10月6日の日経平均株価が急上昇｜政局安定と円安進行でAI・輸出株が買われる

2025年10月6日、日経平均株価は前週末比で大幅上昇し、48,000円台を回復しました。

政局の安定化や円安の進行、そしてAI関連株への資金流入が重なり、東京市場全体に買いが広がった1日となりました。

本記事では、この日の株価上昇の背景やセクター別の動き、今後の投資戦略についてわかりやすく解説します。

10月6日の日経平均株価の動き

終値と上昇率の概要

2025年10月6日（月）の東京株式市場で、日経平均株価は前週末比で大幅に上昇しました。

終値はおよそ48,000円台に乗せ、上昇幅は約5％前後と今年最大の上げ幅を記録しました。

この上昇は、政局の変化に伴う政策期待の高まりや円安の進行を背景に、幅広い銘柄へ買いが広がったことが要因とみられます。

特に大型株や景気敏感株を中心に上昇が目立ち、投資家のリスク選好姿勢が回復。取引時間中には一時的に48,000円台後半まで上昇する場面もあり、市場全体が活気を取り戻しました。

市場の反応と投資家心理

市場関係者の間では、「政局安定と財政拡大への期待が株価を押し上げた」という声が多く聞かれました。

新たな政策の方向性が明確になったことで、投資家の間に“安心感”が広がり、買い戻しが一気に加速した格好です。

また、為替市場では円が対ドルで1.9％程度下落し、円安基調が強まったことも輸出関連株の追い風に。トヨタ、ソニーグループ、キーエンスなど輸出比率の高い企業が上昇をけん引しました。

海外投資家からの買いも流入し、東証プライム市場の売買代金は5兆円を超える高水準。市場では「久々に活気を取り戻した1日」との見方が強まっています。

こうしたコメントからも、一時的な上昇熱と冷静な調整観測が同時に存在していることがうかがえます。

上昇の背景にある主な要因

2025年10月6日の日経平均株価の急上昇には、いくつかの明確な要因が重なりました。

市場心理の改善と政策期待、そして外部要因の追い風が同時に作用したことで、幅広い銘柄に買いが入りました。

政局の変化と政策期待が追い風に

今回の上昇を最も強く後押ししたのが、国内政局の動きです。

自民党総裁選を経て、財政拡大に前向きな高市早苗氏が新総裁に就任したことで、市場では「経済対策の強化」「公共投資の拡大」などへの期待が一気に高まりました。

この流れを受けて、防衛・インフラ・建設関連株が軒並み上昇。

三菱重工業、川崎重工業、清水建設など政策関連銘柄が買われ、「政策相場」の様相を呈しています。

円安進行と輸出関連株の上昇

為替市場では、円が対ドルで一時150円台後半まで下落。

この円安が、輸出企業の収益改善期待を押し上げました。

自動車・電機・半導体といった輸出比率の高い企業が上昇の中心となり、トヨタ、ソニー、TDK、東京エレクトロンなどが買われました。

特に半導体関連では、アメリカ市場のハイテク株高も追い風に。

金融政策の方向性と金利動向

日銀が当面、金融緩和を継続するとの見方を示したことも、株価上昇を支えました。

米国の金利動向が一服したことにより、長期金利の上昇懸念がやや和らぎ、投資家がリスク資産へ資金を戻す動きが見られました。

特に、金利上昇局面で売られやすいグロース株（成長株）にも買いが入り、キーエンスやレーザーテック、ソフトバンクグループなどが大きく上昇しました。

米国市場の堅調さと外部要因

週末の米国市場では、主要指数がそろって上昇し、特にナスダックが好調でした。

AI関連銘柄を中心に米株がリスクオンに戻ったことで、日本市場にもその流れが波及しました。

海外投資家の日本株買いも活発化し、東京市場の売買代金は5兆円超。

グローバル資金の「日本株回帰」が鮮明となった1日でした。

セクター別の動きと注目銘柄

10月6日の東京市場では、ほぼ全面高の展開となりました。

その中でも特に買いが集中したのは、「政策関連」「輸出関連」「ハイテク関連」の3つの分野です。

一方で、内需やディフェンシブ株の上昇はやや限定的でした。

防衛・インフラ関連株の買いが目立つ

政局の変化と財政拡大期待を背景に、防衛・建設・インフラ関連株が大幅上昇しました。

特に「防衛力強化」「エネルギー安全保障」「インフラ整備」が政策の柱になるとの見方が広がったことが買い材料となりました。

これらの銘柄は、「政策テーマ株」として短期的な物色が強まりやすく、出来高も急増しました。

自動車・半導体など輸出株が堅調

為替相場で円安が進行したことを受け、輸出関連株が全面的に上昇しました。

とくに自動車、電子部品、半導体製造装置メーカーが買われました。

半導体関連は、米国市場のAI関連株上昇も追い風となり、外資系ファンドの買い戻しが入った模様です。

内需株・小売関連はやや限定的な上昇

一方で、小売・外食・不動産などの内需系銘柄は相対的に上昇幅が限定的でした。

円安による輸入コスト上昇懸念や、消費動向の鈍化が引き続き重しとなっています。

ただし、公共投資や再開発関連の思惑が強まれば、内需セクターも後追い上昇する可能性があります。

金融・ハイテク・サービス関連も幅広く上昇

加えて、銀行株・通信株・AI関連なども買いが入りました。

特にソフトバンクグループ（9984）は、米ハイテク株高とAI関連事業の成長期待で急伸。

楽天グループ（4755）やNTT（9432）など通信株も堅調でした。

セクター別の上昇率まとめ（イメージ）

投資家が注目すべき今後のポイント

10月6日の急上昇で日経平均は節目の48,000円台を突破しましたが、今後の相場を占ううえで注目すべきポイントは、「政策実行力・為替動向・海外市場の流れ」の3つです。

短期的な利益確定売りに備えつつ、中長期トレンドを見極めることが重要となります。

政策実行力と財政運営への注目

高市新政権のもとで打ち出される経済対策が、実際にどの規模・スピードで進むかが最大の焦点です。

市場はすでに「大型補正予算」「公共投資拡大」「防衛費増強」などを織り込みつつありますが、実行が遅れれば、失望売りにつながるリスクもあります。

とくに今後発表が見込まれる「経済対策パッケージ」や「補正予算案」は、相場の分岐点となる可能性があります。

為替と金利の動向がカギ

今回の株価上昇を支えた円安が、どこまで続くかが次の焦点です。

為替が急激に動くと、輸出企業にとっては追い風でも、輸入コスト上昇を通じて物価や消費に悪影響を与えます。

さらに、米国の金利動向が円相場を左右するため、米連邦準備制度理事会（FRB）の政策スタンスにも注目が必要です。

もし円安トレンドが反転すれば、輸出株から内需株への資金シフトが起こる可能性もあります。

決算シーズン・企業業績の動向

10月下旬から本格化する企業決算シーズンも、今後の相場を左右する重要イベントです。

円安効果で業績上振れが見込まれる一方、原材料高や海外需要の減速が懸念される企業もあります。

とくに注目されるのは、以下のセクターです。

業績発表をきっかけに「好決算銘柄」への資金集中が起きる可能性もあり、個別株選別の重要性が増しています。

海外情勢とリスク要因

海外では、米中関係や中東情勢などの地政学的リスクも相場の変動要因です。

特にエネルギー価格の上昇や、米国大統領選を控えた政治リスクには注意が必要です。

これらが同時に進行すると、世界的にリスクオフの流れが強まり、日本株にも影響が及びます。

投資家が取るべき姿勢

特に、インフラ・防衛・AI・再生エネルギーなど「中期テーマ株」は、押し目を狙う戦略が有効と考えられます。

セクター別の動きと注目銘柄

半導体関連が相場をけん引

10月6日の東京市場では、半導体関連株が相場全体をけん引しました。

米国フィラデルフィア半導体指数（SOX）の上昇や、AI需要の再加速観測を背景に、東京エレクトロン（8035）、アドバンテスト（6857）、SCREENホールディングス（7735）などがそろって上昇しました。

特にアドバンテストは前日比＋8％近い上げを記録し、ハイテク株への資金流入が鮮明となりました。

投資家の間では、「AIインフラ向け半導体需要が再び拡大する」との見方が強まっており、AI関連銘柄が買い戻しの中心となった格好です。

自動車・輸出関連も円安で買い優勢

為替が1ドル＝153円台後半まで円安に進んだことで、輸出関連銘柄も軒並み高となりました。

トヨタ自動車（7203）、ホンダ（7267）、日産自動車（7201）などが堅調に推移。特にトヨタは時価総額で東証首位を維持しつつ、上昇トレンドを継続しています。

加えて、部品メーカーのデンソー（6902）やアイシン（7259）なども買いが入り、自動車セクター全体が強い動きを見せました。

銀行・保険など金融株も上昇

金利上昇を織り込む動きから、銀行・保険などの金融株にも買いが広がりました。

三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）、三井住友FG（8316）、東京海上HD（8766）などが堅調。

特に三菱UFJは米金利の上昇を背景に外国人投資家の買いが入り、出来高を伴って上昇しました。

内需株はやや出遅れ

一方で、食品や小売などの内需ディフェンシブ銘柄はやや出遅れ気味でした。

円安によるコスト高懸念が重荷となり、セブン＆アイHD（3382）や味の素（2802）などは小幅な動きにとどまりました。

ただし、政権の経済対策で消費支援策が打ち出される可能性もあり、今後の政策次第では内需株にも見直し買いが入る余地があります。

今後の見通しと投資戦略

短期的には「過熱感」への注意が必要

10月6日の日経平均株価は急反発し48,000円台を回復しましたが、短期的な過熱感も意識され始めています。

テクニカル的には、RSI（相対力指数）が70を超えつつあり、利益確定売りが出やすい水準です。

また、出来高が急増している点も「短期資金による買い上げ」の可能性を示しており、翌日以降は一時的な調整が入る場面も想定されます。

ただし、今回の上昇は一過性の投機ではなく、政策期待と円安トレンドという実需に基づいた上昇の側面が強く、中長期では強気相場の基盤を形成しつつあるともいえます。

中期的な注目ポイント

1. 政権の経済対策の具体化
   景気刺激策や減税、インフラ投資など、財政拡大の方向性が明確になれば、内需株にも資金が流入する可能性があります。
2. 円安の持続性
   円安が続けば輸出関連企業の業績は底堅く推移する一方、原材料価格の上昇が内需に影響するリスクも。為替動向には引き続き注目です。
3. 米国経済・金利動向
   米国の長期金利が上昇すれば、世界的なリスク選好にブレーキがかかる恐れもあります。
   米雇用統計やFOMC声明など、今後の米金融政策が重要な鍵となります

投資戦略のヒント

• 短期トレード派
  急上昇したハイテク・半導体株は一服の可能性あり。押し目狙いが有効です。テクニカル調整後の再エントリーを検討。
• 中長期投資派
  円安メリットを享受できる自動車・機械・部品セクターや、生成AI関連の半導体メーカーに注目。業績が裏付けられた銘柄を中心に分散投資が有効です。
• リスク管理
  急激な為替変動や海外リスク（米国株の調整、中国経済の不安定化）に備え、ポートフォリオの一部をディフェンシブ株や現金ポジションで保つのが安全です。

まとめ：上昇基調を維持しつつも冷静な視点を

今回の上昇は、「政局の安定」「円安」「AI・半導体需要の再評価」といった複数の好材料が重なった結果です。
中長期的には日本株全体の地合いが改善しつつあるものの、短期的な調整局面では冷静に押し目を拾う姿勢が重要です

投資家心理は回復しつつあり、日経平均が48,000円台を安定的に維持できれば、年末にかけて50,000円突破の期待も現実味を帯びてきます。

まとめ

10月6日の日経平均株価は、政局安定・円安・AI関連株高という三拍子そろった相場となりました。特に半導体や輸出関連、金融株が上昇を主導し、久々に市場全体が活気を取り戻しています。

ただし、短期的には利益確定売りによる調整も想定されるため、過熱感に注意しながら押し目を狙う戦略が有効です。

中長期的には、政策期待と世界的なAI需要を背景に、日本株の上昇トレンドが続く可能性が高いと見られます。

双樹

保全士・制御系エンジニア

FIREを目指して株式投資に挑戦し、学びをブログで発信中。

学生時代に取得した機械保全技能検定と第二種電気工事士を活かし、リーマンショック期に保全職として就職。
アベノミクス期に装置メーカーへ転職し制御設計を経験。
コロナ禍では工場勤務に転職し機械や設備の保守・点検やシステム導入に携わっています。

資格
●機械保全技能検定（電気系保全作業）
●第二種電気工事士
●エネルギー管理士
●2級ボイラー技士
●乙種第4類危険物取扱者