【日本電技(1723)】営業利益39%増で株価上昇!受注30%増とデータセンター需要が追い風

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日本電技(1723)は2026年7月24日に2027年3月期第1四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比3.2%増と堅調に推移し、営業利益は同39.4%増、経常利益は同41.2%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は同39.3%増と、大幅な増益を達成しています。

今回の決算で特に注目したいのは、利益が大きく伸びたことだけではありません。工場やデータセンター向け案件を中心に受注高が前年同期比30.8%増となり、今後の売上につながる繰越工事高も大幅に積み上がりました。特に既設工事の受注が好調に推移しており、設備更新需要を着実に取り込んでいることが分かります。

また、売上総利益率の改善によって利益率が向上し、売上の伸び以上に利益が拡大しました。工場関連の大型案件やデータセンター向け需要を背景に、収益性の高い事業構造へと進んでいる点も市場から評価されています。

こうした内容を受けて、7月25日の株式市場では買いが集まり、日本電技は値上がり率ランキングにランクインしました。

この記事では、日本電技の2027年3月期第1四半期決算の内容や株価上昇の背景、今後の注目ポイントについて分かりやすく解説します。

この記事で分かること
  • 日本電技の2027年3月期第1四半期決算の内容
  • 営業利益39.4%増となった理由
  • 工場・データセンター向け受注が好調だった背景
  • 株価上昇につながったポイント
  • 今後の注目ポイント
まずは事業内容を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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営業利益39%増!2027年3月期第1四半期決算を解説

日本電技の2027年3月期第1四半期決算は、利益率の改善と受注拡大が目立つ好決算となりました。

項目2027年3月期第1四半期前年同期比
売上高86億96百万円+3.2%
営業利益17億56百万円+39.4%
経常利益19億11百万円+41.2%
四半期純利益12億98百万円+39.3%
受注高159億71百万円+30.8%

売上高は前年同期比3.2%増と堅調な伸びでしたが、利益面では売上総利益率の改善が大きく寄与し、営業利益は約4割増となりました。また、受注高も30.8%増と好調で、将来の売上につながる案件を着実に積み上げています。

空調計装関連事業が利益をけん引

今回の決算で最も業績を支えたのが、主力の空調計装関連事業です。

売上高は76億67百万円(前年同期比1.6%増)、セグメント利益は28億29百万円(同13.9%増)となりました。特に利益面では、工場関連の大型既設案件の売上計上や売上総利益率の改善が増益につながっています。

受注面では、新設工事が前年同期比46.3%増、既設工事が同25.7%増となりました。工場や宿泊施設向けの新設工事に加え、工場やデータセンター向けの既設工事が伸びており、幅広い設備投資需要を取り込んでいます。

一方で売上高は、新設工事が前年同期比29.1%減となったものの、既設工事は30.9%増と大きく伸びました。設備更新需要の拡大が、業績を下支えしていることがうかがえます。

工場・データセンター向け受注が大幅増

今回の決算で特に注目したいのが、工場やデータセンター向け案件の増加です。

会社によると、工場向け案件やデータセンター向け既設工事の受注が好調に推移しました。その結果、空調計装関連事業の繰越工事高は365億29百万円となり、前年同期比37.1%増まで拡大しています。

繰越工事高は、今後売上として計上される予定の受注残です。この金額が増えていることは、将来の売上基盤が強化されていることを意味します。

AIの普及に伴うデータセンター建設や、製造業による設備更新投資が続く中、日本電技にとって追い風となる市場環境が続いていると考えられます。

産業システム関連事業も好調

もう一つの柱である産業システム関連事業も好調でした。

受注高は11億95百万円(前年同期比32.0%増)、売上高は10億28百万円(同17.1%増)、セグメント利益は2億9百万円(同96.4%増)となっています。

生産設備付帯工事や電気工事の受注が増加したことに加え、ソフトウェア関連の売上も伸びました。また、繰越工事高も42億21百万円(前年同期比41.0%増)まで拡大しており、こちらも今後の業績を支える受注残が積み上がっています。

通期業績予想は据え置き

会社は2027年3月期の通期業績予想を据え置いています。

項目通期会社予想
売上高515億円
営業利益125億円
経常利益127億円
当期純利益87億円

第1四半期は利益率の改善や受注拡大など好調なスタートとなりましたが、会社は現時点で業績予想を変更していません。

一方、日本電技は例年、第4四半期に工事完成・引き渡しが集中する季節性があるため、第1四半期だけで業績を判断することはできません。今後は受注残をどのように売上へ結び付けていくのか、引き続き注目したいところです。

株価上昇の理由は?工場・データセンター需要と受注拡大を分析

日本電技の株価は、第1四半期決算の発表後に買いが集まり、7月25日には値上がり率ランキングにランクインしました。

背景には、営業利益39.4%増という好決算だけではありません。工場やデータセンター向け案件を中心に受注高が30.8%増加し、将来の売上につながる繰越工事高も大幅に積み上がったことが、市場から高く評価されたと考えられます。

さらに、売上総利益率の改善によって利益率も向上しており、「現在の業績」と「今後の成長」の両方を確認できる決算内容となりました。

ここでは、日本電技の株価上昇につながったポイントを詳しく見ていきましょう。

工場・データセンター向け需要が業績を押し上げた

今回の決算で最も注目されたのが、工場やデータセンター向け案件の好調さです。

空調計装関連事業では、工場向け大型案件の売上計上に加え、工場やデータセンター向け既設工事の受注が大きく伸びました。その結果、受注高は前年同期比30.8%増となり、会社が得意とする空調自動制御システムへの需要が引き続き拡大していることが確認できます。

近年は生成AIの普及を背景に、国内外でデータセンター建設が活発化しています。データセンターでは大量のサーバーを24時間安定して稼働させる必要があり、高精度な空調制御やエネルギー管理が欠かせません。

また、製造業でも半導体工場や食品工場、医薬品工場などを中心に、生産設備の更新や省エネルギー化への投資が続いています。日本電技はこうした施設の空調計装を得意としており、市場全体の設備投資拡大を着実に業績へ取り込んでいることが今回の決算から読み取れます。

設備更新需要の拡大で既設工事が成長

今回の決算では、新設工事だけでなく既設工事の伸びも大きなポイントとなりました。

受注では、新設工事が前年同期比46.3%増、既設工事が25.7%増となり、幅広い分野で設備投資が活発化しています。一方、売上では新設工事が前年同期を下回ったものの、既設工事は30.9%増となり、設備更新需要が業績を支えました。

既設工事とは、既に稼働している建物や工場の空調設備、自動制御設備を更新・改修する工事です。新築工事と比べて景気変動の影響を受けにくく、省エネルギー化や設備の長寿命化を目的とした需要が継続的に発生します。

特に近年は、カーボンニュートラルへの対応や電力コスト削減を目的に、省エネ性能の高い空調システムへ更新する企業が増えています。こうした流れは日本電技にとって継続的な受注機会となり、安定した収益基盤の構築につながっています。

繰越工事高の積み上がりが将来の成長を支える

今回の決算で投資家が注目したもう一つのポイントが、繰越工事高の大幅な増加です。

空調計装関連事業の繰越工事高は365億29百万円と前年同期比37.1%増、産業システム関連事業でも42億21百万円と41.0%増となりました。

繰越工事高とは、すでに受注しているものの、まだ売上として計上されていない工事の残高を指します。言い換えれば、将来売上となる予定の案件がどれだけ積み上がっているかを示す指標です。

受注高だけでは一時的な大型案件の影響を受ける場合がありますが、繰越工事高まで大きく増加しているということは、一過性ではなく継続的に案件を獲得できている可能性が高いことを意味します。

そのため、市場では「今四半期だけの好決算」ではなく、「今後も売上と利益の成長が期待できる企業」として評価されたと考えられます。

利益率改善が収益力向上につながる

今回の決算では、利益率の改善も高く評価されました。

売上高は前年同期比3.2%増でしたが、営業利益は39.4%増と大きく伸びています。この背景には、工場関連の大型既設案件の売上計上に加え、売上総利益率が改善したことがあります。

利益率が改善すると、売上高が大きく伸びなくても利益を増やしやすくなります。特に日本電技は、設計から施工、保守まで一貫して手掛ける体制を強みとしており、高付加価値案件を獲得できれば収益性の向上につながります。

今後も工場やデータセンター向け案件、既設工事の比率が高まれば、利益率がさらに改善する可能性もあり、中長期的な企業価値の向上が期待されます。

株価上昇は中長期的な成長期待を市場が評価した結果

今回の株価上昇は、営業利益39.4%増という数字だけが評価されたわけではありません。

市場は、工場やデータセンター向け需要の拡大を背景に受注高が30.8%増加し、繰越工事高も大きく積み上がったことを高く評価しました。また、設備更新需要を取り込む既設工事の成長や利益率の改善も、今後の収益拡大につながる重要な材料と受け止められています。

今回の決算は、足元の利益成長だけでなく、将来の業績を支える受注残や市場環境の追い風まで確認できる内容でした。AIの普及によるデータセンター投資やGX・省エネ投資が続く中、日本電技はその恩恵を受けやすいポジションにあり、市場はこうした中長期的な成長シナリオを織り込み始めたと考えられます。

このため、7月25日の株価上昇は一時的な好決算への反応ではなく、今後の成長期待を市場が評価した結果といえるでしょう。

今後の注目ポイントは?データセンター・GX需要を取り込めるかに注目

今回の決算では、営業利益が前年同期比39.4%増となったことに加え、受注高や繰越工事高も大きく伸びるなど、業績の先行きを期待させる内容となりました。

一方で、投資家が注目しているのは、第1四半期の好調な業績を年間を通じて維持できるかどうかです。

日本電技は、データセンターや半導体工場、製造業の設備更新、さらにはGX(グリーントランスフォーメーション)関連投資など、中長期的な成長が期待される市場で事業を展開しています。

ここでは、今後の業績を左右するポイントを見ていきましょう。

データセンター・半導体投資が中長期的な追い風

日本電技を取り巻く市場環境は、中長期的に追い風が続くと考えられます。

生成AIの普及に伴い、国内外ではデータセンターへの投資が拡大しています。データセンターではサーバーを24時間365日安定して稼働させる必要があるため、高精度な空調制御やエネルギー管理システムが不可欠です。

また、半導体工場では温度や湿度を厳密に管理することが製品品質に直結します。そのため、空調計装システムへの需要は今後も高い水準が続くと予想されます。

今回の決算でも、工場やデータセンター向け案件の受注が伸びており、日本電技がこれらの成長市場の恩恵を受け始めていることが確認できました。

今後もAI関連投資や半導体投資が拡大すれば、日本電技の事業環境はさらに改善する可能性があります。

GX・省エネルギー投資の拡大が成長を後押し

近年は企業の脱炭素化への取り組みが加速しており、省エネルギー設備への更新需要も拡大しています。

オフィスビルや工場、病院などでは、老朽化した空調設備を高効率な設備へ更新することで、電力使用量やCO₂排出量を削減する動きが活発になっています。

日本電技は、空調設備を自動で最適制御する計装システムを提供しており、省エネルギー化と快適性を両立できることが強みです。

今回の決算で既設工事が好調だった背景には、このような設備更新需要の拡大もあると考えられます。今後もGX関連投資が続けば、日本電技にとって安定した受注につながるでしょう。

受注残の積み上がりが続くかに注目

今回の決算で特に評価されたのが、受注高だけでなく繰越工事高も大きく増加したことです。

空調計装関連事業では繰越工事高が前年同期比37.1%増、産業システム関連事業でも41.0%増となりました。

受注残が増えていることは、将来売上となる案件を多く抱えていることを意味します。

一方で、受注残は継続的に積み上がることが重要です。大型案件が一巡した場合や設備投資が減速した場合には、将来の売上にも影響が及ぶ可能性があります。

今後の決算では、売上や利益だけでなく、受注高や繰越工事高が引き続き増加しているかを確認することが重要になるでしょう。

通期業績予想の進捗率にも注目

会社は2027年3月期の通期業績予想を据え置いていますが、第1四半期は順調なスタートとなりました。

日本電技は工事完成時に売上を計上する案件が多く、第4四半期に業績が偏る傾向があります。そのため、第1四半期の進捗率だけで通期業績を判断することはできません。

一方で、利益率の改善や受注拡大が続けば、今後の業績上振れ期待も高まります。

投資家としては、第2四半期以降も工場・データセンター向け案件が堅調に推移するか、利益率が維持できるか、そして会社が業績予想を上方修正するかどうかにも注目したいところです。

まとめ

日本電技の2027年3月期第1四半期決算は、営業利益が前年同期比39.4%増となっただけでなく、受注高30.8%増、繰越工事高の大幅増加など、将来の成長につながる内容が数多く盛り込まれた好決算でした。

特に、主力の空調計装関連事業では工場やデータセンター向け案件が好調に推移し、設備更新需要を背景とした既設工事の拡大も業績を支えています。また、産業システム関連事業も増収増益となり、事業全体で堅調な成長が続いていることが確認できました。

今後は、AIの普及によるデータセンター投資や半導体関連投資、GX・省エネルギー需要の拡大が中長期的な追い風となる可能性があります。一方で、受注残を着実に売上へ結び付けられるか、利益率を維持できるかが企業価値向上の鍵となるでしょう。

次回以降の決算では、受注高・繰越工事高・利益率の推移に注目しながら、日本電技の成長が続くかを見極めていきたい企業です。

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事業内容は下記の記事で解説しています。
【日本電技(1723)】空調自動制御とは?データセンター・半導体工場を支える計装エンジニアリング企業を解説
【日本電技(1723)】空調自動制御とは?データセンター・半導体工場を支える計装エンジニアリング企業を解説

本記事は投資判断を推奨するものではありません。
最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。

ABOUT ME
双樹
双樹
保全士・制御系エンジニア
FIREを目指して株式投資に挑戦し、学びをブログで発信中。

学生時代に取得した機械保全技能検定と第二種電気工事士を活かし、リーマンショック期に保全職として就職。
アベノミクス期に装置メーカーへ転職し制御設計を経験。
コロナ禍では工場勤務に転職し機械や設備の保守・点検やシステム導入に携わっています。

資格
●機械保全技能検定(電気系保全作業)
●第二種電気工事士
●エネルギー管理士
●2級ボイラー技士
●乙種第4類危険物取扱者
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