【メガチップス(6875)】営業黒字転換!SiTime株売却で純利益334億円、自社株買いで株価急騰
メガチップス(6875)は2026年8月6日に、2027年3月期第1四半期決算を発表しました。
売上高は前年同期比56.4%増の101億5,300万円、営業利益は前年同期の3億8,900万円の赤字から4億4,800万円の黒字へ転換しました。さらに、SiTime Corporation株式の一部売却による投資有価証券売却益を計上したことで、親会社株主に帰属する四半期純利益は334億円となり、過去最高益を更新しています。
今回の決算で特に注目したいのは、本業の営業利益が黒字転換したことと、SiTime株式の売却によって純利益が大きく膨らんだことを分けて見る必要がある点です。決算短信によると、アミューズメント事業の需要増加に加え、ASIC事業の製品売上や受託開発売上(NRE売上)が堅調に推移し、営業利益の黒字化につながりました。一方、純利益についてはSiTime株式の一部売却による484億3,169万円の投資有価証券売却益が大きく寄与しています。
さらに、決算発表と同時に100万株・100億円を上限とする自社株買いと自己株式の消却を発表しました。これらの株主還元策も好感され、8月7日の株価は前日比1,080円高の11,100円となり、10.8%上昇しました。
この記事では、メガチップスの2027年3月期第1四半期決算について、売上高・営業利益・純利益の状況、SiTime株売却が利益に与えた影響、営業黒字転換の背景、そして決算後に株価が急騰した理由を詳しく解説します。
営業黒字転換!2027年3月期第1四半期決算を解説
メガチップスの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が大幅に増加し、営業利益と経常利益が黒字転換する好決算となりました。
さらに、SiTime株式の売却によって投資有価証券売却益を計上したため、親会社株主に帰属する四半期純利益は334億円まで拡大しています。
ただし、今回の純利益は本業による利益だけで達成したものではありません。営業利益と純利益を分けて確認することが、今回の決算を理解するうえで重要です。
業績概要
| 項目 | 2027年3月期第1四半期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 101億5,300万円 | 64億9,100万円 |
| 営業利益 | 4億4,800万円 | △3億8,900万円 |
| 経常利益 | 4億2,700万円 | △7億5,200万円 |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 334億円 | △5億8,000万円 |
売上高は前年同期比56.4%増の101億5,300万円となりました。前年同期は営業損失3億8,900万円でしたが、今回は4億4,800万円の営業利益を確保しています。また、経常利益も4億2,700万円となり、前年同期の赤字から黒字へ転換しました。
本業の収益を示す営業利益が黒字転換したことは、今回の決算における重要なポイントです。
一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は334億円と、営業利益を大きく上回っています。この差を生んだのが、SiTime Corporation株式の一部売却です。
売上高56.4%増、営業利益は黒字転換
今回の営業黒字転換について、決算短信では、アミューズメント事業の需要が前年同期に比べて増加したことに加え、ASIC事業の製品売上と受託開発売上(NRE売上)が堅調に推移したと説明しています。
その結果、売上高は64億9,100万円から101億5,300万円へ増加しました。
営業利益についても、前年同期の3億8,900万円の赤字から4億4,800万円の黒字へ転換しています。売上高の増加だけでなく、前年同期に赤字だった営業損益が黒字化したことは、今回の決算を評価するうえで重要でしょう。
また、決算短信では、投資有価証券売却益の計上に伴う租税公課610百万円を除いた調整後営業利益は10億5,800万円だったとしています。
そのため、表面上の営業利益4億4,800万円だけでなく、こうした一時的な税負担の影響を除いた利益水準も確認しておく必要があります。
SiTime株売却で純利益334億円
今回の決算で最も大きなインパクトを与えたのが、SiTime Corporation株式の一部売却です。
メガチップスは第1四半期にSiTime株式を一部売却し、投資有価証券売却益484億3,169万円を特別利益として計上しました。これによって税引前四半期純利益は488億5,900万円まで膨らみ、最終的に親会社株主に帰属する四半期純利益は334億円となりました。
ここで注意したいのは、純利益334億円を本業の利益と捉えないことです。
営業利益は4億4,800万円であるため、今回の最終利益はSiTime株式の売却益による影響が非常に大きくなっています。
一方で、営業利益そのものも黒字転換しているため、今回の決算は「SiTime株売却だけで利益が増えた」と見るのも正確ではありません。本業では営業黒字へ転換し、最終利益では株式売却益が加わったという二段構えで見る必要があります。
決算短信のポイントは「本業の黒字化」と「一時的な売却益」
今回の決算短信を整理すると、最も重要なのは営業利益と純利益の中身を分けて考えることです。
売上高は前年同期比56.4%増となり、アミューズメント事業の需要増加やASIC事業の製品売上・NRE売上の堅調推移を背景に、営業利益は黒字転換しました。
その一方で、純利益334億円については、SiTime株式の売却による484億円超の特別利益が大きく寄与しています。
したがって今回の決算は、「本業も黒字転換したうえで、SiTime株売却による巨額の特別利益が加わった決算」と整理するのが適切でしょう。
この点を押さえておくと、決算発表後に株価が大きく上昇した理由も理解しやすくなります。
株価急騰の理由は?SiTime株売却益と営業黒字転換、自社株買いを分析
メガチップスの株価は、2027年3月期第1四半期決算の発表を受けて大きく上昇しました。
今回の決算では、売上高が前年同期比56.4%増となり、営業利益も赤字から黒字へ転換しました。さらに、SiTime Corporation株式の一部売却によって484億円超の投資有価証券売却益を計上し、純利益が334億円まで膨らんだことが大きな注目材料となっています。
加えて、決算発表後には自社株買い・自己株式消却も発表されており、株主還元の強化に対する期待も株価を押し上げる材料になりました。
ここでは、今回の決算で市場が注目したポイントを、本業の改善、SiTime株売却、自社株買いの3つに分けて見ていきます。
売上高56%増と営業黒字転換が評価された
今回の株価上昇を考えるうえで、まず確認したいのが本業の業績です。
メガチップスの第1四半期売上高は101億5,300万円となり、前年同期の64億9,100万円から56.4%増加しました。営業利益も前年同期の3億8,900万円の赤字から、4億4,800万円の黒字へ転換しています。
決算短信では、アミューズメント事業の需要が前年同期より増加したことに加え、ASIC事業の製品売上と受託開発売上(NRE売上)が堅調に推移したと説明しています。
つまり、今回の好決算はSiTime株式の売却益だけで作られたものではありません。本業でも売上高が大きく伸び、営業利益が黒字化したことがポイントです。
特に前年同期は営業赤字だったため、営業利益が黒字へ転換したことは、今後の業績を考えるうえでも重要な変化といえるでしょう。
純利益334億円を押し上げたSiTime株売却益
一方で、今回の純利益については注意が必要です。
親会社株主に帰属する四半期純利益は334億円となりましたが、その大部分を支えたのがSiTime Corporation株式の一部売却です。
第1四半期には投資有価証券売却益として484億3,169万円を計上しました。これにより、税引前四半期純利益は488億5,900万円まで増加し、最終的な四半期純利益は333億9,500万円となっています。
したがって、今回の決算を「純利益334億円の大幅増益」とだけ捉えるのは適切ではありません。
本業では営業黒字転換、最終利益ではSiTime株式売却による一時的な利益が大きく寄与したという構造です。
この点は、今後の業績を判断するうえでも非常に重要です。SiTime株の売却益は毎四半期発生する性質の利益ではないため、次回以降の決算では営業利益など本業の収益力をより重視する必要があります。
自社株買い・自己株式消却も株価を押し上げる材料に
今回の株価急騰では、決算内容だけでなく、株主還元策も重要な材料になりました。
メガチップスは決算発表に合わせて自社株買いを発表しており、取得した自己株式の消却も行う方針を示しています。
また、決算短信では第1四半期に自己株式の取得を実施したことが確認できます。自己株式の取得による支出は93億円に達しており、株主還元を進めていることが分かります。
さらに、会社はSiTime株式の縮減を進め、売却によって得られた資金を事業の成長投資や株主還元などに活用する方針を示しています。
そのため市場では、今回のSiTime株売却が単なる一時的な利益計上だけではなく、今後の成長投資や株主還元につながる可能性も意識されたと考えられます。
今回の株価急騰は、営業黒字転換、SiTime株売却による巨額の利益計上、そして株主還元策という複数の材料が重なった結果と考えられます。
特に重要なのは、「純利益334億円」という数字だけを見るのではなく、本業の営業黒字化とSiTime株売却益を分けて評価することです。これが、今回の決算を正しく読み解くポイントになります。
今後の注目ポイントは?通期業績予想・配当・SiTime株縮減を分析
メガチップスの2027年3月期第1四半期決算では、営業利益が黒字転換し、純利益はSiTime株式の売却益によって334億円まで拡大しました。
一方で、会社は今回の決算発表で通期業績予想を据え置いています。第1四半期だけを見ると純利益はすでに通期予想を上回っていますが、その大部分はSiTime株式の売却による特別利益です。そのため、今後は純利益よりも営業利益など本業の収益力がどこまで伸びるかを確認することが重要になります。
通期業績予想は据え置き
メガチップスは2027年3月期の通期業績予想について、2026年5月20日に公表した予想から変更していません。
| 項目 | 2027年3月期通期予想 |
|---|---|
| 売上高 | 420億円 |
| 営業利益 | 25億円 |
| 経常利益 | 20億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 330億円 |
| 1株当たり当期純利益 | 2,205.74円 |
第1四半期の売上高は101億5,300万円なので、通期予想420億円に対する進捗率は約24%です。営業利益は4億4,800万円で、通期予想25億円に対して約18%となっています。
一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は334億円に達しており、第1四半期だけで通期予想330億円を上回りました。ただし、これはSiTime株式の売却益484億円が大きく寄与した結果です。
そのため、「純利益の進捗率が100%を超えたから通期予想を大幅に上回る」と判断するのは早計でしょう。今後の決算では、営業利益が通期予想25億円に向けて着実に積み上がるかが重要になります。
本業の営業利益が今後どこまで伸びるかに注目
今回の決算で最も確認しておきたいのが、営業利益の改善が一時的なものではなく、今後も続くかという点です。
第1四半期の営業利益は4億4,800万円でした。前年同期は3億8,900万円の営業損失だったため、黒字転換そのものは明確な改善材料です。決算短信では、アミューズメント事業の需要増加や、ASIC事業の製品売上・NRE売上が堅調に推移したことが業績に寄与したと説明しています。
さらに、投資有価証券売却益の計上に伴う租税公課610百万円を除いた調整後営業利益は10億5,800万円でした。
したがって、次回以降の決算では、今回の営業黒字転換を起点として利益水準をさらに高められるかがポイントになります。純利益にはSiTime株売却の影響が含まれるため、本業の成長を判断するには営業利益の推移を確認することが重要です。
配当予想は年間260円を維持
株主還元については、2027年3月期の年間配当予想を1株当たり260円としており、今回の第1四半期決算で変更はありません。
2026年3月期の年間配当は250円だったため、会社予想どおりであれば10円の増配となります。なお、メガチップスは期末日を基準日として年1回の配当を実施する方針です。
今回の決算では純利益が大きく膨らんでいるものの、配当予想は据え置かれています。そのため、今後はSiTime株式の売却によって得られた資金が、成長投資や株主還元にどのように活用されるのかも確認したいところです。
SiTime株式の縮減と資金の活用が今後のポイント
今回の決算では、SiTime株式の売却によって多額の資金が生まれました。
会社は、今後もSiTime社株式の縮減を進め、得られる資金を事業の成長投資や株主還元などに活用する方針を示しています。経営資源を適切に配分することで、事業構造改革を進め、中長期的な持続的成長を目指す考えです。
実際、第1四半期末の現金及び預金は447億4,200万円となり、前期末から約294億円増加しました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは474億円の収入となっており、その主な要因は投資有価証券の売却による493億6,500万円の収入です。
つまり、今回のSiTime株売却は純利益を押し上げただけでなく、会社の手元資金を大きく増加させた点にも意味があります。
今後は、この資金をどのように成長投資や株主還元へ振り向けるのかが、メガチップスの企業価値を考えるうえで重要なポイントになるでしょう。
次回決算では営業利益の積み上がりを確認したい
今回の決算では、純利益334億円という非常に大きな数字が目を引きました。しかし、その中心はSiTime株式の売却益であり、継続的な本業利益とは分けて考える必要があります。
一方で、売上高は前年同期比56.4%増となり、営業利益も黒字転換しました。ここは今回の決算における継続的な業績改善を判断するための重要な材料です。
今後は、アミューズメント事業の需要やASIC事業の製品売上・NRE売上が引き続き堅調に推移するかを確認するとともに、通期営業利益25億円をどこまで達成できるかに注目したいところです。
また、SiTime株式の縮減によって得られた資金が、成長投資や株主還元にどのようにつながるのかも重要になります。「一時的な売却益による利益」から「本業の利益成長」へ移行できるかが、今後のメガチップスを評価するうえで大きな焦点となるでしょう。
まとめ
メガチップスの2027年3月期第1四半期決算は、売上高56.4%増、営業利益は赤字から黒字へ転換するなど、本業の業績改善が確認できる決算となりました。アミューズメント事業の需要増加に加え、ASIC事業の製品売上や受託開発売上(NRE売上)が堅調に推移したことが、売上高と営業利益の伸びにつながっています。
一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は334億円と非常に大きな水準になりました。ただし、その主な要因はSiTime Corporation株式の一部売却による484億3,169万円の投資有価証券売却益です。そのため、純利益334億円をそのまま本業の利益成長と捉えるのではなく、営業利益の黒字転換とSiTime株売却による一時的な利益を分けて考える必要があります。
また、会社は2027年3月期の通期業績予想を変更しておらず、売上高420億円、営業利益25億円、親会社株主に帰属する当期純利益330億円を予想しています。年間配当予想についても260円を維持しています。
今回の決算では、さらにSiTime株式の縮減によって得られる資金を成長投資や株主還元などに活用する方針も示されています。第1四半期末の現金及び預金は約447億円まで増加しており、今後この資金をどのように活用するのかも注目されます。
決算発表後は株価も大きく上昇しており、営業黒字転換、SiTime株売却による巨額の利益、自社株買いなど複数の材料が重なったことが投資家から評価されたと考えられます。
ただし、今後の株価を考えるうえでは、今回の純利益334億円よりも本業の営業利益が継続的に伸びるかどうかが重要です。次回以降の決算では、売上高の成長が続くのか、営業利益25億円の通期予想をどこまで達成できるのか、そしてSiTime株売却によって得た資金が成長投資や株主還元にどう活用されるのかを確認したいところです。
今回のメガチップスの決算は、「本業が黒字転換したうえで、SiTime株売却による巨額の特別利益が加わった」と整理すると分かりやすいでしょう。純利益の大きさだけに注目するのではなく、今後は営業利益の成長と資本政策の進展を追うことが重要になりそうです。
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本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
