善したと説明しています。主力サービスも堅調に推移しており、売上高を大きく伸ばさなくても利益を確保できる体質への変化が見られました。

一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比313.6%増となりました。ただし、これは本業の利益成長だけによるものではありません。ラクスパートナーズの株式譲渡に伴って166億85百万円の関係会社株式売却益を特別利益として計上したことが大きく影響しています。

そのため、今回の決算を評価する際には、純利益の急増よりも営業利益30.1%増という本業の収益性改善を重視したいところです。

2027年3月期の通期業績予想については、売上高597億円、営業利益205億円、経常利益205億円、純利益252億円で据え置きとなりました。クラウド事業については、2027年3月期の売上高を前年同期比15.3%増、セグメント利益を27.9%増とする計画を掲げています。

今後は、今回の決算で改善した営業利益率を維持できるかが重要です。IT人材事業を譲渡してクラウド事業への集中を進めるなか、クラウド事業の成長と利益率改善を両立できれば、中期経営計画で掲げる「Rule of 50」の達成にも近づきます。

今回のラクスの決算は、「売上高を大きく伸ばした増益」ではなく、「事業構造の変化と費用配分の見直しによって収益性を高めた増益」と見るのが適切です。次回以降は、営業利益率の改善が続くか、そしてクラウド事業の成長を伴った利益拡大につながるかを確認したいところです。

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双樹
双樹
保全士・制御系エンジニア
FIREを目指して株式投資に挑戦し、学びをブログで発信中。

学生時代に取得した機械保全技能検定と第二種電気工事士を活かし、リーマンショック期に保全職として就職。
アベノミクス期に装置メーカーへ転職し制御設計を経験。
コロナ禍では工場勤務に転職し機械や設備の保守・点検やシステム導入に携わっています。

資格
●機械保全技能検定(電気系保全作業)
●第二種電気工事士
●エネルギー管理士
●2級ボイラー技士
●乙種第4類危険物取扱者
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