決算分析【メイコー(6787)】株価上昇?AIサーバー・衛星通信需要と大型投資から今後を分析
メイコー(6787)が発表した2026年3月期決算は、売上高・利益ともに過去最高を更新し、さらに2027年3月期も大幅増益計画を示したことで市場の注目を集めました。
足元では「メイコー 株価上昇理由」「メイコー AIサーバー」「メイコー 将来性」といった検索需要も強く、単なるプリント基板メーカーではなく、次世代通信・AIインフラ関連銘柄としての期待が高まっています。
ただし今回の決算は、好業績だけでなく大型設備投資と財務戦略まで理解しないと本質を見誤ります。
この記事では、決算表から見える変化を中心に、今後の株価を見るポイントまで解説します。
2026年3月期決算|過去最高更新も中身を見るべき決算
まず今回の決算を数字で確認します。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,068億円 | 2,405億円 | +16.3% |
| 営業利益 | 190億円 | 245億円 | +28.8% |
| 経常利益 | 188億円 | 264億円 | +41.2% |
| 純利益 | 149億円 | 197億円 | +32.5% |
| EPS | 569円 | 758円 | +33.2% |
| 営業利益率 | 9.2% | 10.2% | +1.0pt |
| ROE | 14.5% | 16.2% | +1.7pt |
数字だけを見ると好決算ですが、最も評価したいのは利益率です。
売上成長率16.3%に対して営業利益成長率は28.8%となりました。つまり、単純な数量増ではなく、収益性の高い案件構成へ変化したことを示しています。
ROEも16%台まで上昇しており、資本効率改善まで伴った成長になりました。
なぜ利益が伸びたのか|高付加価値基板への転換が進む
今回の決算で最も注目すべきなのは、事業構成の変化です。
会社説明では、車載向け基板は新規顧客向け販売が増加しました。スマートフォン・タブレット向けではハイエンドモデル向け基板が堅調に推移しています。
さらに情報通信向けでは衛星通信向け需要が大きく拡大し、モジュール基板ではSSDや通信モジュールが成長しました。
利益面では、資源価格高騰という逆風がありながらも、ビルドアップ基板比率上昇と工場稼働率改善、生産性向上によって利益率を押し上げています。
ここから読み取れるのは、メイコーが価格競争型メーカーではなく、技術優位で利益を取る局面へ移行しているという点です。
決算表で最も重要なのは設備投資|利益以上に資産が増えている
今回の決算は利益だけでは読み切れません。
貸借対照表を見ると、総資産は2,563億円から3,352億円へ約789億円増加しました。一方で純資産は1,438億円まで積み上がっています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,563億円 | 3,352億円 |
| 純資産 | 1,156億円 | 1,438億円 |
| 自己資本比率 | 42.2% | 40.6% |
| 有形固定資産 | 1,295億円 | 1,748億円 |
| 建設仮勘定 | 260億円 | 508億円 |
ここで見逃せないのが建設仮勘定です。
建設仮勘定は約2倍まで積み上がっています。これは将来稼働する工場や設備への先行投資を意味します。
自己資本比率は低下していますが、利益悪化ではありません。
むしろ積極投資によって分母の資産が大きく膨らんだ結果です。
キャッシュフロー分析|現在は成長回収前のフェーズ
キャッシュフローを見ると、会社の現在地がよく分かります。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 216億円 | 275億円 |
| 投資CF | ▲243億円 | ▲554億円 |
| 財務CF | 41億円 | 300億円 |
営業活動による資金創出は拡大しました。
一方で投資キャッシュフローは554億円の支出となっています。
営業CFだけでは賄えないため、借入を活用しながら先行投資している構図です。長短借入金も増加しています。
これは危険という意味ではありません。
重要なのは、今後この投資が利益に変わるかどうかです。
来期予想はさらに強気|AIサーバーと衛星通信が主戦場
会社計画はかなり強気です。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,200億円 | +33.0% |
| 営業利益 | 380億円 | +54.6% |
| 経常利益 | 350億円 | +32.1% |
| 純利益 | 270億円 | +36.5% |
| 年間配当 | 160円 | +39.1% |
営業利益率は約11.9%まで上昇する計画です。
会社はベトナム第4工場とホアビン工場の稼働開始を前提としており、衛星通信向け基板やAIサーバー向け基板を拡大すると説明しています。
この数字が達成できるなら、利益成長局面はまだ継続する可能性があります。
配当分析|増配余地を残した成長株
年間配当は115円へ増配し、来期は160円予想です。
ただし配当性向は15%台に留まっています。
つまりメイコーは高配当株というより、成長投資を優先しながら利益拡大に合わせて還元するタイプです。
短期利回りだけでは評価しづらい銘柄といえます。
まとめ
メイコー(6787)の2026年3月期決算は、単なる好決算ではありません。
高付加価値基板へのシフトによって利益率を改善しながら、AIサーバー・衛星通信向け需要を取り込み、その利益を次の大型設備投資へ回している段階です。
短期的には投資負担が意識される可能性があります。
しかし、ベトナム新工場が順調に立ち上がり、会社計画どおり営業利益380億円へ近づくなら、評価水準が一段変わる余地があります。
次回決算では、売上よりも利益率と設備投資回収の進捗を確認したい局面です。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
