【アイナボホールディングス(7539)】増収も販管費増で営業利益1.8%減!
アイナボホールディングス(7539)は2026年7月31日に、2026年9月期第3四半期決算を発表しました。
第3四半期累計の売上高は前年同期比2.0%増の707億32百万円となり、増収を確保しました。一方、営業利益は同1.8%減の19億66百万円、経常利益は同0.7%減の22億62百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同0.5%減の14億15百万円となり、増収ながら営業利益以下は減益となりました。
今回の決算で特に注目したいのは、売上総利益が増加した一方、人件費などの販管費が8.6%増加し、営業利益を押し下げたことです。売上高は伸びているため、今回の減益は売上不振というよりも、コスト増加による利益圧迫が大きな要因となっています。
また、2026年9月期の通期業績予想は、売上高985億円、営業利益21億円、経常利益26億円、純利益16億円で据え置きとなりました。年間配当も26円の予想を維持しています。
この記事では、アイナボホールディングスの2026年9月期第3四半期決算について、業績の概要や営業減益となった理由、通期業績予想に対する進捗率、配当予想、今後の注目ポイントを決算短信に沿って解説します。

増収も営業利益1.8%減!2026年9月期第3四半期決算を解説
アイナボホールディングスの2026年9月期第3四半期累計決算は、売上高が前年同期比2.0%増加した一方、営業利益以下は減益となりました。
売上高は707億32百万円となり、前年同期から13億74百万円増加しています。一方、営業利益は19億66百万円と前年同期比1.8%減、経常利益は22億62百万円と同0.7%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は14億15百万円と同0.5%減でした。
業績概要
| 項目 | 2026年9月期第3四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 707億32百万円 | +2.0% |
| 営業利益 | 19億66百万円 | ▲1.8% |
| 経常利益 | 22億62百万円 | ▲0.7% |
| 純利益 | 14億15百万円 | ▲0.5% |
今回の決算で最も重要なのは、売上高が増加しているにもかかわらず、営業利益が減少したことです。
決算短信によると、売上総利益は前年同期から6億77百万円増加し、109億39百万円となりました。しかし、販売費及び一般管理費が前年同期の82億59百万円から89億73百万円へ増加しています。増加率は8.6%となっており、売上総利益の増加分を販管費の増加が上回ったことで、営業利益は減少しました。
つまり今回の営業減益は、売上高が伸びなかったことが主因ではなく、利益を確保する一方で販管費が大きく増加したことがポイントです。
実際に損益計算書を見ると、売上高は693億58百万円から707億32百万円へ増加し、売上総利益も102億61百万円から109億39百万円へ増えています。それに対して販管費は82億59百万円から89億73百万円へ増加し、営業利益は20億1百万円から19億66百万円へ減少しました。
このため、今回の決算を評価する際には、「増収なのに減益」という結果だけを見るのではなく、粗利益の増加を販管費の増加が打ち消した点を確認する必要があります。
セグメント別では増収増益と減収増益に分かれる
セグメント別に見ると、戸建住宅事業は増収増益となりました。
売上高は594億63百万円と前年同期比2.8%増加し、セグメント利益は23億78百万円と同4.1%増加しています。一方、大型物件事業は売上高112億68百万円と前年同期比2.0%減少したものの、セグメント利益は10億37百万円と同8.9%増加しました。
| セグメント | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 戸建住宅事業 | 594億63百万円 | +2.8% | 23億78百万円 | +4.1% |
| 大型物件事業 | 112億68百万円 | ▲2.0% | 10億37百万円 | +8.9% |
ここで注目したいのは、両セグメントともセグメント利益は増加していることです。
戸建住宅事業では売上高の増加に伴って利益も伸び、大型物件事業では売上高が減少したものの、利益率の高いタイル工事・空調工事の売上増加などによりセグメント利益が増加しました。
一方、連結営業利益は減少しています。これは、セグメント利益の合計が34億15百万円まで増加する一方、全社費用などを含む調整額が前年同期の12億37百万円から14億49百万円へ増加したためです。その結果、連結営業利益は19億66百万円となりました。
したがって今回の決算は、「各セグメントの利益は増加しているものの、全社費用を含む販管費の増加によって連結営業利益が減少した」と整理すると分かりやすいでしょう。
第3四半期までの数字だけを見ると、事業部門の収益力そのものが大きく悪化した決算とは言い切れません。むしろ、今後は販管費の増加をどこまで抑え、セグメント利益の増加を連結営業利益につなげられるかが重要になりそうです。
通期業績予想は据え置き!第3四半期時点の進捗率と配当を確認
アイナボホールディングスの2026年9月期第3四半期決算では、通期業績予想に変更はありませんでした。
第3四半期累計では営業利益が前年同期比1.8%減となっていますが、通期予想21億円に対して19億66百万円まで進んでいます。したがって、今回の決算では「減益だった」という点だけでなく、通期計画に対してどこまで業績が進んでいるのかを確認することが重要です。
2026年9月期の通期業績予想
| 項目 | 2026年9月期通期予想 | 第3四半期累計実績 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 985億円 | 707億32百万円 | 71.8% |
| 営業利益 | 21億円 | 19億66百万円 | 93.6% |
| 経常利益 | 26億円 | 22億62百万円 | 87.0% |
| 純利益 | 16億円 | 14億15百万円 | 88.4% |
特に注目したいのが、営業利益の進捗率93.6%です。
第3四半期累計の営業利益は19億66百万円で、通期予想21億円まで残り1億34百万円となっています。第4四半期だけでこの金額を確保できれば、会社が掲げる通期営業利益21億円を達成できます。
売上高の進捗率は71.8%にとどまっていますが、営業利益は93.6%まで進んでいます。この差からも、今回の決算では売上高よりも利益の進捗状況を確認することが重要だといえます。
ただし、ここで「通期予想の上方修正が近い」と判断するのは早いでしょう。会社は今回、2026年9月期の業績予想を変更しておらず、売上高985億円、営業利益21億円、経常利益26億円、純利益16億円を維持しています。
第3四半期までの営業利益が高い進捗となっている一方、会社側が予想を据え置いたことを考えると、第4四半期には一定の費用増加などを見込んでいる可能性も考慮する必要があります。ただし、決算短信にはその具体的な金額までは記載されていないため、ここは推測で断定すべきではありません。
年間配当は26円を維持
配当についても、今回の決算発表では変更ありませんでした。
2026年9月期は中間配当として13円を実施しており、期末配当13円を加えた年間26円を予想しています。直近の配当予想からの修正もありません。
| 項目 | 2026年9月期 |
|---|---|
| 中間配当 | 13円 |
| 期末配当予想 | 13円 |
| 年間配当予想 | 26円 |
前年の2025年9月期も年間配当は26円でした。したがって、今回の第3四半期決算では業績予想だけでなく、年間配当についても従来予想を維持したことになります。
今回の決算をまとめると、「売上高は通期予想に対して約72%、営業利益は約94%まで進捗している一方、会社は通期業績予想と年間配当26円を据え置いた」という状況です。
営業利益については通期予想達成まで残り1億34百万円となっているため、数字だけを見ると達成へのハードルはそれほど高くありません。しかし、今回の営業利益は前年同期比で減少しており、販管費の増加も続いています。
そのため、第4四半期では営業利益21億円を達成できるかに加えて、販管費の増加が収益を再び圧迫しないかを確認する必要があります。
今後の注目ポイントは?販管費増加と通期営業利益21億円の達成が焦点
アイナボホールディングスの2026年9月期第3四半期決算は、増収ながら営業減益となりました。一方で、戸建住宅事業と大型物件事業のセグメント利益はともに増加しており、連結営業利益の減少を単純に「事業の収益力が悪化した」と捉えるのは適切ではありません。
今回の決算を踏まえると、今後は販管費の増加を抑えながら、セグメント利益の増加を連結営業利益につなげられるかが重要になります。
営業利益21億円を達成できるか
まず注目したいのが、2026年9月期の通期営業利益21億円を達成できるかです。
第3四半期累計の営業利益は19億66百万円まで進んでおり、通期予想21億円に対する進捗率は93.6%です。単純計算では、第4四半期に1億34百万円の営業利益を確保すれば通期予想に到達します。
ただし、会社は今回の決算発表で通期業績予想を修正していません。売上高985億円、営業利益21億円、経常利益26億円、純利益16億円という従来予想を維持しています。
そのため、第3四半期までの進捗率だけを見て「通期予想を大きく上回る」と判断するのは避けたいところです。会社が21億円という予想を維持している以上、まずは第4四半期で計画通りの利益を確保できるかを確認することが先決です。
販管費の増加を吸収できるか
今回の決算で最も注意したいのが、販管費の増加です。
第3四半期累計の売上高は前年同期比2.0%増、売上総利益は6億77百万円増加しました。しかし、販売費及び一般管理費は前年同期の82億59百万円から89億73百万円へ増加し、8.6%の増加となっています。その結果、営業利益は20億1百万円から19億66百万円へ1.8%減少しました。
一方で、セグメント利益は戸建住宅事業が23億78百万円、大型物件事業が10億37百万円となり、合計では34億15百万円まで増加しています。前年同期の32億38百万円から1億77百万円増えているため、事業部門の利益は増えているにもかかわらず、全社費用などの増加によって連結営業利益が押し下げられた構造です。
したがって次回以降の決算では、売上高やセグメント利益だけではなく、販管費がどの程度のペースで増加しているかを見る必要があります。
売上総利益の増加が販管費の増加を上回る状態に戻れば、セグメント利益の改善が連結営業利益にも反映されやすくなります。反対に販管費の増加が続けば、増収増益への転換には時間がかかる可能性があります。
市場環境の回復とコスト上昇をどう見るか
決算短信では、住宅関連メーカーからの商品供給状況が回復傾向にあり、4月以降の新設着工数も一昨年並みに増加していることから、市場環境は回復に向かうとしています。
一方で、石油製品価格の高止まりや円安の進行を背景に、各メーカーから今秋以降の価格改定要請が出ていることにも言及しています。また、建築コストの上昇や金利の先高観が購買意欲を減退させる可能性についても注意を促しています。
つまり今後は、需要環境が回復するプラス材料がある一方、コスト上昇によるマイナス材料もあります。ここでは事業内容を深掘りするのではなく、これらの外部環境が売上高や利益率にどう反映されるかを次回以降の決算で確認することが重要です。
年間配当26円を維持できるか
配当については、2026年9月期の年間配当26円を予想しており、今回の決算でも変更はありません。中間配当13円を実施済みで、期末配当13円を予定しています。
現時点では配当予想に変更がないため、今後は通期業績の着地と合わせて年間26円の配当を維持できるかを確認したいところです。
今回の第3四半期決算では、純利益も前年同期比0.5%減にとどまっており、大幅な利益悪化には至っていません。
そのため、次回決算では業績の最終的な着地だけでなく、利益水準と配当の安定性をセットで確認することが重要になります。
以上を踏まえると、アイナボホールディングスの今後の焦点は、第3四半期までに積み上げた営業利益19億66百万円を基に、通期営業利益21億円を達成できるか、そして販管費の増加を抑えて増益基調へ戻せるかという点にあります。
現時点では通期予想が据え置かれているため、次回決算では単純な売上成長率よりも、販管費のコントロールと営業利益の最終着地を確認することが重要でしょう。
まとめ
アイナボホールディングス(7539)の2026年9月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比2.0%増加した一方、営業利益は1.8%減少する増収減益となりました。売上高は707億32百万円、営業利益は19億66百万円、経常利益は22億62百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は14億15百万円です。
今回の決算で最も重要なのは、売上総利益が増加しているにもかかわらず、販管費の増加によって営業利益が減少したことです。売上総利益は前年同期から6億77百万円増加した一方、販売費及び一般管理費は8.6%増加しました。その結果、営業利益は前年同期の20億1百万円から19億66百万円へ減少しています。
一方、セグメント別では、戸建住宅事業のセグメント利益が前年同期比4.1%増、大型物件事業が同8.9%増となっており、各セグメントの利益自体は増加しています。連結営業利益が減少した背景には、全社費用などを含む調整額の増加があります。
通期業績予想については、売上高985億円、営業利益21億円、経常利益26億円、純利益16億円で据え置きとなりました。第3四半期累計の営業利益は19億66百万円まで進んでおり、通期予想に対する進捗率は93.6%です。
また、2026年9月期の年間配当予想は26円を維持しています。中間配当13円を実施済みで、期末配当13円を予定しており、今回の決算発表で配当予想に変更はありません。
したがって、今回の決算は「増収減益ではあるものの、セグメント利益は増加しており、通期営業利益21億円に対する進捗も高い」という内容です。
今後は、通期営業利益21億円を達成できるかに加えて、販管費の増加をどこまで抑えられるかが重要になります。第3四半期までの利益進捗は高いため、第4四半期で計画を達成し、再び連結営業利益の増益につなげられるかを確認したいところです。
今回の決算を評価するうえでは、単純に「営業利益が減った」と見るのではなく、売上総利益は増加していること、セグメント利益も増加していること、そして販管費の増加が連結営業利益を圧迫していることまで確認することが重要です。
次回決算では、通期業績の着地と販管費の動向、年間配当26円の維持に注目したいところです。
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