【アスモ(2654)】なぜ株価は400円で止まっているのか?月次・決算・M&Aから見える“評価ズレ”の正体
現在、アスモの株価は400円前後で推移しており、直近高値416円を前に足踏み状態が続いています。
一見するとレンジ相場のように見えますが、中身を精査すると、この価格帯に留まっていることの方が不自然に見えてきます。
月次、決算、そして12月に発表されたM&A。
これらを一本で繋ぐと、ある構図が見えてきます。
今週の決算分析はこちらでまとめています。
月次売上で起きている変化(フードサービス110%)
まず注目すべきはアスモフードサービスの月次。
拠点数がほぼ横ばいにも関わらず、累計売上は前年同期比110%で推移。
これは単純な拠点増ではなく、
稼働率・単価・効率の改善が進んでいる証拠
です。
つまりこのセグメントは「伸びている」のではなく、利益体質へと変化している途中にあります。
決算で明確になった「売上横ばい・利益2倍」
2026年3月期 中間決算では
- 売上 +0.9%
- 営業利益 +133.7%
- 経常利益 +153.1%
- 純利益 +185.0%
売上がほぼ変わらないにも関わらず、利益が倍増。
これは典型的な
企業体質の変化が起きた時の数字
です。
しかもこの利益改善は、フード・介護・トレーディングすべてのセグメントで同時に起きています。
トレーディング不調の会社、という市場の古い認識
これまでアスモは「トレーディング事業が不調」というイメージが強く、その印象が株価評価に影響していました。
しかし決算を見ると、トレーディングは売上減にも関わらず営業利益は大幅増。
つまり
売れなくなったのではなく、利益の出る売り方に変わった
ということが分かります。
そして決定打となるM&A(TrustGrowth買収)
12月に発表されたTrustGrowthの子会社化。
この会社は
- 人材派遣
- ITアウトソーシング
- 利益右肩上がり
ここで重要なのは事業内容です。
アスモの主力である
- フードサービス
- 介護サービス
この2つの最大の課題は 慢性的な人手不足。
つまり今回のM&Aは単なる事業拡大ではなく、
外部コストだった「人手不足」をグループ内利益に変える動き
と見ることができます。
人手不足を「利益」に変える循環モデル
この構図が出来上がると、以下の流れが生まれます。
人材会社 → フード・介護へ供給 → 売上増加
↑ ↓
グループ内利益 ← 利益改善
人を使うほど売上が増えるビジネスに、人材供給機能が内製化される。
これはかなり強い経営構造です。
財務も万全(現金54億・ほぼ無借金)
決算書を見ると
- 現金及び預金 54億円
- 有利子負債ほぼ無し
- 自己資本比率 70%
決算には
「小規模M&Aや隣接事業拡大が可能な水準」
と明記されています。
つまり、これが最初の一手である可能性もあります。
なぜ株価はまだ416円を超えていないのか
416円は「昔のアスモ評価」で付けた高値。
現在は
- 利益体質へ変化
- 主力セグメント成長
- 人材内製化M&A
- 財務体力十分
中身は明らかに変わっています。
それでも株価はまだ古い評価のレンジにいます。
価格帯の意味
| 価格 | 意味 |
|---|---|
| 416円 | 古い評価の高値 |
| 450円 | 市場が変化に気付き始める水準 |
| 520円 | 業績に対して自然な評価水準 |
これは上がる・下がるの話ではなく、
評価が追いつけば、価格が寄っていく
という状態です。
いま起きているのは「トレンド初動前の圧縮」
週足チャートでは400円直下で長期間の持ち合い。

これはレンジではなく、
材料待ちの圧縮
の形です。
そしてその材料は、すでに揃い始めています。
まとめ
アスモは現在、
「人手不足を利益に変える循環モデル」を作り始めた企業
へと変化している途中にあります。
月次・決算・M&A。
これらを別々に見ると地味ですが、一本に繋ぐと全く違う姿が見えてきます。
株価がまだ400円にいる理由は、市場がまだこの変化に気付いていないからかもしれません。
本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
