決算分析【タイガースポリマー(4231)】良い決算なのに買わない理由|成長ドライバーが見えない企業の評価方法
タイガースポリマー(4231)決算から考える
2026年3月期 第3四半期決算は、数字だけを見れば非常に強い内容でした。
- 売上高 +4.4%
- 営業利益 +29.6%
- 純利益 +47.3%
- 通期上方修正
- 配当増額(配当性向30%)
- 自社株買い4%
普通に考えれば「買い材料が揃った決算」です。
しかし私はこの銘柄を購入対象にしません。
なぜか。
それは決算の良し悪しではなく、将来を買えるかどうかという評価軸で見ると、判断が変わるからです。
まず、決算は本当に強い
セグメントを見ると、日本の利益が際立っています。(第3四半期 セグメント)
| セグメント | 売上 | 営業利益 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 18,356百万円 | 912百万円 | +86.8% |
| 米州 | 16,194百万円 | 1,505百万円 | -0.7% |
| 東南アジア | 2,895百万円 | 135百万円 | +3.2% |
| 中国 | 2,464百万円 | ▲116百万円 | 赤字縮小 |
日本だけが別会社レベルの伸びを見せています。
これは「値上げが通っている」「数量も増えている」ことを意味します。
つまり価格決定力がある強い企業です。
ここだけ見れば、非常に評価できます。
しかしセグメント全体を見ると違和感が出る
- 東南アジアは縮小(マレーシアは清算準備)
- 中国は販売減でコスト削減により赤字縮小
- 米州は規模は大きいが利益は伸びていない
つまり、
利益が伸びた理由が「日本だけ」
この構造が非常に重要です。
株主還元が厚い理由もここにある
同日に発表された内容
- 業績上方修正
- 配当増額(30%性向)
- 自社株買い4%
これは株主にとっては非常に好材料です。
しかし、裏を読むとこうなります。
成長投資先が見えないため、株主に還元している
これは「優良企業」の動きですが、成長企業の動きではありません。
私が評価している銘柄との決定的な違い
私がこれまで購入してきた銘柄は
- 成長ドライバーが見える
- 価格転嫁+数量増で持続的に伸びる
- 事業の広がりがある
今回の銘柄は
- 価格転嫁はある
- しかし数量拡大型の成長ドライバーが見えない
- 日本依存が極めて強い
- 新市場・新事業の話が無い
つまり
良い会社だが、将来を買う理由が薄い
という評価になります。
この銘柄の本質
この会社は
日本の自動車部品市況レバレッジ銘柄
です。
日本が好調な間は評価される。
しかし、日本が崩れたら評価も崩れる。
分散が効いていない構造です。
決算を毎回点検しなければ持てない銘柄
このタイプは
- 日本セグメント利益
- 粗利
- 数量
これを毎回チェックし続ける必要があります。
少しでも崩れたら、評価ロジックが成立しなくなるからです。
結論:良い決算でも買わない判断は正しい
「好決算=買い」ではありません。
投資家にはそれぞれ評価軸があります。
私の評価軸は
将来を買って、値幅を取る
今回の銘柄はこの軸に当てはまりません。
だから私は見送りという判断をします。
最後に
この決算は、決して悪い内容ではありません。
むしろ非常に優秀です。
しかし
「良い会社」と「投資対象として魅力的な会社」は別
この違いを教えてくれる、非常に良い決算でした。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
