【日本精鉱(5729)】アンチモン相場反動で検証営業利益81%減
日本精鉱(5729)の2027年3月期第1四半期は、アンチモン相場の急落により営業利益が前年同期比81.3%減となりました。ただし、金属粉末事業はAIサーバーや電子部品向け需要を背景に大幅増益です。アンチモンの反動減と第二の利益柱の成長を分けて評価する決算です。

決算短信のポイント
売上高13.0%減、営業利益81.3%減!2027年3月期第1四半期決算を解説
| 項目 | 2026年3月期1Q | 2027年3月期1Q | 前年同期比 |
| 売上高 | 107.93億円 | 93.93億円 | -13.0% |
| 営業利益 | 28.78億円 | 5.38億円 | -81.3% |
| 経常利益 | 28.39億円 | 5.28億円 | -81.4% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 19.67億円 | 3.57億円 | -81.8% |
営業利益率は前年同期の26.7%から5.7%へ急低下しました。前年同期はアンチモン価格高騰の恩恵が極めて大きく、今期はその反動が表れています。アンチモン地金の平均価格はドル建てで前年同期比約55%下落しました。数量の失速よりも販売価格と在庫影響が減益の中心であり、通常の需要減少型の減益とは性質が異なります。
アンチモン利益94.3%減を金属粉末の328.4%増益が一部補完
アンチモン事業は販売数量が4.6%増えたものの、販売価格下落で売上高が40.6%減り、セグメント利益は94.3%減少しました。一方、金属粉末事業はAIサーバー向けやハイエンドスマートフォン、粉末冶金向けが好調です。販売数量の増加と銅建値上昇により売上高85.3%増、利益328.4%増となりました。利益規模はまだアンチモンの前年水準を補えませんが、事業構成の改善につながる動きです。
| 事業 | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 |
| アンチモン | 50.03億円 | -40.6% | 1.57億円(-94.3%) |
| 金属粉末 | 43.79億円 | +85.3% | 3.71億円(+328.4%) |
通期業績予想・配当を確認
通期営業利益17.1億円に対する進捗率は31.5%
| 項目 | 会社予想 | 前期比・進捗率 |
| 売上高 | 344億円 | -15.8%/27.3% |
| 営業利益 | 17.10億円 | -71.9%/31.5% |
| 経常利益 | 16.70億円 | -72.3%/31.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11.20億円 | -73.4%/31.9% |
通期予想は据え置かれました。利益進捗率は当方計算で31%台と高めですが、原料相場の変動が大きいため会社は年次単位で業績管理を行っています。第1四半期のアンチモン平均価格は前四半期比ではおおむね横ばいであり、前年同期比の大幅減益だけから通期下振れを判断するのは適切ではありません。
年間配当60円は分割調整後で実質減配予想
| 項目 | 内容 |
| 2026年3月期実績 | 年間400円(分割前) |
| 分割調整後の前期相当額 | 年間100円 |
| 2027年3月期予想 | 年間60円(分割後) |
2026年4月1日に1株を4株へ分割しています。前期実績400円を分割調整すると100円相当であり、今期予想60円は実質40円の減配です。会社は中間・期末の個別額を示さず、年間総額のみを開示しています。自己資本比率は64.8%ですが、業績連動性の高い配当として捉える必要があります。
今後の注目ポイント
アンチモン価格の底打ちと金属粉末の利益比率を確認
今後の評価を左右するのは、アンチモン価格が現在の水準で安定するか、金属粉末が第二の利益柱へ育つかです。次回はアンチモンの平均販売価格、販売数量、在庫影響に加え、金属粉末の販売数量と操業度を確認します。金属粉末の利益拡大が続けば、市況依存度の高い収益構造を徐々に緩和できる可能性があります。
まとめ
日本精鉱の第1四半期は、アンチモン相場高騰の反動で営業利益が81.3%減少しました。一方、金属粉末事業はAI・電子部品需要を取り込み、売上高85.3%増、利益328.4%増と成長しています。 通期進捗は高めですが、市況変動と実質減配を踏まえ、アンチモン価格の安定と利益源の分散を確認する局面です。
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