決算分析【SOMPOホールディングス(8630)】利益2.6倍の好決算!200円配当予想と690億円自社株買いを発表
SOMPOホールディングス(8630)が2026年3月期決算を発表しました。
今回の決算は、国内損害保険事業の大幅な収益改善に加え、海外保険事業の成長が利益を押し上げ、親会社株主に帰属する当期利益は前年比163.3%増の6,400億円となりました。また、年間配当は150円へ増配され、来期は200円配当を予想しています。さらに690億円を上限とする自己株式取得も発表しており、株主還元の強化が鮮明となりました。
保険業界は金利上昇や政策保有株式の売却進展が追い風となっていますが、その中でもSOMPOホールディングスは業績成長と株主還元を高いレベルで両立しています。
2026年3月期決算
今回の決算は非常に強い内容でした。
保険収益は5兆3,729億円と前期比6.1%増となり、税引前利益は8,432億円、親会社株主に帰属する当期利益は6,400億円まで拡大しています。利益成長率は163.3%増となり、過去最高水準の利益を達成しました。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 保険収益 | 5兆655億円 | 5兆3,729億円 | +6.1% |
| 税引前利益 | 3,302億円 | 8,432億円 | +155.3% |
| 親会社株主利益 | 2,431億円 | 6,400億円 | +163.3% |
| EPS | 250.9円 | 701.0円 | +179.4% |
保険収益の伸びは堅実な水準ですが、それ以上に利益率の改善が進んだことが今回の好決算につながっています。
国内損害保険事業が利益成長を牽引
今回の決算で最も注目すべきポイントは、国内損害保険事業の収益改善です。
国内損害保険事業の利益は前期の583億円から2,681億円へ急拡大しました。実に約4.6倍の成長です。
保険会社は近年、自動車保険や火災保険の収益改善を進めてきましたが、その成果が数字として表れています。保険料率の適正化や引受収支の改善が利益増加に大きく貢献したと考えられます。
これまでSOMPOホールディングスの利益は自然災害の影響を受けやすい面がありました。しかし現在は保険本業の収益力そのものが向上しており、収益基盤は着実に強化されていると言えるでしょう。
海外保険事業が最大の利益源へ成長
SOMPOホールディングスの成長を語るうえで、海外保険事業は欠かせません。
2026年3月期の海外保険事業利益は2,944億円となり、国内損害保険事業の2,681億円を上回りました。
つまり現在のSOMPOホールディングスは、国内保険会社というよりもグローバル保険グループへ変貌しつつあります。
日本市場は人口減少によって長期的な成長が限定される一方、海外市場には大きな成長余地があります。そのため海外事業の利益拡大は、中長期的な企業価値向上につながる重要な要素です。
Aspen買収で海外成長戦略が加速
今回の決算では、Aspen Insurance Holdings Limitedの連結化も大きなトピックとなりました。
この買収により海外保険事業の資産は5.2兆円から8.2兆円へ大幅に増加しています。
SOMPOホールディングスはこれまでも海外展開を積極的に進めてきましたが、Aspenの買収によって海外事業の存在感はさらに高まりました。
今後の利益成長を考えるうえで、国内損保だけでなく海外保険事業の動向も重要なチェックポイントとなりそうです。
財務体質はさらに強化
好業績に伴い財務基盤も大きく改善しています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 総資産 | 15.9兆円 | 18.6兆円 |
| 純資産 | 4.2兆円 | 5.3兆円 |
| 自己資本比率 | 26.5% | 27.8% |
総資産は18.6兆円まで拡大し、純資産は1兆円以上増加しました。
保険会社は財務健全性が重要視されますが、今回の決算を見る限り資本面への不安は小さいと言えるでしょう。
配当は150円へ増配、来期は200円予想
株主還元も非常に魅力的な内容でした。
| 決算期 | 年間配当 |
|---|---|
| 2025年3月期 | 132円 |
| 2026年3月期 | 150円 |
| 2027年3月期予想 | 200円 |
2026年3月期は18円増配となり、来期はさらに50円の増配を計画しています。
特に注目したいのは配当性向です。
2026年3月期のEPSは701円に対して年間配当は150円となっており、配当性向は21.4%にとどまっています。
一般的な高配当銘柄では40〜60%程度の配当性向が多いため、SOMPOホールディングスには今後も増配できる余地が残されていると考えられます。
690億円の自社株買いを発表
SOMPOホールディングスは配当だけでなく、自社株買いも積極的に実施しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得株数上限 | 1,700万株 |
| 取得総額上限 | 690億円 |
| 取得期間 | 2026年6月〜11月 |
今回の自社株買いは単発の施策ではありません。
同社は「基礎還元」に加え、「政策保有株式売却益の還元」を方針として掲げています。
つまり、今後も政策保有株式の売却が進めば、その利益を株主へ還元する可能性があります。
増配と自社株買いの両輪による株主還元は、投資家にとって非常に魅力的なポイントです。
来期は減益予想だが悲観する内容ではない
一方で会社予想では、2027年3月期の親会社株主利益を4,900億円と見込んでいます。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|
| 親会社株主利益 | 6,400億円 | 4,900億円 |
数字だけを見ると約23%の減益予想です。
しかし2026年3月期は政策保有株式売却益や投資利益が大きく寄与した特殊な年度でもありました。
また会社側は自然災害損失を保守的に見積もる傾向があります。
そのため今回の減益予想を過度に悲観する必要はなく、むしろ高水準の利益を維持する計画と評価することもできます。
今後も注目したい高配当株
今回の決算から見えてくるのは、SOMPOホールディングスが単なる国内保険会社ではなく、海外保険事業を成長エンジンとするグローバル保険グループへ進化していることです。
国内損保事業の収益改善に加え、海外保険事業の拡大、Aspen買収による成長戦略、そして積極的な株主還元が同時に進んでいます。
高配当株としての魅力だけでなく、中長期的な利益成長も期待できる銘柄として注目度は高いと言えるでしょう。
まとめ
SOMPOホールディングスの2026年3月期決算は、利益成長・財務改善・株主還元のすべてが高水準となる好決算でした。
親会社株主利益は前年比163.3%増の6,400億円となり、国内損保事業は4.6倍の利益成長を達成しました。さらに海外保険事業は2,944億円の利益を稼ぎ出し、グループ最大の利益源へ成長しています。
また、年間配当は150円へ増配され、来期は200円配当を予想しています。加えて690億円の自社株買いも発表されており、株主還元姿勢の強さが際立っています。
来期は減益予想となっているものの、その背景には政策保有株式売却益の反動や保守的な前提条件があります。依然として高い収益力を維持しており、高配当株や金融株に注目している投資家にとって有力な投資候補の一つと言えるでしょう。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
