【フリー(4478)】解約率低減で顧客基盤が拡大、営業利益78.6%増!来期は利益倍増へ
フリー株式会社(4478)は2026年8月13日に2026年6月期通期決算を発表しました。
2026年6月期は、売上高が前期比27.6%増、営業利益が同78.6%増となり、大幅な増収増益を達成しました。特に注目したいのが、顧客基盤の拡大と解約率の低減によって継続的な収益を示すARRが伸び、利益成長につながった点です。
さらに2027年6月期は、調整後営業利益が前期比115.9%増となる57億5,000万円を計画しています。売上高の成長だけでなく、収益性の改善によって利益を大きく伸ばす計画を示していることが、今回の決算における重要なポイントです。
一方で、2026年6月期は営業利益や経常利益が大幅に増加した一方、当期純利益は減少しています。そのため、今回の決算を評価する際には、最終利益だけを見るのではなく、本業の利益がどのように改善したのか、顧客基盤やARRがどのように変化したのかを確認することが重要です。
この記事では、フリー株式会社の2026年6月期通期決算について、決算短信の数値をもとに業績のポイント、解約率低減と顧客基盤拡大によるARRの成長、営業利益が78.6%増となった背景、2027年6月期の業績予想、そして今後の注目点を詳しく解説します。

営業利益78.6%増!2026年6月期通期決算を解説
フリー株式会社の2026年6月期通期決算は、売上高27.6%増、営業利益78.6%増となり、大幅な増収増益を達成しました。2026年6月期の決算発表は8月13日に行われています。
今回の決算で特に注目したいのは、売上高の伸びを上回るペースで営業利益が増加したことです。継続的な収益を示すARRが拡大するなか、顧客基盤の拡大や解約率の低減などが業績を支えました。
業績概要
| 項目 | 2026年6月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 424億4,100万円 | +27.6% |
| 調整後営業利益 | 26億6,300万円 | +41.3% |
| 営業利益 | 10億9,100万円 | +78.6% |
| 経常利益 | 7億4,600万円 | +81.0% |
| 当期純利益 | 10億7,700万円 | ▲21.3% |
売上高は424億4,100万円となり、前期から27.6%増加しました。営業利益は10億9,100万円と前期比78.6%増、経常利益も7億4,600万円と同81.0%増となっています。
売上高の増加率を大きく上回って営業利益が伸びたことが、今回の決算における最大のポイントです。
また、調整後営業利益は26億6,300万円となり、前期比41.3%増となりました。通常の営業利益とは算定方法が異なるため単純比較には注意が必要ですが、調整後ベースでも利益成長が続いていることが確認できます。
一方、当期純利益は10億7,700万円となり、前期比21.3%減少しました。
そのため、今回の決算は「最終利益が減ったから悪い」と判断するのではなく、本業の営業利益が大幅に増加している点をまず確認する必要があります。 営業利益と最終利益で方向が異なっているため、利益の中身まで確認することが重要です。
ARRは21.8%増加
今回の決算では、継続的な収益の成長を確認するうえで重要なARR(年間経常収益)も伸長しています。
2026年6月期末のプラットフォームARRは435億9,500万円となり、前年同期比21.8%増となりました。
ARRは一時的な売上ではなく、継続的な契約から得られる収益を把握するための指標です。そのため、売上高だけではなくARRの伸びを見ることで、今後の収益基盤がどのように拡大しているのかを確認できます。
今回、売上高が27.6%増加する一方でARRも21.8%増加しており、継続課金をベースとした収益基盤が拡大していることが分かります。
さらに、有料課金ユーザー企業数は69万4,586件と前年同期比14.0%増、ARPUは6万2,772円と同6.8%増となりました。
つまり、今回の決算では単純に顧客数だけが増えたわけではありません。顧客基盤の拡大に加えて、1社あたりの収益も増加していることがARRの成長を支えています。
解約率の低減も収益基盤を支える
もう一つ注目したいのが、解約率の低減です。
SaaS企業では、新規顧客を獲得しても既存顧客が解約してしまえば、積み上げ型の収益を拡大しにくくなります。そのため、ARRを成長させるうえでは、新規顧客の獲得だけでなく既存顧客を維持することも重要です。
フリーでは、複数のプロダクトを利用する顧客が増えることで解約率を抑制する効果が確認されており、顧客基盤の拡大と合わせて継続的な収益の積み上げにつながっている点が今回の決算を見るうえで重要です。
したがって、今回の営業利益78.6%増を考える際には、単純な売上増加だけを見るのではなく、「顧客が増える→解約が抑えられる→ARRが積み上がる→利益成長につながる」という流れを確認する必要があります。
今回の決算短信で確認できる業績数字と、ARR・顧客基盤の推移を合わせて見ることで、フリーの利益成長が一時的なものなのか、それとも継続的な収益基盤の拡大を伴ったものなのかを判断しやすくなります。
営業利益の大幅増が今回の決算のポイント
2026年6月期は、売上高が27.6%増加したのに対して、営業利益は78.6%増加しました。
この差からも、売上を増やしながら利益をより大きなペースで伸ばしたことが分かります。
一方で、当期純利益は減少しているため、決算全体を評価する際には注意が必要です。しかし、投資家が今後の収益力を見るうえでは、まず本業の営業利益がどのように改善したのかを確認することが重要でしょう。
今回の決算では、ARRや顧客基盤の拡大に加えて解約率の低減も進んでおり、継続的な収益を積み上げながら利益成長につなげる構造が強まっているかが大きな注目点となります。
解約率低減とARR拡大が利益成長を後押し
フリー株式会社の2026年6月期通期決算では、売上高が27.6%増加する一方、営業利益は78.6%増加しました。売上高以上のペースで利益が伸びた背景を確認すると、顧客基盤の拡大に加えて解約率の低減が進み、継続的な収益を示すARRが拡大したことがポイントです。
特に注目したいのが、有料課金ユーザー企業数の増加とARPUの上昇が同時に進んでいることです。新規顧客を増やすだけでなく、既存顧客から得られる収益も増加しているため、ARRの成長につながっています。
有料課金ユーザー企業数は69万件超に拡大
2026年6月期末の有料課金ユーザー企業数は69万4,586件となり、前年同期比14.0%増となりました。
顧客数が増加すれば、継続的な契約から得られる収益の土台も大きくなります。今回の決算では、プラットフォームARRが435億9,500万円まで拡大しており、顧客基盤の拡大が収益基盤の成長につながっていることが分かります。
一方で、顧客数だけを増やせば利益が伸びるわけではありません。新規顧客の獲得には広告宣伝費や営業コストなどが必要になるため、既存顧客を維持しながら1社あたりの収益を高められるかが重要になります。
その点で今回注目したいのが、ARPUの上昇です。
ARPU上昇で1社あたりの収益も拡大
2026年6月期末のARPUは6万2,772円となり、前年同期比6.8%増となりました。
顧客企業数が14.0%増加しただけでなく、1社あたりの収益を示すARPUも6.8%上昇しています。
つまり、フリーのARR拡大は単純な顧客数の増加だけによるものではありません。顧客数の増加とARPUの上昇が組み合わさることで、継続的な収益基盤が拡大しています。
この点は、今後の利益成長を考えるうえでも重要です。顧客数が増え続けるだけでなく、既存顧客の利用拡大によって1社あたりの収益が増えれば、売上高を積み上げやすくなります。
解約率の低減が顧客基盤の拡大を支える
さらに今回の決算で確認したいのが、解約率の低減です。
サブスクリプション型のサービスでは、新規顧客を獲得することと同じくらい、既存顧客を維持することが重要です。顧客の解約が多ければ、新規顧客を獲得しても収益が積み上がりにくくなります。
フリーでは、複数のプロダクトを利用する顧客が増えることで解約率を抑制する効果が確認されています。つまり、顧客との取引が一つのサービスだけで終わらず、利用範囲が広がることで、顧客基盤の定着率を高めながらARRを積み上げやすくなる構造が形成されています。
これは今回の決算を評価するうえで重要なポイントです。
新規顧客の獲得だけに依存した成長であれば、広告宣伝や営業活動への投資を継続しなければなりません。しかし、解約率を抑えながら既存顧客の利用を拡大できれば、積み上げ型の収益をより効率的に増やせます。
ARRは435億円まで拡大
こうした顧客基盤の拡大や解約率の低減を背景に、プラットフォームARRは435億9,500万円となり、前年同期比21.8%増となりました。
売上高の成長率は27.6%ですが、ARRも20%を超えるペースで成長しています。これは、フリーの収益基盤が引き続き拡大していることを示す重要な指標です。
特に、有料課金ユーザー企業数+14.0%、ARPU+6.8%、プラットフォームARR+21.8%という数字を合わせて見ると、顧客数の増加だけでなく、顧客単価の上昇も収益拡大に寄与していることが分かります。
売上成長が利益成長につながる段階へ
今回の決算で最も評価したいのは、こうした収益基盤の拡大が営業利益78.6%増という利益成長につながった点です。
売上高は424億4,100万円と27.6%増加しましたが、営業利益は10億9,100万円と78.6%増加しました。売上高以上のペースで営業利益が伸びていることから、増収に伴って利益を生み出す力も改善しています。
また、調整後営業利益も26億6,300万円と前期比41.3%増加しています。通常の営業利益だけでなく、調整後ベースでも利益成長が確認できるため、収益基盤の拡大と利益率改善の両方が進んでいることが今回の決算の重要なポイントです。
ただし、ここで注意したいのは、2026年6月期の営業利益78.6%増をそのまま来期の成長率と考えることです。来期は会社が大幅な利益成長を計画していますが、重要なのはその成長を実現できるだけの顧客基盤と収益性が維持できるかどうかです。
その意味でも、今後の決算では解約率、顧客企業数、ARPU、ARRの4つの指標がどのように推移するかを継続して確認する必要があります。
2027年6月期は調整後営業利益115.9%増!来期の利益倍増を実現できるか
フリー株式会社の2026年6月期通期決算では、売上高27.6%増、営業利益78.6%増と本業の収益力が大きく改善しました。さらに注目したいのが、2027年6月期についても高い利益成長を計画していることです。
会社は2027年6月期の売上高を522億1,000万円、調整後営業利益を57億5,000万円と予想しています。売上高は前期比23.0%増、調整後営業利益は115.9%増となる計画です。
つまり、来期は売上高を20%超伸ばしながら、調整後営業利益を2倍以上に増やす計画となっています。
2027年6月期は調整後営業利益57億5,000万円を計画
| 項目 | 2026年6月期実績 | 2027年6月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 424億4,100万円 | 522億1,000万円 | +23.0% |
| 調整後営業利益 | 26億6,300万円 | 57億5,000万円 | +115.9% |
| 調整後営業利益率 | 約6.3% | 11.0% | 改善 |
特に注目したいのが、調整後営業利益率が大きく改善する計画であることです。
2026年6月期の調整後営業利益率は約6.3%でしたが、2027年6月期は11.0%を見込んでいます。売上高を増やすだけではなく、事業規模の拡大に伴って利益をより効率的に生み出すことを目指しています。
今回のタイトルで「来期は利益倍増へ」としたのも、この調整後営業利益の大幅な増加が理由です。
ただし、ここは通常の営業利益ではなく調整後営業利益である点に注意が必要です。 投資判断では両方の指標を区別して確認する必要があります。
顧客基盤とARRの成長を維持できるか
来期の利益成長を実現するためには、2026年6月期に拡大した顧客基盤をさらに伸ばせるかが重要になります。
2026年6月期末の有料課金ユーザー企業数は69万4,586件、プラットフォームARRは435億9,500万円まで拡大しました。さらにARPUも上昇しており、顧客数の増加と顧客単価の上昇を両立できていることが今回の決算の強みです。
来期もこの傾向が続けば、ARRの積み上げによって安定した売上成長を実現しやすくなります。
一方で、顧客数を増やすだけでは利益倍増にはつながりません。重要なのは、解約率を低い水準に抑えながら、既存顧客の利用拡大によってARPUをさらに高められるかです。
したがって、次回以降の決算では売上高や営業利益だけでなく、ARR、顧客企業数、ARPU、解約率の推移を合わせて確認したいところです。
生産性向上による利益率改善にも注目
来期の調整後営業利益が115.9%増となる計画を考えるうえでは、売上高の成長以上に利益を伸ばせるかがポイントになります。
2026年6月期は売上高が27.6%増加した一方、調整後営業利益は41.3%増加しました。すでに売上高以上のペースで調整後営業利益が伸びています。
2027年6月期はさらにその差を広げ、調整後営業利益率11.0%を目指しています。
これは、顧客基盤の拡大によって売上高を増やすだけでなく、事業規模の拡大と生産性向上によって利益率を引き上げることが来期の重要なテーマになることを意味します。
来期の決算では、実際に四半期ごとの利益率が改善しているのかを確認することが重要です。売上高が計画通り伸びてもコストが同じペースで増加すれば、調整後営業利益57億5,000万円の達成は難しくなります。
自社株買いも発表
今回の決算と同時に、フリーは自社株買いも発表しました。
取得する株式の上限は240万株、取得価額の総額は50億円で、自己株式を除く発行済株式総数に対する割合は4.04%です。
自社株買いは発行済み株式数を減少させるため、1株当たり利益(EPS)の改善につながる可能性があります。また、会社が自社の株主還元や株価水準を意識していることを示す材料としても注目できます。
今回の決算では、業績面で2027年6月期の大幅な利益成長を計画したうえで、自社株買いも発表しています。そのため、「業績成長+株主還元」の両面から評価できる決算となりました。
ただし、自社株買いだけを理由に株価上昇が続くと判断するのは早計です。最終的には、来期の利益計画を実際の決算で達成できるかが重要になります。
今後の決算で確認したいポイント
フリーの今後の決算では、特に解約率を抑えながら顧客基盤とARRを拡大できるかが重要です。
2026年6月期は有料課金ユーザー企業数が14.0%増、ARPUが6.8%増、プラットフォームARRが21.8%増となりました。この成長が2027年6月期にも継続すれば、会社が掲げる売上高522億1,000万円という計画の達成に近づきます。
さらに重要なのが、売上高の成長率を上回るペースで利益を伸ばせるかです。
会社は2027年6月期に調整後営業利益57億5,000万円を計画しています。2026年6月期の26億6,300万円から2倍以上となるため、かなり高い利益成長を前提とした計画です。
したがって、今後は単純に「売上高が増えたか」だけを見るのではなく、ARRの成長、解約率、ARPU、調整後営業利益率の4点をセットで確認することが重要になります。
今回の決算は、2026年6月期の営業利益78.6%増に加えて、2027年6月期の調整後営業利益115.9%増という強気の利益成長計画を示しました。さらに自社株買いも発表されており、決算内容としてはポジティブな材料が多いと言えます。
一方で、来期の利益倍増は決して低いハードルではありません。顧客基盤の拡大と解約率低減を継続しながら、どこまで利益率を改善できるかが、今後のフリーを評価するうえで最大のポイントになりそうです。
まとめ
フリー株式会社(4478)の2026年6月期通期決算は、売上高27.6%増、営業利益78.6%増となり、大幅な増収増益を達成しました。
今回の決算で特に注目したいのは、単純に売上高が増えただけではなく、顧客基盤の拡大と解約率の低減によって継続的な収益基盤が成長していることです。
2026年6月期末の有料課金ユーザー企業数は69万4,586件と前年同期比14.0%増加し、ARPUも6.8%上昇しました。その結果、プラットフォームARRは435億9,500万円と前年同期比21.8%増加しています。
こうしたARRの拡大を背景に、売上高は424億4,100万円まで成長しました。さらに調整後営業利益も26億6,300万円と41.3%増加しており、売上成長だけでなく利益を生み出す力も改善していることが今回の決算から確認できます。
一方で、当期純利益は前期比21.3%減となっているため、決算を見る際には営業利益と最終利益を分けて考える必要があります。今回の業績改善を評価するうえでは、最終利益だけではなく、本業の収益力を示す営業利益や継続的な収益を示すARRの推移を見ることが重要です。
さらに、2027年6月期は売上高522億1,000万円、調整後営業利益57億5,000万円を計画しています。調整後営業利益は前期比115.9%増となる見通しで、来期は利益を2倍以上に増やす計画です。
加えて、上限50億円の自社株買いも発表されました。業績成長に加えて株主還元も強化する方針を示したことで、今回の決算は投資家から注目されやすい内容となっています。
ただし、来期の調整後営業利益115.9%増という計画を実現するには、2026年6月期に見られた成長を継続する必要があります。今後は、解約率を低い水準に抑えながら顧客基盤を拡大できるか、ARRとARPUの成長を維持できるか、そして利益率を計画通り11%まで引き上げられるかが重要になります。
今回のフリーの決算は、「顧客基盤の拡大と解約率低減によってARRが成長し、営業利益が大幅に増加した決算」と評価できます。来期はさらに高い利益成長を計画しているため、次回以降の決算では、その計画が着実に進んでいるかを確認していきたいところです。
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本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
