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【KOA(6999)】抵抗器は電気を止めるだけではない、測定・保護まで担う電子部品事業

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電気自動車のモーターを動かすとき、回路には「いま、どれだけ電流が流れているか」を制御装置へ伝える役割が必要です。そこで使われるのが、抵抗値の小さなシャント抵抗器です。部品の両端に生じるわずかな電圧差を読み取ることで、目に見えない電流を測定できます。

KOA(6999)の中核製品は抵抗器ですが、仕事は電流を制限するだけではありません。電流を測る、温度を捉える、過電流や過電圧から回路を守る、複数の機能を基板へまとめる。電子機器の中で電気の状態を把握し、安全に使える範囲へ保つ製品群として見ると、同社の事業が一本につながります。

この記事で分かること
  • 一般的な抵抗器とシャント抵抗器の役割の違い
  • 温度センサ、ヒューズ、バリスタが回路を守る仕組み
  • LTCC基板とハイブリッドICが部品を回路へまとめる役割
  • xEV・ロボット・AIサーバー向け開発との接点
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わずかな電圧差から電流を測るシャント抵抗器

モーターやバッテリー、電源回路を制御するには、流れている電流を数値として把握しなければなりません。電流が想定より大きければ発熱や故障につながり、小さすぎれば必要な出力が得られないためです。

KOAの低抵抗抵抗器・パワーシャントは、回路の電流が通る場所に置かれます。抵抗器の両端に生じる電圧差を測り、オームの法則から電流を算出する仕組みです。抵抗値を低く抑えることで回路への影響を小さくしながら、制御に必要な情報を取り出します。

ただし、抵抗値が小さければよいわけではありません。大電流が流れる場所では部品自体が発熱し、周囲の温度変化も測定値へ影響します。モーターの起動時のような瞬間的な負荷にも耐える必要があります。そのため、抵抗値の安定性、温度による変化、定格電力、電極構造といった仕様が、利用する回路ごとに変わります。

KOAが面実装抵抗器を、高精度、高電力、耐パルス・耐サージ、耐硫化、高耐熱などに細かく分けているのは、この要求の違いに対応するためです。製品の多さはカタログの厚さではなく、顧客の設計者が回路の条件に合う一個を選ぶための選択肢になっています。

通常時を整え、異常時には回路を守る

電子機器の回路では、電流と電圧を整えるだけでなく、熱や異常への備えも必要です。KOAの温度センサ・サーミスタは、温度によって抵抗値が変わる性質を利用し、機器内部の発熱や周囲の温度を電気信号として捉えます。車載機器や産業設備では、この情報を制御へ戻すことで、動作の調整や異常の検知に使えます。

ヒューズは、許容範囲を超える電流が流れたときに回路を遮断します。通常時の電気を調整する抵抗器とは異なり、異常が起きたときに他の部品や機器を守る役割です。バリスタは過電圧を抑える部品で、雷サージやスイッチングなどによる急な電圧変化から回路を保護します。

この三つの働きは同じではありません。シャント抵抗器や温度センサは回路の状態を測り、ヒューズやバリスタは異常時に被害を抑えます。制御、測定、保護を別々の部品が分担することで、機器は平常時の性能と異常時の安全を両立できます。

部品一個から回路のまとまりへ

顧客が必要とするのは、抵抗器そのものではなく、限られた基板面積の中で目的の回路を動かすことです。複数の部品を載せれば機能は増えますが、配線は複雑になり、実装面積や熱の処理も課題になります。

KOAのLTCC配線基板は、セラミックと配線導体を積み重ねて同時焼成する多層基板です。公式サイトでは、小型モジュール、高周波モジュール、半導体インターポーザー、キャビティパッケージなどの用途が示されています。配線を立体的に構成できるため、複数の機能を小さな領域へまとめる土台になります。

ハイブリッドICでは、顧客の回路仕様から構造を設計し、基板製造、部品実装まで行います。規格品の抵抗器を一個ずつ供給する事業から、顧客の共通回路をモジュールとして納める領域へ仕事が広がります。ただし、KOAのすべての抵抗器やセンサが自動的に一つのモジュールへ組み込まれるわけではありません。組み合わせは、顧客の回路仕様と案件ごとに決まります。

設計者の部品選びを支える技術情報

電子部品は、性能表の数値だけで採用されるものではありません。設計者は抵抗値、許容差、温度係数、定格電力、サイズに加え、基板へ載せたときの温度上昇や、瞬間的な負荷に耐えられるかを確かめます。

KOAの製品サイトでは、仕様からの検索に加え、用途・アプリケーション別の選定、推奨ランド寸法、温度上昇、熱抵抗、パルス限界電力、3Dモデルなどの情報を提供しています。これは販売後の補足資料ではなく、顧客が回路設計の段階で製品を評価するための入口です。

抵抗器は機器の内部に組み込まれるため、一度採用されれば外からは見えません。その前段で、設計条件に合う製品を探し、評価し、実装する工程があります。製品ラインアップと設計データを一緒に提供することが、部品を実際の回路へつなぐ役割を果たしています。

xEV・ロボット・AIサーバーで変わる要求性能

KOAは2027中期経営計画で、xEV、ロボット、AIサーバーを新製品開発の対象となる市場に位置付けています。市場名だけを見ると事業との距離が分かりにくいものの、接点は電力を扱う回路にあります。

xEVやロボットでは、バッテリー、モーター、インバータ、DC/DCコンバータの電流と温度を把握する必要があります。AIサーバーでは、演算装置へ電力を供給する電源回路やコンバータ、通信回路で、大電流、高電圧、高速通信、耐環境性への要求が高まります。会社は電流センサモジュール、長辺電極シャント、高精度の薄膜チップ、高電圧デバイダーなどを具体的な製品として挙げています。

これは、テーマ市場が伸びればKOAの事業が自動的に拡大するという意味ではありません。顧客の回路で評価され、求められる仕様を満たし、生産・供給できて初めて製品になります。今回確認した資料で示されているのは製品開発と拡販の方向性であり、未開示の顧客採用や製品別の効果を先回りして断定することはできません。

まとめ

KOAの抵抗器は、電流を弱めるだけの部品ではありません。一般の抵抗器が電流と電圧を整え、シャント抵抗器が電流を測り、温度センサが熱の変化を捉えます。ヒューズとバリスタは異常時の回路を守り、LTCCとハイブリッドICは複数の機能を回路のまとまりへ広げます。

同社の製品を理解する近道は、名称を暗記することではなく、回路のどこで、何を制御し、何を測り、何から守るのかを見ることです。xEV、ロボット、AIサーバー向けの製品開発も、その延長線上で高電力・高精度・高信頼性という要求へ応える取り組みとして捉えられます。

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本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。

ABOUT ME
双樹
双樹
保全士・制御系エンジニア
FIREを目指して株式投資に挑戦し、学びをブログで発信中。

学生時代に取得した機械保全技能検定と第二種電気工事士を活かし、リーマンショック期に保全職として就職。
アベノミクス期に装置メーカーへ転職し制御設計を経験。
コロナ禍では工場勤務に転職し機械や設備の保守・点検やシステム導入に携わっています。

資格
●機械保全技能検定(電気系保全作業)
●第二種電気工事士
●エネルギー管理士
●2級ボイラー技士
●乙種第4類危険物取扱者
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