【検証】決算前考察は正しかったのか?|スミダコーポレーション(6817)通期決算が示した“体質変化”の答え合わせ
以前公開した
「決算前考察【スミダコーポレーション(6817)】をなぜ今仕込もうと思ったのか」
この記事では、3Q時点の決算内容から
- 営業利益率の改善
- 製造間接費削減
- 欧州の構造改革
- 車載需要低迷の中でも利益を出せる体質
- 配当53円という下値耐性
これらを根拠に、「通期決算で体質改善が数字として現れる可能性が高い」という仮説を立てていました。
では実際に発表された通期決算はどうだったのか。
この記事では、当時の考察と実際の決算結果を照合し、どこが正しかったのか・どこに修正が必要かを検証します。
通期決算の結果(事実)
スミダコーポレーション株式会社 が発表した2025年12月期通期決算は以下の通りです。
- 売上収益:1,471億円(前年比 +2.2%)
- 営業利益:74億円(前年比 +64.8%)
- 税引前利益:48億円(前年比 +272%)
- 最終利益:36億円(前年比 約6倍)
- EPS:109円(前年17円)
まず結論から言うと、
決算は想定以上に強い内容で着地
しました。
これは単なる増益ではなく、会社の利益構造が明確に変化したことを示す決算です。
検証①:3Q時点で見えた「体質改善」は本物だったか?
前回の記事で最も重視していたのがここです。
車載売上が低迷しているにも関わらず、営業利益率が改善している
これは偶然ではなく、
- 欧州の構造改革
- 中国工場の間接費削減
- 生産体制の最適化
による固定費の圧縮効果だと考察していました。
通期決算では営業利益が+64.8%。
これは、まさに3Qで見えた体質改善が一過性ではなく通期で証明された形です。
前回考察はここで完全に実証されたと言えます。
検証②:車載需要低迷でも利益を出せる会社になっているか?
決算資料にははっきりとこう書かれています。
中国・北米で車載需要は低迷
それでも営業利益は大幅増益。
つまりこれは
「車載が戻らないと利益が出ない会社」から「車載が弱くても利益が出る会社」へ変化した
ということを意味します。
これも前回記事の仮説と一致します。
読みは方向性として正しかった
検証③:買収効果・新体制は利益に寄与しているか?
前回の記事では、
- Schmidbauer買収
- 地産地消体制
- 生産拠点の最適化
が今後効いてくると考察していました。
今回の決算を見ると、
利益改善の主因は「体質改善」
であり、買収効果はまだ本格寄与前です。
つまりこれは、
利益はすでに改善しており、買収・生産再編はこれから上乗せされる段階
にあるということ。
買収は「期待」ではなく「これから数字に乗る材料」
検証④:予想とズレたポイント
唯一、前回考察より慎重に見るべき点があります。
会社の来期予想です。
- EPS:110円(ほぼ横ばい)
決算内容からすると保守的に見えますが、これは
- 車載需要の回復を織り込んでいない
- 外部環境を慎重に見ている
という会社側の姿勢。
つまり
利益は出せる体質になったが、成長シナリオは外部環境待ち
という段階にあります。
ここは当時の「勢いが出る可能性」という見立てより、やや慎重に評価する必要があります。
総括:前回考察はどこまで当たっていたか
| 項目 | 前回考察 | 実際の決算 |
|---|---|---|
| 利益体質改善 | ✔ | ✔ 完全に実証 |
| 車載低迷でも増益 | ✔ | ✔ 実証 |
| 買収・体制再編の効果 | ✔ 期待 | ◇ これから寄与 |
| 決算イベント性 | ✔ | ✔ 予想以上 |
| 来期の勢い | 強め想定 | やや慎重予想 |
結論
前回の記事の主軸だった
「体質改善が通期決算で数字に出る」
という読みは、ほぼその通りの形で証明されました。
特に重要なのは、
スミダは“業績回復企業”ではなく“利益が出る会社に変わった企業”
になっている点です。
これはチャートやテーマでは見えない、決算を読んだ人だけが気付ける変化です。
そして今回の決算は、その答え合わせでした。
今後見るべきポイント
今後の焦点は明確です。
- 車載需要が戻ったとき、利益はどうなるか
- 買収・新工場・生産再編がどのタイミングで数字に乗るか
- 市場がこの体質変化に気付くのはいつか
今回の決算はゴールではなく、
「構造変化のスタート地点」
だと考えています。
この視点を持って、引き続き追っていきます。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
