【ドーン(2303)】防災DX・GISで注目!Net119・Live119を展開する成長企業を徹底解説
近年、日本では地震や豪雨などの自然災害が相次ぎ、防災・減災への取り組みがこれまで以上に重要視されています。こうした社会課題を背景に、デジタル技術を活用して災害対応を高度化する「防災DX」が注目を集めています。
株式会社ドーン(2303)は、防災DXを支えるクラウドサービスを展開するGov-tech企業です。消防本部や警察、自治体向けにNet119やLive119などのサービスを提供し、人々の安心・安全な暮らしを支えています。また、長年培ってきたGIS(地理情報システム)の技術を活かし、防災や危機管理分野で独自の強みを築いていることも特徴です。
この記事では、ドーンの事業内容や強み、防災DX市場で期待される理由について詳しく解説します。
ドーン(2303)は防災DXを支えるGov-tech企業
ドーンは、消防・警察・自治体など公共機関向けにクラウドサービスを提供するGov-tech企業です。
同社は1991年の設立以来、GIS(地理情報システム)の開発で培った技術を基盤に、防災や危機管理の分野へ事業を拡大してきました。現在では、「社会課題に挑戦するエッセンシャルカンパニー」を掲げ、公共分野のDXを推進する企業として成長を続けています。
Gov-techとは、Government(行政)とTechnology(技術)を組み合わせた言葉で、デジタル技術によって行政サービスを高度化する取り組みを指します。人口減少や自然災害の激甚化を背景に、自治体や消防ではDXの必要性が高まっており、ドーンが提供するクラウドサービスの需要も拡大しています。実際に同社は第2次中期経営計画で「Gov-tech市場の深耕」を最重点施策に掲げるとともに、AIを活用したクラウドサービスの展開や事業提携を進めています。
同社の事業は単なるシステム開発ではありません。「安心・安全な社会を創る」という理念のもと、防災・防犯・危機管理という社会インフラを支えるサービスを提供していることが最大の特徴です。そのため、官公庁との長期的な取引が多く、安定した事業基盤を築いています。
防災DXとは?なぜ今注目されているのか
防災DXとは、デジタル技術を活用して防災・減災の取り組みを高度化し、災害発生時の情報共有や意思決定を迅速化する取り組みです。
従来は電話やFAX、紙の地図を中心に運用されていた災害対応も、現在ではクラウドやスマートフォン、映像通信、AIなどを活用したリアルタイムの情報共有へと変化しています。これにより、災害現場の状況把握や住民への情報提供、消防・警察・自治体の連携が大幅に効率化されるようになりました。
こうした流れは国の政策とも一致しています。行政DXを推進する中で、防災分野でもデジタル技術の導入が進んでおり、防災DX市場は今後も拡大が期待されています。
ドーンは、この市場で長年培ってきたGIS技術とクラウドサービスを組み合わせることで、消防や自治体の業務を支援しています。そのため、防災DX関連株として注目されるだけでなく、公共DXの恩恵を受けやすい企業としても評価されています。
ドーンの強みは「空間情報×クラウド×モバイル」の融合
ドーン最大の強みは、空間情報(GIS)・クラウド・モバイルを組み合わせた独自のサービスを提供していることです。
GISは地図上で位置情報を管理・分析する技術であり、災害発生地点や避難所、消防車両の位置などをリアルタイムで可視化できます。ドーンはこのGIS技術を核として、クラウドサービスやスマートフォンアプリを組み合わせることで、災害時の情報共有や迅速な意思決定を支援しています。
また、一度導入されたサービスは継続利用されるケースが多く、クラウド利用料というストック収益につながる点も魅力です。2026年5月期はクラウド利用料が9億7百万円(前年比10.0%増)まで拡大し、売上全体をけん引しました。
このように、高度なGIS技術とストック型クラウドサービスを組み合わせたビジネスモデルは、ドーンの大きな競争優位性となっています。
ドーンの主力サービス
ドーンは、防災・消防・警察・自治体向けにさまざまなクラウドサービスを提供しています。これらのサービスは単独で導入されるだけでなく、相互に連携することで災害時の情報共有や意思決定を支援している点が特徴です。
また、導入後はクラウド利用料として継続的な収益が見込めるため、ドーンの安定した収益基盤にもつながっています。2026年5月期はクラウド利用料が前年比10.0%増加し、売上高の半分以上を占める主力事業へ成長しました。
ここでは、ドーンを代表するサービスを紹介します。
Net119|音声による119番通報が困難な人を支える緊急通報システム
Net119緊急通報システムは、聴覚や発話に障がいがある方でも、スマートフォンから消防へ119番通報ができるクラウドサービスです。
利用者はGPSによる位置情報やチャット機能を活用しながら通報できるため、音声による通報が難しい場合でも迅速な救助につながります。全国の消防本部への導入が進んでおり、防災DXを象徴するサービスの一つとなっています。
さらに、クラウド型で提供されるため、消防本部は大規模なシステムを構築することなく導入できる点も大きなメリットです。ドーンにとっても、継続的な利用料が積み上がるストック型ビジネスとして安定収益を支える重要なサービスとなっています。
Live119|映像を活用して迅速な救助活動を実現
Live119は、119番通報を受けた消防指令センターと通報者を映像でつなぐシステムです。
従来は音声だけで現場状況を把握していましたが、Live119ではスマートフォンのカメラ映像をリアルタイムで共有できます。そのため、火災や事故、急病人の状況を映像で確認しながら、応急処置の指示や適切な部隊の出動判断が可能になります。
近年は自然災害だけでなく救急搬送件数も増加しており、消防現場では迅速かつ正確な判断が求められています。Live119は消防DXを支える重要なサービスとして導入が拡大しており、ドーンの成長を支える主力製品の一つです。決算説明でも導入拡大を重点施策として掲げています。
DMaCS・Live-X・Mailio|自治体DXを支えるクラウドサービス
ドーンは消防向けだけでなく、自治体や企業向けにも複数のクラウドサービスを提供しています。
例えばDMaCS(災害情報共有サービス)は、災害対策本部で情報を一元管理し、関係機関との情報共有を支援するサービスです。災害発生時には状況が刻々と変化するため、リアルタイムで情報を共有できる仕組みは自治体にとって欠かせません。
また、Live-Xは映像通話を活用したコミュニケーションサービス、Mailioは自治体業務に必要な情報を迅速に配信できるメッセージ配信サービスです。これらは行政サービスの効率化や住民への迅速な情報提供を支える役割を担っています。
このように、ドーンは防災だけでなく行政全体のDXを支えるサービスを展開しており、Gov-tech市場の拡大とともに需要の増加が期待されています。
Digi Police・RED|防犯・消防分野へサービスを拡大
ドーンは既存サービスの強化だけでなく、新たなクラウドサービスの開発にも積極的です。
防犯アプリ「Digi Police」では、特殊詐欺対策として国際電話ブロック機能を追加するなど、防犯分野でのサービス拡充を進めています。また、2026年には消防・消防団活動のDXを推進する新サービス「消防アプリ RED」の提供を開始しました。
さらに、AIを活用したクラウドサービスの開発や、株式会社tiwakiとの資本業務提携による防犯事業の強化にも取り組んでいます。今後も新サービスの投入や機能拡充が進めば、既存顧客へのアップセルや新規顧客の獲得につながる可能性があります。
ストック型ビジネスがドーンの成長を支える
ドーンの最大の強みは、クラウドサービスによるストック型収益モデルです。
システム開発会社は案件ごとの売上に依存するケースが多い一方、ドーンはNet119やLive119などをクラウドサービスとして提供しているため、導入後も利用料が継続して発生します。その結果、契約数が増えるほど安定収益が積み上がるビジネスモデルを構築しています。
2026年5月期もクラウド利用料は907百万円まで拡大し、会社全体の成長をけん引しました。一方で、大型案件の反動によりSI初期売上は減少しましたが、ストック収益の伸びがそれを補い、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しています。
このように、フロー型からストック型へ収益構造を転換していることが、ドーンの企業価値を高める大きな要因となっています。
ドーンが選ばれる理由は「社会インフラ」を支える高い専門性
ドーンの最大の強みは、消防・警察・自治体といった公共分野に特化したサービスを提供していることです。
一般的なシステム開発会社は、企業向けの業務システムやWebサービスを幅広く手掛けています。一方、ドーンは創業以来培ってきたGIS(地理情報システム)の技術を基盤に、防災・危機管理という専門性の高い分野へ経営資源を集中してきました。
消防指令システムや119番通報、災害情報共有システムは、人命に関わる重要なインフラです。そのため、高い信頼性や安定性が求められるだけでなく、消防や自治体ごとの運用ルールにも対応する必要があります。こうしたノウハウは短期間で構築できるものではなく、新規参入が容易ではありません。
さらに、一度導入されたシステムは長期間利用されるケースが多く、継続的な保守や機能追加にもつながります。長年積み重ねてきた実績と公共分野における信頼関係は、ドーンにとって大きな競争優位性となっています。
防災DXは今後も注目される成長テーマ
近年は地震や豪雨などの自然災害が激甚化しており、防災・減災への取り組みは全国の自治体にとって重要な課題となっています。そのため、デジタル技術を活用して災害対応を高度化する「防災DX」への注目は年々高まっています。
防災DXでは、災害発生時の情報共有や住民への情報発信、消防・警察・自治体の連携などをデジタル化することで、迅速な意思決定や被害の最小化を目指します。従来の電話や紙中心の運用から、クラウドやスマートフォン、映像通信を活用した運用へ移行する流れは今後も続くと考えられます。
ドーンは、この防災DXを支えるクラウドサービスを数多く提供しており、Gov-tech市場の拡大とともに存在感を高めています。防災は景気に左右されにくい分野でもあるため、中長期的にも安定した需要が期待できるテーマといえるでしょう。
ドーンは防災DXを代表する企業の一つ
ドーンは、GIS技術を核に、防災・消防・警察・自治体向けのクラウドサービスを展開することで、防災DXを推進しています。
現在では、Net119やLive119、DMaCSなど、それぞれ異なる用途のサービスを展開し、防災・危機管理を幅広く支えています。単一の製品を販売する企業ではなく、複数のサービスを組み合わせて自治体や消防のDXを支援できることが特徴です。
また、「安心・安全な社会を創る」という理念のもと、AIやクラウド技術を活用した新サービスの開発にも取り組んでおり、今後も公共分野のデジタル化を支える企業としての役割が期待されます。
防災DXというテーマは、一時的なブームではなく、社会課題の解決につながる長期的な成長分野です。その中でドーンは、専門性と実績を兼ね備えた企業として、今後も注目される存在となりそうです。
まとめ
ドーン(2303)は、GIS技術を強みに、防災DXを支えるクラウドサービスを展開するGov-tech企業です。
消防・警察・自治体向けにNet119やLive119、DMaCSなどのサービスを提供し、社会インフラを支える重要な役割を担っています。また、長年にわたり公共分野で培ってきた技術力とノウハウは、同社の大きな競争優位性となっています。
近年は、防災DXや行政DXへの関心が高まる中で、災害情報の共有や119番通報の高度化など、デジタル技術の重要性はますます増しています。こうした社会課題の解決に取り組むドーンは、防災DX関連企業として今後も注目したい企業の一つです。
業績や最新の決算内容については、別記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
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