【フルヤ金属(7826)】貴金属市況とデータセンター需要を検証|営業利益160%増
フルヤ金属(7826)の2026年6月期は、売上高74.5%増、営業利益160.0%増と大幅な増収増益になりました。データセンター向け光アイソレーター用単結晶育成炉、半導体・HDD向け薄膜材料、貴金属価格と円安が業績を押し上げています。高成長の反動が出る次期計画でも利益成長を続けられるかが焦点です。

売上高74.5%増、営業利益160.0%増!2026年6月期決算を解説
| 項目 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | 前年同期比 |
| 売上高 | 573.79億円 | 1,001.39億円 | +74.5% |
| 営業利益 | 95.38億円 | 247.94億円 | +160.0% |
| 経常利益 | 93.89億円 | 246.64億円 | +162.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 64.68億円 | 160.34億円 | +147.9% |
営業利益率は16.6%から24.8%へ8.2ポイント上昇しました。売上増に加え、薄膜部門など高付加価値製品の伸長、貴金属価格の上昇、円安が収益性を押し上げています。海外売上高比率は72.5%で、世界の半導体・データセンター投資と為替の影響を強く受ける構造です。数量成長と市況・為替の追い風が重なった好決算であり、要因を分けて評価する必要があります。
薄膜と電子が高成長、サプライチェーン支援も売上約2.5倍
電子部門ではデータセンター向け光アイソレーター用単結晶育成炉などが伸び、売上高108.07億円、売上総利益33.61億円となりました。薄膜部門は半導体・HDD向けスパッタリングターゲットが好調で、売上高180.34億円、売上総利益94.94億円です。サプライチェーン支援は貴金属価格の影響もあり売上高190.44億円と148.8%増加しました。複数分野が伸びていますが、市況要因の寄与も大きい点は押さえる必要があります。
| 部門 | 売上高 | 売上総利益 |
| 電子 | 108.07億円(+83.0%) | 33.61億円(+94.4%) |
| 薄膜 | 180.34億円(+60.0%) | 94.94億円(+120.5%) |
| サーマル | 66.88億円(+37.6%) | 23.26億円(+50.3%) |
| ファインケミカル・リサイクル | 277.01億円(+5.2%) | 91.61億円(+41.8%) |
通期業績予想・配当を確認
次期は売上高0.9%増、営業利益6.9%増の計画
| 項目 | 会社予想 | 前期比・進捗率 |
| 売上高 | 1,010億円 | +0.9% |
| 営業利益 | 265億円 | +6.9% |
| 経常利益 | 260億円 | +5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 177億円 | +10.4% |
2027年6月期は、売上高の伸びを0.9%に抑えつつ、営業利益は6.9%増を見込みます。前期の急拡大後も利益率改善を続ける計画です。前提には1ドル155円と足元の貴金属価格が含まれているため、円高や貴金属価格下落は下振れ要因になります。営業キャッシュフロー157.63億円に対し投資キャッシュフローはマイナス39.48億円で、単純計算のフリーキャッシュフローは118.15億円でした。
年間配当は165円、次期は180円へ増配予想
| 項目 | 内容 |
| 2025年6月期実績 | 年間96円 |
| 2026年6月期実績 | 年間165円 |
| 2027年6月期予想 | 年間180円 |
2026年6月期の年間配当は165円で、前期から69円増えました。次期はさらに180円を予想しています。現金創出力は強いものの、棚卸資産は95.36億円増加しました。貴金属価格上昇に伴う在庫金額の膨張も考えられるため、在庫回転と営業キャッシュフローが利益成長に追随するかを確認したいところです。
今後の注目ポイント
市況の追い風が弱まっても利益率を維持できるか
今後は、データセンター・半導体向けの数量成長と、貴金属価格・為替による評価増を分けて見る必要があります。次期の売上成長率は低いため、営業利益265億円の達成には高付加価値製品の構成改善が欠かせません。薄膜・電子部門の売上総利益率、棚卸資産、海外需要を追い、前期の高収益が一過性の市況だけではないかを判断します。
まとめ
フルヤ金属の2026年6月期は、半導体・データセンター需要と貴金属市況、円安が重なり、営業利益が160.0%増加しました。次期も増益と増配を計画していますが、売上成長は0.9%に鈍化します。 高付加価値製品の構成改善で利益率を保てるかが次の評価点です。
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