【rakumo(4060)】安定SaaS企業が抱える投資妙味の限界|業績が良いのに株価が伸びない銘柄の典型例
rakumoとは?|Google Workspace向けSaaSを展開
rakumoは、Google Workspaceを中心としたクラウド環境向けに、業務効率化SaaSを提供するIT企業です。
主に中堅・中小企業をターゲットに、勤怠管理、ワークフロー、経費精算、カレンダー・共有アドレス帳など、日常業務に直結する機能を展開しています。
rakumoの最大の特徴は、Google Workspaceに“足りない機能を補完する拡張型SaaS”という立ち位置です。
単体で完結するサービスではなく、既に導入されているGoogle Workspaceと連携することで、低コストかつスムーズに業務改善を実現できる点が評価されています。
また、提供形態はすべてサブスクリプション(月額課金)型で、利用ユーザー数(ID数)に応じて課金されるモデルを採用。
そのため、
- 契約社数の増加
- 既存顧客での利用ID数拡大
が進むほど、売上が自然に積み上がるストック型ビジネスとなっています。
勤怠管理や社内申請といった「業務インフラ」に近い領域を扱うため、一度導入されると解約されにくく、解約率が低い安定した収益構造を築いている点もrakumoの強みです。
事業としては堅実で、「業績が安定しやすいSaaS企業」という評価が当てはまる銘柄と言えるでしょう。
通期業績は右肩上がり|SaaS契約の積み上げが成長を支える
rakumoの通期業績は、派手さはないものの安定した右肩上がりで推移しています。
その背景にあるのが、SaaS特有のストック型収益モデルです。
rakumoの売上の大半は、月額課金型のSaaSサービスによるものです。
一度契約した企業が継続利用することで、毎期の売上が積み上がっていく構造となっています。
特に、
- 新規導入企業の増加
- 既存顧客における利用ID数の増加
- 勤怠管理・ワークフローといった業務インフラ領域での定着
が、業績の安定成長を支えています。
これらのサービスは、日常業務に深く組み込まれるため、システムを入れ替えるコストや手間が大きく、解約されにくいという特徴があります。
その結果、解約率が低く、売上の見通しが立てやすい収益構造となっています。
実際にrakumoは、「売上は大きく落ち込まないが、急拡大もしにくい」という典型的な安定SaaS企業の業績推移を描いています。
業績面での評価まとめ
- 赤字化リスクが低い
- 収益のブレが小さい
- 毎期着実に積み上がる
という点では、事業としての完成度は高いと言えます。
一方で、この安定性こそが、株価評価においては別の課題を生むことになります。
それでも株価が伸びない理由|安定成長SaaSの限界
rakumoは業績が安定しているにもかかわらず、株価は中長期で伸び悩む傾向が続いています。
その理由は、決して業績悪化ではありません。むしろ、安定しすぎていること自体が要因となっています。
株価が伸びない理由①|成長率が評価されにくい
rakumoの成長は、
- マイナスではない
- しかし高成長でもない
という、株価が最も評価されにくいゾーンに位置しています。
SaaS企業の場合、
- 年率20〜30%以上の成長 → PER拡大
- 一桁台〜低2桁成長 → 評価は据え置き
となりやすく、rakumoは後者に該当します。
市場規模(TAM)も比較的見えやすく、「将来の急拡大」を織り込む材料が少ない点が、株価の上値を抑えています。
株価が伸びない理由②|株主還元の弱さ
現在の株主還元を整理すると、
- 株価:約1,002円
- 年間配当:9円
- 配当利回り:約0.9%
- 株主優待:なし
となっており、インカム投資としての魅力は低い水準です。
| 投資スタイル | 評価 |
|---|---|
| 高配当 | ❌ |
| 優待 | ❌ |
| 成長株 | ❌ |
結果として、長期保有で報われる投資家層が存在しにくい構造になっています。
なお、SaaS銘柄全般には、安定性と引き換えに株価評価が伸びにくいという特徴があります。
SaaS株投資におけるリスクや注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
投資判断には取引環境の整備も重要
rakumoのような値動きが限定的な銘柄は、短期需給やテクニカルを見ながらの判断が重要になります。
相場チェック・売買環境としては、
- チャート分析がしやすい
- 手数料体系が明確
- 情報量が多い
といった点が重要です。
松井証券
・高機能チャートと安定した取引環境
・中小型株の売買にも使いやすい
DMM株
・スマホ取引に強く、テーマ株の確認にも便利
・口座開設無料でサブ口座としても使いやすい
※いずれも相場確認用として持っておくだけでも十分価値があります。
テクニカル面から見たrakumoの株価動向
rakumoの株価推移を見ると、
- 中長期ではボックス圏での推移
- 出来高が増えにくい
- 決算後もトレンドが発生しにくい
という特徴があります。
これは、
- 業績が想定通りでサプライズが少ない
- 材料出尽くしになりやすい
ことによる、需給の停滞が背景にあります。
テクニカル的には、
- 下値:過去に何度も支えられた価格帯
- 上値:出来高を伴わないと突破できない水準
が明確で、短期トレード向きの値動きになりやすい銘柄です。
rakumoは長期保有に向いているのか?
結論はシンプルです。
長期保有には向いていません
理由は、
- 配当利回りが低い
- 株主優待がない
- 株価上昇のドライバーが弱い
ため、時間を味方につけてもリターンが積み上がらないからです。
まとめ|業績が良くても株価は上がらない
rakumoは、
- 事業内容:優良
- 業績:安定
- 株価:停滞
という、
業績が良いのに株価が伸びない銘柄の典型例
です。
投資において重要なのは、「良い会社かどうか」ではなく「株主として報われる設計かどうか」。
rakumoはその違いを、非常に分かりやすく示してくれる銘柄と言えるでしょう。
