【モルフォ(3653)】スマホ向けライセンス停滞で赤字拡大|売上高17.3%減・営業損失6.20億円
モルフォの2026年10月期第3四半期は、売上高が17.3%減り、営業損失が6億2,036万円まで拡大しました。スマートフォン向けライセンス収入の伸び悩みに加え、売上総利益率の低下が重く響いています。
会社は第4四半期に高収益のライセンス売上を見込んで通期予想を据え置きました。残り3か月に必要な利益額は小さくなく、案件の計上時期が焦点になる決算です。

ライセンス収入の停滞で粗利益が落ち込んだ2026年10月期第3四半期
売上総利益は40.2%減、営業損失は5億3,000万円悪化
第3四半期累計の売上高は19億2,899万円、営業損失は6億2,036万円でした。前年同期の営業損失9,022万円から、損失額が大きく膨らんでいます。
| 項目 | 2026年10月期第3四半期累計 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,928百万円 | 2,333百万円 |
| 売上総利益 | 735百万円 | 1,229百万円 |
| 営業損失 | 620百万円 | 90百万円 |
| 親会社株主に帰属する四半期純損失 | 905百万円 | 210百万円 |
売上高の減少率は17.3%ですが、売上総利益は40.2%減りました。粗利益率は52.7%から38.1%へ低下しています。高採算のライセンス売上が伸び悩み、売上構成が悪化した影響が利益面で大きく表れた形です。
スマートデバイスの弱さを車載・DXの将来案件がまだ補えない
スマートデバイス領域では、スマートフォン市場の成熟化や一部顧客の開発スケジュール見直しにより、スマートフォン向けライセンス収入が伸び悩みました。ウェアラブル向けは堅調でしたが、全体を押し上げるには至っていません。
車載・モビリティ領域やDX領域では、SDV向け共同開発、3D計測、画像解析AIなどの取り組みが進んでいます。ただし、決算で確認すべきなのは将来テーマの多さではなく、これらがいつ売上と粗利益へ変わるかです。現時点では既存ライセンス収入の減少を埋め切れていません。
据え置いた通期予想は第4四半期のライセンス計上が前提
営業損失を通期3億5,000万円まで縮める必要
通期予想は売上高30億円、営業損失3億5,000万円で据え置かれました。第3四半期までに営業損失が6億2,036万円に達しているため、単純計算では第4四半期に約2億7,036万円の営業利益が必要です。
| 項目 | 第3四半期累計実績 | 通期予想 | 第4四半期に必要な額 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,928百万円 | 3,000百万円 | 約1,071百万円 |
| 営業利益 | △620百万円 | △350百万円 | 約270百万円 |
| 経常利益 | △542百万円 | △230百万円 | 約312百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △905百万円 | △520百万円 | 約385百万円 |
会社は、主要顧客向け案件の進展に伴う収益性の高いライセンス売上と、構造改革による固定費軽減を見込んでいます。予想達成の可否は、期待される案件が第4四半期中に計上されるかに大きく左右されます。配当予想は0円です。
現金残高と赤字縮小の速度を同時に確認
第3四半期末の自己資本比率は84.8%と高いものの、純資産は前期末から8億9,000万円減少しました。営業赤字が続けば、財務余力は徐々に削られます。
次回は、ライセンス売上の計上、粗利益率の回復、固定費削減の効果を確認したいところです。売上高だけが戻っても、製品・契約構成が変わらず粗利益率が低いままなら、赤字縮小の力は弱くなります。
まとめ
モルフォの第3四半期は、スマートフォン向けライセンス収入の伸び悩みなどから売上高が17.3%減り、粗利益率の低下によって営業損失が6億2,036万円へ拡大しました。
通期予想は据え置かれていますが、その前提は第4四半期の高採算ライセンス売上です。案件の計上だけでなく、粗利益率と固定費負担がどこまで改善するかをセットで見ていく必要があります。
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