【キムラ(7461)】はなぜ長期レジスタンスを抜けたのか?チャートの初動を決算・BS・CFから読み解く
今週の決算分析はこちらでまとめています。
レジスタンスブレイクの裏で起きていたこと
キムラは住宅資材会社から不動産ディベロッパーへ変わり始めています。
長期間上値を抑えられていたレジスタンスラインを、出来高を伴って明確にブレイク。
テクニカル的には「トレンド初動」と判断できる綺麗な形でした。

しかし今回のブレイクは、単なるテクニカル要因ではありません。
決算書を深く読み込むと、会社の稼ぎ方そのものが変わり始めていることが見えてきます。
表面の決算はむしろ弱い
今回の決算は一見すると強く見えません。
- 営業利益:減益
- 経常利益:減益
- 住宅着工戸数:減少
- 卸売・小売事業:減益
通常であれば売られてもおかしくない内容です。
それでも株価はレジスタンスを抜けてきました。
その理由は、不動産セグメントの異常値にあります。
不動産事業の営業利益が会社最大に
決算セグメントを見ると、不動産事業の営業利益は 4.7億円(前年比+288%)。
しかもこれは
「分譲マンション『ザ・札幌タワーズ』の引き渡し完了物件の計上」
によるものと記載されています。
ここだけを見ると、
「マンションが売れただけの一発利益」
に見えます。
しかしBS(貸借対照表)とCF(キャッシュフロー)を見ると、全く違う姿が浮かび上がります。
BSが示す“次の仕込み”
中間期のBSでは
- 有形固定資産:+42億円
- 長期借入金:+58億円
という大きな変化が出ています。
マンションを売って利益を出した会社の動きとしては不自然です。
通常なら「現金増・借金減・資産減」となるはず。
しかしキムラは逆。
利益を出しながら、さらに大きな不動産を仕込んでいる
動きになっています。
CFは完全に不動産ディベロッパーの動き
キャッシュフローを見ると
- 有形固定資産取得:▲47億円(投資CF)
- 長期借入:+62億円(財務CF)
これは教科書通りの
土地を仕入れ、建物を建てる不動産ディベロッパーの動き
です。
つまり今回の4.7億円は回収フェーズであり、すでに次の大型案件が進行中ということになります。
ザ・札幌タワーズの規模がそれを裏付ける
実際に引き渡し対象となった「ザ・札幌タワーズ」は
- 札幌駅徒歩圏
- ツインタワー構成
- 総戸数 約394戸
- 価格帯:5,000万円台~2億円超
という、札幌でも屈指の大規模・高価格帯マンションです。
しかも現在も販売中の住戸が存在しており、引き渡しはまだ継続中であることが確認できます。
つまり今回計上されたのは
- 394戸すべてではなく、引き渡しが完了した一部住戸のみ
ということになります。
「売り切った会社」ではなく「売却が始まった会社」
BSには
- 販売用不動産の増加
- 有形固定資産の大幅増加
が残っており、在庫や次案件が積み上がっています。
これは
不動産ビジネスを継続モデルに移行し始めているサイン
です。
住宅資材会社から評価が変わる瞬間
セグメント利益では、不動産が卸売・小売を上回り会社で最も稼ぐ事業になりました。
この瞬間、株価の評価軸は
「住宅資材会社」
から
「不動産ディベロッパー」
へと変わります。
これがレジスタンスを抜けるほどのトレンド初動を生んだ理由です。
テクニカルとファンダが完全に一致した初動
- 長期レジスタンスブレイク
- 出来高増加
- 一目雲抜け
- MACD拡散
- そして決算・BS・CFで裏付けられるビジネスモデル転換
これは単なるブレイクではなく、
会社の稼ぎ方が変わったことに先に気づいた資金の仕込み
によって起きた初動です。
まとめ
今回のキムラの株価上昇は
「決算が良かったから」ではありません。
不動産事業が主役になり、
すでに次の案件を仕込み始めていることに
一部資金が気づいたこと
これが本質です。
チャートの形は、そのファンダの結果として現れています。
まさにテクニカルとファンダが一致したトレンド初動の好例と言えるでしょう。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
