決算分析【サイボー(3123)】営業利益+70%の本当の理由は4ページ目にあった|不採算撤退・不動産安定収益・インテリア急成長・自己株取得
サイボーの決算は「1ページ目」だけでは評価できない
今回のサイボーの決算は、営業利益+70.8%、純利益+71.3%という非常にインパクトのある数字が並びました。
多くの個人投資家はこの1ページ目を見て、「すごい決算だ」と判断したのではないでしょうか。
実際、決算後の株価は出来高を伴って上昇し、高値圏を維持しています。
しかし、この決算で本当に重要なのは1ページ目ではありません。
評価すべきポイントは4ページ目以降に集中していました。
不採算事業からの撤退で、繊維事業の赤字がほぼ解消
繊維事業は売上が前年同期比▲13.2%と減収です。
しかし営業損失は▲304百万円 → ▲20百万円まで大幅改善。
これは売上が減ったからではなく、不採算だった刺繍レース事業(フロリア)の撤退によるものです。
つまりサイボーは
売上を追う経営から、利益を取りに行く経営へ
明確に舵を切っています。
来期、このセグメントが黒字化する可能性は非常に高いと考えられます。
実は営業利益の大半を生み出している「不動産活用事業」
不動産活用事業の営業利益は7.7億円。
会社全体の営業利益8.9億円のほとんどを不動産が生み出している構造です。
イオンモール川口前川、イオンモール川口、病院施設など、安定した賃貸収入は継続。
これは景気に左右されにくい、非常に強い利益の土台です。
サイボーは実質、
不動産収益を持つキャッシュ創出企業
という側面が極めて強い会社になっています。
「その他」から主力へ昇格したインテリア施工事業
今回もっとも重要なのがここです。
インテリア施工事業は
- 売上 +145%
- 営業利益 +679%
さらに
「量的な重要性が増したため、報告セグメントへ変更」
と明記されています。
これは会社側が
この事業はもう“その他”ではなく、主力事業だ
と宣言したのと同じ意味を持ちます。
来期の利益ドライバーは、このインテリア施工になる可能性が高いです。
自己株式取得という資本政策
ToSTNeT-3で200,000株(発行済みの1.55%)の自己株取得を発表。
不動産で安定キャッシュを生む会社が行う自社株買いは、財務的な無理がなく、資本効率を強く意識した動きです。
これは機関投資家が非常に好むIRでもあります。
なぜ株価は高値圏で推移しているのか
今回の株価上昇は、1ページ目のインパクトで個人投資家が評価した動きと考えられます。
しかし、4ページ目以降を読むと見えてくるのは
- 不採算撤退
- 利益の土台は不動産
- 主力に成長するインテリア
- 資本効率を意識した自社株買い
という会社の利益構造そのものの変化です。
もし市場がここまで織り込んでいれば、株価はこの水準で横ばいにはならないはずです。
この決算で本当に見るべきポイント
サイボーの決算は「数字が良い決算」ではありません。
会社の体質が変わった決算
です。
そしてそれは、決算短信の4ページ目以降にすべて書かれていました。
機関投資家が「将来」を買うと言われる理由が、まさにここにあります。
1ページ目で結果を見て、4ページ目以降で将来の利益構造を見る。
この視点があるかどうかで、銘柄の評価は大きく変わります。
サイボーはその典型例と言える決算でした。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
