決算分析【レゾナック・ホールディングス(4004)】は利益成長フェーズ入りか?半導体材料が牽引した最新決算を徹底分析
レゾナック・ホールディングス(4004)が2026年12月期第1四半期決算を発表しました。
今回の決算は、売上収益だけを見ると減収です。しかし内容を精査すると、利益構造の改善と半導体材料事業の成長が鮮明になった決算でした。
特に半導体・電子材料セグメントでは利益成長が加速しており、従来の総合化学メーカーから高付加価値材料企業への転換が数字として現れ始めています。
この記事では、決算表の数値を読み解きながら、業績評価と今後の注目ポイントを整理します。
2026年第1四半期決算
まずは今回の決算数値を確認します。
| 項目 | 2026年Q1 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3,079億円 | 3,211億円 | ▲4.1% |
| コア営業利益 | 336億円 | 148億円 | +126.4% |
| 営業利益 | 221億円 | 140億円 | +58.4% |
| 親会社株主利益 | 153億円 | 88億円 | +74.6% |
| EPS | 84.44円 | 48.44円 | +74.3% |
| 年間配当予想 | 65円 | 65円 | 据置 |
数字を見ると、最初に目につくのは売上減少です。
しかし本質はそこではありません。
今回注目すべきなのは、売上以上に利益が大きく伸びていることです。
売上減収でも利益が伸びた理由は「利益率改善」
今回の決算で最も重要なのは、収益性改善です。
コア営業利益率を計算すると、
| 項目 | 前年同期 | 2026年Q1 |
|---|---|---|
| コア営業利益率 | 4.6% | 10.9% |
利益率は約2倍まで改善しました。
つまり、会社全体として以前より少ない売上でも利益を生み出せる体質へ変化しています。
背景には、
- 高収益な半導体材料比率上昇
- 構造改革効果
- ケミカル事業収益改善
- 不採算領域整理
があります。
単なる景気回復ではなく、利益体質改善が見えてきた点は評価材料です。
半導体・電子材料が利益成長を牽引
今回の決算の主役は明確です。
半導体・電子材料事業が全社利益を押し上げました。
| 半導体・電子材料 | 前年同期 | 2026年Q1 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,112億円 | 1,347億円 | +21.1% |
| コア営業利益 | 196億円 | 340億円 | +73.7% |
会社説明では、先端半導体向け需要拡大、メモリ回復、後工程材料増加が要因とされています。
ここで重要なのは売上規模ではありません。
全社売上に占める半導体・電子材料比率を見ると、
- 前年:約35%
- 今期:約44%
まで上昇しています。
利益源泉が明確に半導体側へシフトしています。
今後の株価も、従来の化学市況より半導体サイクルの影響を受けやすくなる可能性があります。
一方で石油化学はまだ回復途中
利益改善が進む一方で、全事業が順調というわけではありません。
クラサスケミカル事業は厳しい状況でした。
| クラサスケミカル | 前年同期 | 2026年Q1 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 787億円 | 517億円 |
| コア営業利益 | 8億円 | ▲5億円 |
要因は4年に一度の大型定期修繕です。
これは恒常的悪化ではないため過度な懸念は不要ですが、Q2以降の回復確認は必要です。
今回の決算では、石油化学の弱さを半導体利益が補った構図でした。
決算表から見える「本業の稼ぐ力」
営業利益だけを見ると伸び率は+58%です。
しかし、コア営業利益との差を見るとさらに面白い構図が見えます。
| 利益項目 | 2026年Q1 |
|---|---|
| コア営業利益 | 336億円 |
| 営業利益 | 221億円 |
| 差額 | ▲115億円 |
会社は退職給付制度改定など一時費用発生を説明しています。
つまり、会計上の利益以上に本業収益力は強い状態です。
財務体質は改善継続
利益だけでなく財務面も確認します。
| 項目 | 2025年末 | 2026年Q1 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2兆1,067億円 | 2兆1,093億円 |
| 資本 | 7,276億円 | 7,380億円 |
| 自己資本比率 | 33.2% | 33.7% |
| 有利子負債 | 9,695億円 | 9,633億円 |
利益積み上げに加え、有利子負債も減少しました。
大型設備投資や景気変動に備える観点でも改善方向といえます。
通期業績達成は可能か
会社予想は以下の通りです。
| 項目 | 通期予想 |
|---|---|
| 売上収益 | 1兆3,100億円 |
| コア営業利益 | 1,400億円 |
| 営業利益 | 1,050億円 |
| 親会社株主利益 | 770億円 |
| 年間配当 | 65円 |
Q1進捗率は、
- 売上収益:23.5%
- コア営業利益:24.0%
- 純利益:19.8%
です。
利益進捗だけを見ると極端な上振れではありません。
ただし、半導体材料が想定以上に伸び続ける場合は、上方修正期待が徐々に意識される可能性があります。
まとめ
レゾナック・ホールディングス(4004)の2026年Q1決算は、表面的な減収とは異なり、利益成長と収益構造改善が進んだ好内容の決算でした。
特に半導体・電子材料事業の存在感が大きくなっており、企業価値の源泉が変化し始めています。
一方で、石油化学事業の回復や半導体市況の継続性は引き続き確認が必要です。
現時点では、「化学株」より「半導体材料株」として見る方が業績理解に近い局面と考えます。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
