なぜ【杉村倉庫(9307)】は上がらないのか?決算とチャートが示す“機関の吸収フェーズ”を解説
2026年1月29日、杉村倉庫が第3四半期決算を発表しました。
数字だけ見れば、決して悪い内容ではありません。
むしろ、堅実に利益を伸ばし、財務もさらに強化されています。
それにもかかわらず、株価は急騰しませんでした。
「決算が評価されなかった銘柄」なのでしょうか?
チャートと決算を照らし合わせると、まったく逆の答えが見えてきます。
なお、この銘柄に見られる週足のシグナルは、今週他の銘柄にも共通して現れていました。
同様に「評価フェーズ転換」が起きていた銘柄を、週テクニカルまとめで整理しています。
評価されない決算と吸収フェーズの関係は、こちらの事例集もあわせてご覧ください。
チャートが示している違和感

- 一目均衡表の雲の上で横ばい
- 出来高は細っているのに価格は崩れない
- テクニカル上は何度も“売りサイン”が出るのに下がらない
これは、個人投資家主導の値動きでは見られない形です。
「上げない」「崩さない」「横で吸う」典型的な吸収フェーズの値動きに見えます。
決算の中身を確認すると評価は一変する
決算短信の数字を確認します。
3Q累計(前年同期比)
- 営業収益:+0.6%
- 営業利益:+4.6%
- 経常利益:+6.7%
- 純利益:+7.0%
売上は横ばいにもかかわらず、利益は着実に伸びています。
これは値上げや業務効率化が進み、利益体質が強化されている企業の特徴です。
さらに注目すべきは財務です。
- 自己資本比率:77.3%
- 借入金減少
- 現金増加
- 純資産増加
倉庫・不動産を大量に保有する企業でこの水準は、極めて健全と言えます。
セグメント構造も非常に強い
- 物流事業:増益
- 不動産事業:高収益維持
- その他事業:増益
特に不動産収益は安定的で、利益の質が高い構造になっています。
そして決算短信に書かれている“重要な一文”
「大阪港営業所内倉庫増築の具体的検討」
「本店近辺土地の有効活用を検討」
これらはまだ業績予想に織り込まれていない将来材料です。
なぜ急騰しなかったのか?
今回の決算には、個人投資家が飛びつく要素がありません。
- 上方修正なし
- サプライズなし
- 派手さなし
つまり、個人が「買う理由」にならない決算だったのです。
しかし、評価する側から見るとどうか
機関投資家の視点では評価ポイントが揃っています。
- 安定した利益成長
- 極めて健全な財務
- 高収益な不動産収益
- 将来の資産活用余地
これは「急騰材料」ではなく、「買い集め材料」です。
チャートと決算が一致する
出来高が細っているのに価格が崩れない理由。
それは、この決算内容と完全に整合します。
評価されなかったのではなく、評価する側が静かに集めている時間に見えます。
まとめ
杉村倉庫は、「決算が悪くて上がらない銘柄」ではありません。
むしろ、決算が良すぎて、静かに集められている銘柄
その可能性がチャートと決算の両面から読み取れます。
今はまだ動かない。
しかし、このような吸収フェーズの後に値動きが変わるケースは少なくありません。
「決算が良いのに上がらない銘柄」をどう判断するか。
そのヒントが、この銘柄には詰まっています。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
